山下ふみこオフィシャルブログ

2016.11.13

スクールソーシャルワークって何?

子どもの貧困がこの頃、いろいろなところでささやかれている。子どもの6人に1人は貧困と言われている。
学校の現場で、子どものいろいろな問題を担うスクールソーシャルワーカー(SSW)を置いて、対応する動きが少しずつ見られている。子ども本人と向き合うだけでなく、家庭や行政、福祉関係施設など、外部機関と連携しながら、子どもを取り巻く環境を調整役として活動するようになった。
特に、近年のいじめ、不登校、暴力行為等の子どもの問題行動は、複雑化、多様化し、学校だけでは対応が困難なケースが増えてきている。安倍総理は子ども貧困対策会議の会長として「子どもたちの輝かしい未来が家庭の状況によって失われてしまうことがあってはならないと考えている」としたうえで「学校を貧困対策のプラットホームと位置づけ、学校で貧困な子供たちを支えるソーシャルワーカーの配置を拡充し、すべての地方自治体での相談体制を拡充する」考えを示した。
★★内閣府・子どもの貧困対策検討会★★
「貧困対策のプラットフォーム」として公立小・中学校の重要性を提唱(2014年5/1)

★★教育支援では「学校」を子どもの貧困対策プラットフォームと位置付けて総合的に対策を推進するとともに、教育費の負担軽減を図る」ということで、
「子どもの貧困対策に関する大綱」(2014年8/29)として提言が盛り込まれた。

スクールソーシャルワーカーとは:社会福祉の専門 的な知識、技術を活用し、問題を抱えた児童生徒を 取り巻く環境に働きかけ、家庭、学校、地域の関係 機関をつなぎ、児童生徒の悩みや抱えている問題の 解決に向けて支援する専門家。(主に社会福祉士&精神保健福祉士)

11/3に静岡で「スクールソーシャルワーク」についてシンポジウムがあった。
-------------ねらい-------------
近年、学校現場において、「不登校、いじめ、学力格差、暴力行為、学級崩壊、発達障がい、マイノリティの子ども、保護者の要求行動、教員の精神的疲弊など」の課題がある。
また、児童生徒の学校生活における言動の背景として、貧困、生活困窮問題、社会的孤立・排除、子育て不安、ネグレクト・虐待、DV,精神疾患などの保護者・家族を取り巻く状況や、地域コミュニティの崩壊、人間関係の閉塞化、居場所の喪失などの社会的問題が指摘されている。
まさに児童生徒を取り巻く学校、家庭、地域社会の状況は深刻さを増している。

H26年8/29:「子どもの貧困対策に関する大綱」に「学校のプラットフォーム化」が明記され、文科省によってスクールソーシャルワーカー(SSWr)の配置拡充が提唱され、期待が増してきている。
しかし、「学校のプラットフォーム化」という施策の中身と目指すものが、教育現場に浸透していない現状がある。その中で、いち早く静岡市が取り組んでいる。

静岡市がすごいところは、「静岡市は子どもをたいせつにします」を基本理念として、H27~31の5年間に、子ども子育て支援の推進方策について計画を立てた。
●「子ども・子育て支援法」に基づく事業計画
●「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画、また、
●「母子父子寡婦福祉法」に基づく「ひとり親家庭等自立支援計画」
●「子どもの貧困対策推進法」の趣旨を踏まえた「子どもの貧困対策推進計画」さらに
●「第3次静岡市総合計画」のなかにも位置付けられたことです。

子どもの貧困を見逃さないきめ細やかな取り組みを行っている。↓(下記図クリック)
特にすごいのは、社会的養護の充実として、里親委託率が全国で2位(新潟1位)委託率50%を目指している。

静岡市は学校から福祉的支援につなげる体制強化のために、スクールソーシャルワーカーを増員し、H28は8名から10名へと増員。
因みに沼津市の場合、H20,21,22年度に、県事業として市内42小中学校に1名を配置。その後、県からの事業委託がなく、新たに28年度において全県下の市町に県事業として1名分だけの事業費補助が復活されたのである。)

静岡市の取り組みは、徹底した貧困の連鎖を断つという市長の政策方針のもと、静岡市の子ども未来局が教育委員会・学校教育課、子ども未来局・子ども家庭課、静岡市母子寡婦福祉会等と連携をした取り組みを展開している。

★★講師・日本大学文理学部:末富 芳(かおり)教授
子どものためにつながろう! 行政・学校・SSWそして大人たち
~「学校のプロットフォーム化」が意味すること~
日本は所得格差の深刻度で先進国41か国中30位。特に、社会の下半分の子どもたちの深刻さが際立つ社会が日本だという。
教育支援とともに、子どもに対しても保護者に対しても生活支援、高校における就労支援まで含め、学校が窓口としての役割を発揮する。つまり長期包括支援型・プラットフォーム化が学校に必要である。

文科省において、今後SSWの配置拡充を図っていくという。実際、SSWの配置によって、問題のある子どもの環境が各段に改善しているという自治体もあり、今後、ますますSSWの専門性(社会福祉士&精神保健福祉士)が問われる傾向にあるという。

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