山下ふみこオフィシャルブログ
2017.07.02
鉄道高架事業訴訟と海渡弁護士NO1
沼津駅鉄道高架訴訟に弁護団代表の海渡弁護士が語る「なぜ私がこの訴訟を引き受けたのか!」
予備席まで出され参加者数230名以上。参加者は熱心に海渡弁護士の話に耳を傾け、この訴訟がいかに正当なものであるのか、また、それは決して無謀な訴訟ではなく、きちんと公平な判断がされれば、勝訴は可能であることを私たちは確認したのではないだろうか。
海渡弁護士はさらにこうも語りかけた。「人間の命は有限であり、その地権者たちが暮らしている今を犠牲にして、この事業がずっと計画され、これから先、工事が始まれば、さらに15年以上もそこに住む環境にはならない、生活者の権利を考えないでこの事業をしている・・・」その非道さを私たちに静かに穏やかに訴えかけた。そこには弁護士としてよりも人間としての大きな包容力を感じた。
本来、政治とはそこに住む人々の暮らしを守る立場でありえなければならないのに、既に富士見町はゴーストタウン化してからもう10年以上たつ。以前は病院もあり、飲食店もあり、八百屋や魚屋もあり、そこで一貫した生活が成り立っていた。今はその一帯は高齢化し、日々の生活が機能しない地域になっている。確かにどの地域も高齢化と人口減少による空洞化で、一部の地域を除き空き家も目立ってきているが、それは社会現象でもあるわけだが、富士見町は沼津市の政策的な意図で生活権を奪われてしまっている。さらにこの状況が工事が始まったとしてもいつまで続くのか見通しが立たない。
今は出ていきたくても、売りたくてもすぐには土地を買ってもらえず、そこには減歩という厳しい条件がある。何のために富士見町に終の棲家として家を求めたのだろうか。そこには子育てや老後にとっても暮らしやすいと思ったからだろう。
沼津市民としての責務を果たしているにもかかわらず、その生活権を守るべき沼津市自らが、住民の生活する権利を奪う状況に、私たちはその苦渋に思いをはせたことがあるだろうか・・・
今朝の沼津朝日新聞の投稿にこう書かれている。
「高架化は人口減少を止めるだろうか。高架化が何をもたらすのだろうか。人口減少と、それがもたらす財源の縮小、子育て支援、高齢者医療・介護等の社会保障費の激増、教育費の無償化、市役所を含む公共施設の更新など・・・これらの解決につながるのだろうか・・・」
高架事業は連続立体交差事業であり、その目的は「開かずの踏切の解消策であり、まちづくりではない」のに、いつの間にかその目的が、高架下の有効利用など大きく捻じ曲げられている。(記事クリック→拡大)