山下ふみこオフィシャルブログ
2014.08.10
全国政策研究集会 in 我孫子市
8/8,9の2日間、自治体議員政策情報センター&虹とみどり主催の研修に参加。
1日目 てい談で ★★新たな地域づくりと市民合意 ★★
前我孫子市長の福嶋浩彦さんが目指したのは、市民の自立した活動と市民がコントロールする行政との
連携による市民自治。
千葉市長の熊谷俊人さんはガバメント2.0の考え方に基づき、ICTも活用しながら市民主体の町づくりを
進め、市民自治の実現を目指す。
尼崎市長の稲村和美さんは、新しい公共と市民参加の仕掛けづくりを市民との対話集会やワークショップ
を通して進めている。
2人の若い市長さんはこれからの時代を担う先進的な取り組みを他市に先駆けて実践している。
市民自治とは
「市民一人一人から出発すること」自分達の居場所を自分たちが参画して議論し、交渉することで、
自分達の居場所を確保していく。
これからの行政運営は、何を諦め、何を維持していくのか、選択と集中をきちんと実行して、
生活者として本当に質の高い地域社会を目指していく。これからの行政は市民の要望や意見を
コーディネートし、市民合意を図っていかなければならない。
よく行政は、市民ととことん議論し、合意してやっていくと言うが、これは市民自治とは違う。
市民の要望や意見を聞いて判断するのは市長というこの考え方も違う。
市民自治は、市民自身がどういう判断をするのか、市民自身が合意をしていくものだと言う。------------------------------------------------------------------------------------------
今までの行政は密室の中で一部の既得権益の人との話合いだった。
しかしこれからは、「これをやると何を失って、これを我慢すると何ができるのか、
そういう選択肢を情報を公開しながら示した上で、市民と対話をし、市民合意を得ていくという。
例えば、子どもの医療無料化をするのは、優しい町みたいに勘違いをするが、トータル的に、
どういう財源で、何を犠牲にしたらタダになるのか、本来、保険医療の問題として議論すべきものを
市長が金の大判振る舞いをし、人気取り競争をやっている。タダの裏には何があるのか、どういう風に
なっているのか、その構造を見せて、市民が議論できる情報提供をし、選択肢を示していくべきという。
個別の利害関係者と個別に議論することは、既得権益をはびこらせるもとだと言う。
そういう既得権益の弊害をなくすためにも、また、口利き・御用聞きが議員の仕事だと思っている
議員や市民感覚に対しても異論を唱える。
千葉市の取り組みを紹介する。
ガバメント2.0の取り組み★市民の力を発揮できる「ちばレポシステム」
私は以前から、このシステムをHPでも紹介してきた。このシステムは地域の公共施設や公園・道路の
不具合や補修個所があることに気付いた住民が、スマートフォンでその場で写真撮影をし、アプリで
GPSを使って役所に送信する。すると、役所はすぐに位置を確認し、対応をとることができるシステム。
今までは、自治会が要望書を役所に出して、役所が現場に出かけて状況確認をしていたものが、
情報のやり取りだけで確認できる。
秋からはクラウド化し、セカンドユーザーは利用料金だけで、このシステムを利用できるという。
システム開発の初期投資も必要ないわけで、無駄なお金を使わずにこのユーザーになることを進める。
沼津市もぜひ取り入れて欲しいと思う。
↑ クリック
こうして通報者には役所からその対応への返事がいく。既得権益をはびこらせることの弊害が、
ITを使ったシステムを駆使することで、解決ができ、なお、若い人たちが、地域へ、このような形で
参加できることは、納税者としての自覚や地域への関心を高めていくことにもなるわけです。
福嶋さんは、市長時代、同じ要望を議員が入ると入らないと態度を違えることは絶対許さなかったという。
ここまで厳格にしなければならなかったのは、当時、この口利きがはびこり、それが役所機能に及ぼす
悪影響を苦慮していたのではないかと想像する。
実際、今も多くの自治体はそうなわけで、そういうことだけに議員が活動する存在意義があると
思っていると、、昨今の議員はいらないという風潮に拍車をかけることになってしまうわけです。
本来、議員の仕事は、個別のニーズがあったら、同じような課題を抱えている住民を救うために、
その解決策を提案し、政策として解決することが本来の仕事だという。
地方のトップや議会が、本気になって住民と向き合い、市民自治を確立させようとすることで、多くの
今までの自治体の抱えている弊害が解決できるのではないかと、千葉市や尼崎市の取り組みを聞いて思う。
若い市長たちのひたむきで真摯な取り組みは、日本の将来に大きな期待を抱かせるものであり、
その布石を福嶋さんたちが築いてきているのだと実感する。
私も負けずに頑張ろうと勇気をもらう。