山下ふみこオフィシャルブログ

2016.03.19

28年度一般会計予算に反対した理由

代表質問の時の写真

今回、28年度一般会計予算に反対をした未来の風。何故か?
沼津市にとって、かつてこれほどまでに大きな公共事業は前例がない。二つの事業でおよそ300億円。この二つの事業(ゴミ焼却施設・市民体育館)を同時にやる事は今の沼津市の財政では不可能だということが明らかになった。
その理由の一つとして、オリンピックで建設費の高騰、だからゴミ焼却場は建設しなくていいのか。いつまで待てば、建設費が下がり、建設ラッシュがおさまっていくのか。
これから公共施設の一斉老朽化が始まる、もっと事態は深刻化する。何を優先順位としてやるべきか。それはトップの政策判断。そのトップを選ぶのは市民です。
下記に反対討論の原稿を添付する。

議第42号平成28年度沼津市一般会計予算について反対の立場から意見を申し上げます。

沼津市が掲げた「第4次総合計画」の前期が終了し、28年度から後期に入るにあたり、計画に掲げた将来の都市像実現に一歩近づいたのだろうか。

国が公表した地方財政の見通しでは、一般財源の質の改善と財政健全化を図る観点からの取り組みを行うとしています。

国は地方税・地方譲与税等が大きく伸び、リーマンショック以前の水準にまで回復していると言っています。しかし、地方において回復している兆しはあるのでしょうか。

今回、持続可能な財政運営の確保を柱に議論をしてきました。一般財源の根幹となる市税のうち、市民税と固定資産税、そして地方交付税、臨時財政対策債この3本の動向を注視してきました。

沼津市は平成 28 年度予算において、納税義務者の減や法人税割の税率引き下げが主な要因となり、減収となっています。

市民税の変動要因として、景気動向、税制改正や納税義務者の減少があるが、景気の緩やかな回復基調が続き、今後は、必ずしも税収は低下しないものと言っています。

果たしてそうでしょうか。

納税義務者はリーマンショック直前の平成20年から7年間で8777人減少し、課税標準額 200 万円以下の納税義務者数が69.4%と全体の7割にまで達している状況は今後も厳しいと言わざる得ないでしょう。

 そして臨時財政対策債や地方交付税についても甘い見通しと言わざるえません。とくに留意しなければならないのは、国は財源不足を補う臨時財政対策債の折半対象分を前年度と比較して大幅に減少し81.1%の減となりました。

 これは毎年、この赤字地方債に寄与し、借入可能額一杯にまで借り入れを起こしている沼津市にとっては大きな問題です。市債残高の総額は減少傾向にあっても市債に占める臨時財政対策債を始めとした特例債は全体の40%を占めるまでになっています。臨時的なその単年度の財源不足を補うための赤字地方債に頼らざる得ない状況が果たして健全な財政運営と言えるのでしょうか。しかし、それが今の沼津市の現状だということです。

 一般会計の総額自体が小さくなった理由は、事業を起こしたくても起こせない、事業債を借りたくても借りられる状況になかったのではないでしょうか。

今回、そういう状況が如実に表れたのが、突然の計画変更である中間処理施設と香陵公園周辺の整備です。

どちらも沼津市にとってかつてない大型公共事業です。二つを合わせれば300億円と言う巨大な公共事業を二つ同時にやれる財政状況にはもはやないということです。例え、借り入れを起こせたとしても、その借金返済を後年度にわたって行うことが既にできない状況になっているのです。

 沼津市は、昨年11月に実施した国勢調査によると、40年ぶりに20万人を割り、195642人まで減少している状況があります。

今まで人口減少が全国でワーストトップテンに連続入っていたにもかかわらず、現実の危機感として認識できていなかったのではないでしょうか。

しかし、28年度において突然降ってわいたようなこの大型事業の計画変更、この二つが同時にできなかったというのは社会保障関係の扶助費等が増大を続けることにより、投資的経費が減少し続け、財政の硬直化が一段と進んでいるからでしょう。

 何年も前から計画をして、やっと28年度に入札を始める段階になっての突然の変更です。それも昨年11月に入ってからの政策推進会議によって変更が決定されたという余りにも土壇場でのそうせざるえない、切羽詰まった状況だったのでしょう。

その原因は建設コストの高騰が、この数カ月で急に起きたからなのでしょうか。余りにもずさんな見通しの甘さに愕然とします。

さらにいえば、これからは公共施設やインフラ整備の一斉老朽化が目前に迫り、その実態が、28年度の公共施設等総合計画の策定によって、如実にその財政的な負担が明らかになってくるでしょう。

 日本がかつて経験したことのない人口減少・少子高齢化の時代的要請への対応に、早くシフトすべきであったにもかかわらず、沼津市は鉄道高架事業をやらなければならないというバブル期ころからの事業計画に縛られ、最優先事業の高架事業を成立させることを目的に財政計画を成立させようとしてきたことが、時代の流れに逆らえず、今回の突然の計画変更になってしまったと言えるのではないでしょうか。

さらにいうならば、建設コストの高騰で計画変更を余儀なくされた中間処理施設、これは高架事業も同じことになりませんか。

高架事業だけは建設コストが高騰してもやるのですか。ごみ処理施設は中断しても、高架事業はやるというのでしょうか。

オリンピックが過ぎれば建設コストが下がるという保障があるのですか。中間処理施設に関していえば、32年度以降も建て替えラッシュは減少する見通しはないと国は言っています。

 市長は「最初の選挙、そして前回の選挙も、鉄道 高架事業を推進するという立場をとり続けてきています。民主主義と言うのは選挙でやる、それが基本です。」とおっしゃいました。

もちろん、市長は選挙で選ばれた市民の代表です。しかし、選挙の時、市民は市長の全ての公約に賛成して1票を投じているでしょうか。まして、選挙後に起きる新たな問題に対しての判断を、すべて市民は白紙委任をしたわけではありません。

少子高齢化社会の「負の分担」時代に入り、税など住民負担は増えています。
この状況で鉄道高架事業を進めようとするのなら、市民の納得が不可欠ではないですか。市民の負託があると信じて進んだ方向が多くの住民の意思とかい離することはありうることです。
だからこそ、住民投票はそれを補完する重要な住民の意思表示の方法でもあるのです。

今回のように、市民生活の根幹にかかわる中間処理施設210億円は建設コストの高騰だからできなくて、1000億円の高架事業は建設コストが高騰になっても選挙の公約だからやりつづけると言ったら、市民は本当に納得すると思っているのでしょうか。

 28年度、高架事業の前提事業となる貨物ターミナル用地買収を強力に推進するとの方針を打ち出しましたが、その用地買収に当たり、地権者の買収意思を一方的に評価され、ランク付けされ、そのリストが漏えいし、広く他者に知られ、地権者のプライバシー権を侵害されました。

その行為の是非についてこの一般会計予算で議論しようとしましたが、それも審議を最後までつくさないままになってしまったことは、地権者はもとより市民にとっても、この高架事業に対して、懐疑的にならざる得ない状況を当局自らが作りだしてしまったと思います。

 財政的な議論を真っ向からせず、そして高架事業を何が何でも進めていこうとする強硬的な姿勢、今までの見通しの甘さがここにきて一気にその矛盾が噴出したかのようにも見えます。

高架事業そのものの体制が維持できなくなってきているのではないでしょうか。

時代的要請への対応に、改めて謙虚に見直すべき時代に入ったことを認識すべきであると思います。

よって議第42号平成28年度沼津市一般会計予算について反対致します。

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