山下ふみこオフィシャルブログ
2016.08.21
市町村議会議員研修3日間 in JIAM
8月17日から3日間、大津市にある全国市町村国際文化研修所へ「地方財政制度の基本と自治体財政」のコースを受講した。
第1日目:「地方財政制度の基本」関西学院大学大学院経済学研究科・小西教授
第2日目:「自治体財政診断の考え方と手法」北海道総合政策部知事室次長・今井太郎氏 &小西教授
第3日目:財政健全化における伯耆町の取り組み」鳥取県伯耆町・高安保町長&小西教授
財政理論と実践を学ぶ。特に臨時財政対策債&地方交付税の考え方については、今までの考え方に軌道修正が必要になってくるのか。
北は北海道~南は熊本・宮崎から総勢76人が集まり、部屋に溢れかえるぐらいいっぱいで、酸素不足になるぐらい誰もが真剣そのもの。
特に参考になった今井先生の「自分のまちの財政状況がいいのか悪いのか」まず目安としての手法を教えてもらう。ただし、財政状況の良し悪しと町の行政運営がいいのかどうかは別の問題であるという。(確かにその通りで、投資をしなければ、借金は減り、数値はよくなるが、課題の先送りをしていることになるわけで、財政指標だけで町の状況を語ることはできない)
まず、財政状況をみる前提条件として、すべての会計を連結してみること。
財政状況の必要な数字は主に2種類。
●貯金(現金)
●借金(地方債残高・債務負担行為額・退職金支払い見込額等のすべての年度末の借金額)
これらを標準財政規模を分母にすることで、その比率を算定。
縦軸と横軸にして他の市町と比較をすることが一つの目安になるという先生独自の手法をもって計算式を学び、そこから自分のまちの財政状況の目安を知ることができるというもの。
最終日の鳥取県伯耆町(ほうき町)・森安町長として町を再建してきた経緯を、町長自らに語って頂く。この伯耆町の健全化に向けた取り組みは、非常にわかりやすく徹底している。
それはきっと町民には理解されにくい地道な財政再建の取り組みにこそあった。まさしくシティマネージャーとしての役割を彼が町長就任したH21から今までのその取り組みに敬意を表したいと思う。しかし、健全化へたどり着くまでの道のりは並大抵ではなかったことが、温厚な人柄のなかにも想像ができる。
こういう町長をもった伯耆町民は安心して、この町に住むことができているはずである。
もちろん、職員も町長のもとで安心して、町の施策を進めることができているはずである。
議員研修には、このように市町の首長が講師として現場での取り組みを直接伺い、直接意見交換できる機会がある。本当に首長によって町が変わり、議会が変わるさまは、必ずしも、誰が首長をやっても同じだと諦めている市民はいるが、そうじゃないと言える伯耆町長との出会いであり、貴重な研修であった事は言うまでもない。