山下ふみこオフィシャルブログ
2015.12.21
服飾工業はかつての地場産業
ハンカチやタオル、エンブレムの製造をしている会社が原にある。ブランドのハンカチづくりを主流に68年間続いている。宮内庁からの注文もあるという。
昔、沼津市はテーブルクロスやハンカチにドローンワーク(生地の織糸を利用して織糸を抜いたり切ったり、そしてかがったりして模様をつくる技法)を施したものが主流だったようです。
今のようにプリント柄は少なかったので、無地にこの刺繍を施したようです。
こんな服飾関係の工場が沢山あったようですが、今は衰退の一途で数社しか残っていないという。
かつては独自のカットワーク技術があり、H20年代ごろは、その技術を活かして海外に製品を輸出するほどであり、花形の地場産業だったのだろう。
今はハンカチを使う人も少なくなり、どちらかと言うと手ぬぐいの方がブームになっている。しかも、ハンカチもプリント柄が主体で、無地にカットワークを施したような高級感のあるハンカチはあまり見かけなくなっている。
時の需要と共に工場が閉鎖され、衰退している今となっては、技術自体も昔の方がはるかに水準は高かったようです。ヨーロッパへ旅行をした時、憧れるドローンワークの作品は、高価で買えないものですが、かつてはこの沼津でも生産され、海外へ輸出されこの産業を何とか地場のものとして復活できないものかと思っている。
この会社は社長の信念の下、効率性よりもデザインから製品包装まで分業ではなく一貫して行っている。そして、この加工技術を守り、技術の継承を大事にしている。正しく、中小企業だからできるモノづくりのこだわりがここに息づいている。
ミシンは昭和20年代頃のものもあり、そのミシンでしかできない技法もあるようです。この工場は私のような布を扱う仕事をするものにとって宝庫です。
工場の見学を、帽子ブランドS+KiKi(エスキキ)さんと見せていただく。上記の写真の花カットワークは社長のお母様の考案で、それが今も最高の技術として息づき継承されている。
今後に向けてどんな取り組みができるのか、課題を頂きました。