山下ふみこオフィシャルブログ
2014.07.11
鉄道高架事業が及ぼす財政的な影響
7/11 今朝の静岡新聞に知事は鉄道高架を進めていく状況にあると書かれています。高架化は進めたいが、
貨物駅移転に関しては、地権者との合意形成がされていないから進めたくても進められない状況にある
と言っています。
確かにその通りです。
それは今も昔も知事の考えは何も変わっていません。強制収用は自分が知事である限りしないという
前提です。
知事の一挙手一投足にメディアや推進派が、いかにも進展しているかのように騒いでいるだけのように
私は感じています。
地権者はいたって冷静ですが、この事業は地権者だけの問題ではないことを忘れていませんか?
★★★財政的議論が何故されないのか?★★★
私は議員になって7年間、沼津市の財政的な見地からこの事業に関して問題提起をしてきました。
●高架事業は沼津市にとって、どういう財政的影響を受けるのか。
●本当に市民サービスの低下を招くことなく、この事業が完成するのか?
この基本的な疑問に、市長は税金を上げなくても大丈夫というだけで、財政的根拠の議論は
何一つされていません。
信じられないと思いますが、当局の示した財政分析を基に、議員は「財政指標がいいのだから大丈夫」と
言うだけです。それに対するシュミレーションの提示はありません。
★★★財政的議論がされないことの不幸★★★
高架事業の大きな問題は、財政的なことが何も議論されないままきていることに根本的な問題が
あります。
高次都市機能、東部唯一の玄関口、交通渋滞の解消、B/C(費用便益分析)・・・
それは高架をするための大きな要因といわれています。
しかし、そもそもの財政的な負担が市民生活のどのような影響をもたらすのか、
何も議論されずにその効果だけを言われても私には納得ができません。
先日、県の交通基盤部という処に会派で行きました。
私:「高架事業は県事業であり、県として沼津市の財政的な状況を把握すべき立場であるのではない
ですか?」
県:「そんな立場にはない。」
私:「しかし、県としてはその事業によって、沼津の市民、つまり県民が、財政的な負担を背負うことに
問題があるかどうか、調査すべき立場にあるのではないですか?」
県:「沼津市さんが大丈夫と言っている以上、県がそれ以上言うべきことではない」
私:「では、インフレや復興事業による労務単価の上昇や資材の高騰が大きくなっている現在、
高架事業の積算見直しをする必要性についてはいかがですか?」
県:「いくら積算の見直しをしたところで、あなた方はその金額がたとえ半額になったとしても、
高架事業をやるということにはならないでしょう?そんな無意味なことに金を使うつもりはない。」と。
地方自治法上からも、県の担当者の認識に対して失望をしたのは言うまでもありません。
★★反対派がこの沼津市をダメにしている★★
市長や当局が財政的に大丈夫ということだけを鵜呑みにして、議員としての責務を果たしているのか!
今の状況は反対派がいるから沼津市は何も発展してこないと問題のすり替えをしているように思えます。
反対派の私たちも、今、必要な橋上駅や自由通路の早期実現を何度も提案してきました。
しかし当局は、「高架化は政策として決めたことだから、自分たちはその事業を進めていくことが
任務であり、その代替え案を考えること自体おかしい。」と言います。
市民が選挙で選んだ高架化推進の市長・議員(22人/28人)が大多数ですから当局のいうことも当然
なのかもしれません。
★★★待ったなしの課題が山積★★★
今後予想される建物の老朽化対策(私の試算1500億円以上)、ゴミ焼却施設建設(200億円以上)、
下水道整備や病院の赤字等・・・
そして人口減少や高齢化にどう対応していくのか、東南海地震による津波対策、待ったなしの問題が
山積しています。
それらすべてが財政的見地から、総合的に議論されなければならないはずです。
一つ一つの議論はされても、それが高架化だけは蚊帳の外になっている状況は、
とても不自然のように思えます。
皆さんにとって、「もういい加減にして!」と思っている高架の財政的問題はこれからです。
それは沼津市の根幹的な財政に大きく影響をしてくるからです。
この問題を語らずして、何をするにしても進めたくても進めないのは、
この長期的事業の持つ財政的影響があまりにも大きいからです。
財政的根拠を棚上げにして、事業自体の賛成・反対だけに終始一貫されている今の状況を憂うものとして、
この事業の不自然さを感じずにはいられません
どうぞ、改めて考えて欲しい。高架事業は地権者だけの問題ではなく、沼津市の将来世代に大きな
財政的負担を負わせるものであるからです。
★ あなたは、何はなくても高架化を望む覚悟がありますか?★