山下ふみこオフィシャルブログ
2013.05.09
あしたか太陽の丘に行って思うこと
北口にある複合商業施設「BiVi沼津」で昨年11月に視覚障害者、知的障害者、市民ボランティアも
参加して火災避難訓練を行った。
この時に、初めてViBiで障害の方と一緒の避難訓練に対して、静岡県も沼津市もそのマニュアルは
なく、全国的にも個々での避難訓練はおこなわれているが、参考になるべきものが見当たらず、結
局現場サイドで何度も話し合いを行い何とか訓練を終了。
そして、今回も年2回の大型商業施設に課せられている消防訓練の時期が来る。
前回の反省を踏まえ、障害者と共に避難訓練を重ねていくことで、そのノウハウを地域に発信してい
きたいというBIVIの考えに賛同して、市民ボランティアとして協力する。
今年も視覚特別支援学校や各施設の方にも声をかけ、もっと広く参加していただけるようにしていこ
うといくつかの障害者施設を抱えている「あしたか太陽の丘」を訪問する。
敷地面積は30,000坪、運動場や農地も10000坪と広大な敷地の中に5つの施設が、それぞれの役割
の中で障害者の自立生活や社会自立をするための訓練等を行っている。
その一つに就労継続支援B型事業所「クリエート太陽」がある。そこは木工品や焼き菓子のマドレーヌ
を作ったり、洗車まで行っている処である。
ヒノキ間伐材を利用して、小さなグッズからテーブル何でも相談にも応じてくれるという。
作業は鑢をかけ、本当に丁寧な仕事ぶりである。
作業所の隣には販売所があり、たくさんのヒノキ製品を展示販売している。
写真のテーブルは17000円、長椅子は10000円等。ヒノキ材なのでどっしりしているし、
重厚感もある。
こんない可愛い動物マグネット、1ケ・100円
洗車もどんな車でも持ち込んでくれれば、ワックスも含めて1000円。でも知らなかった、
ここに洗車サービスがあったなんて。
施設はリニューアルされて、本当に明るく、職員さんたちはもっとおおらかで明るく、以前訪れた時より
随分変わったような気がする。
日ごろの苦労も笑い飛ばしながらお話をしてくださるので、こちらもリラックスして色々質問をすること
ができる。この施設の工賃は15000円/月ぐらいとか・・・
手作り品は時間がかかるが、手間賃にもならない現実がある。日頃、私が思っていることだが、どこの施設
も同じように、製品は作れても販売や営業力がなく、製品自体が安価にならざる得ない。
しかし一般の消費者は安いから買う時代はすでに終わっている。
帽子デザイナーの私の経験からも、やはお客様は丁寧な縫製だからと言って買う人はいなく、
やはりデザインを重視する。only oneを目指すべきだと思うが、その人材も財政的に確保できない。
それも施設側の方は分かっているのだが、その方々が何もかもやるには限界がある。
その問題を解消するために今立ち上がろうとしているグループが沼津にもある。それぞれの施設で作った
ものを、プロのボランティアの手を通して一つのブランドとして間もなく出てくるだろう。
インターネットでの販売も手掛けるという若い人たちの発想と行動力,そして自分たちが楽しく
かかわりながら、社会貢献に繋がっていくという行動は本当に羨ましいと思っている。
2月末に丸の内ビルの雑貨店で開催していた工房「集」のテキスタイルアート展。
これも埼玉の社会福祉施設で工房“集”の織物工芸作家たち(障がい者さんたち)の作品として丸の
内のあるショップで展示販売していた時のチラシ。
「個性あふれる作家たちが織りなす、研ぎ澄まされた感覚と春風のような軽やかさを併せ持ったスト
ールやバッグ、ポーチの数々、すべて1点物の作品たちが日常の空間を彩ることで、そこに豊かな時
間があふれることを願っています。」とお誘いのハガキには書かれている。
会場には春風は運んできたような作品ばかりで、思わず手にとっては羽織たくなる。織物作家として
一時、ライフプランを立てようとしたこともある私としては衝撃的であった。
こんな作品を障害を持った人たちとコラボできたらと思っているのだが・・・
ところで、本来目的の避難訓練参加の要請に対しては、施設側も前向きに検討してくださるというこ
とで、その状況も踏まえて、地区管轄の北消防署へ向かう。