山下ふみこオフィシャルブログ

2016.05.27

アセットマネジメント in 浜松

認定NPO法人クリエイティブサポートレッツから浜松市役所へ向かう。
浜松市役所の財務部アセットマネジメント推進課の方から丁寧な説明を受ける。
印象的だったのは最後に「問題は建物の劣化より社会制度の劣化です」と話されたことに、私たちは大きく頷く。
浜松市は公共施設再配置計画を他市に先駆けて、平成21年から取り組んでいる。平成22年に再配置の基本的な考え方を示した「公共施設再配置計画基本方針」を定め、22年度~23年度にかけて個別計画を作成。

すでに全体の1496施設から26年度までに383施設を削減することを目標として取り組み、結果的には431施設を削減。そのうち、100施設の公民館などは地域に無償貸与し、全部で5億円の削減を図ったという。
431施設のうち、100施設は倉庫やトイレだという。
こうしていち早くこの見直しを実施してきた訳で、主にハコモノを削減するための段取りなど、地域の合意形成を図るために、ずいぶん丁寧な話し合いを重ねてきたという。また、それが基本的なことであるからと全くもっともな考えであるが、なかなかそうはならないのが現実である。

市役所1
文芸5

総務省から平成26年4月に全地方公共団体に、公共施設等の管理計画の策定を要請する通知が出された。
浜松市はは27年度に総合管理計画を27年度に策定した。
(沼津市においては総務省の最終年度の28年度中には何とか管理計画を立てると聞いている。それと同時に10年間の財政見通しも公表するとしている。)


浜松においては、公有財産売却業務については民間事業者に委託し、民間事業者の持つノウハウと顧客情報を活用し、売却物件数が増加している。
借地適正化計画も方針にのっとり、借地の解消や借地料の見直しなど、行政目的から普通財産へ移行したりしてその適正化を図ってきている。今後の取り組みとして新規の借地は原則禁止、既存の借地については、購入や返還により計画的に借地の解消に取り組むとしている。

行政財産の有効活用について
行政財産の目的外使用許可    :1229件・1億9121万9000円
自動販売機設置場所貸付  本庁舎:20か所・801万4000円
区役所他:140か所・4557万1000円
広告モニター    (広告収入):368万4000円
マット広告           :29万1000円
椅子広告            :100脚・100万円
結構細かい、例えば、エレバーターに敷いてあるマットなどまでマット広告として収入を得て有効活用をしている。
廃校の利活用として、体育館や学校などを地域に無償貸与し、地域がまかえなくなったら民間事業者へ貸与していくという。
------★★★★★ 今後の取り組みにおける課題 ★★★★★--------

今まで目的をもって建てられたハコモノが、そのニーズが時代とともに変わり、当初の目的から、別の目的へ変更する場合、当初の目的で国からの補助金を得てる場合、補助金返還等の問題もあり、用途変更をするにもそう簡単なことではないようである。
問題は「建物の劣化より社会制度の劣化」
つまり、社会制度が追いついていかないことには、資産の管理計画や資産活用の取り組みは進んでいかないと感じた。

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