山下ふみこオフィシャルブログ

2017.07.12

現場みらい塾 by構想日本 NO3-1

構想日本の3回目の授業は、衝撃的であった。これからの地域の在り方について、世界に例を見ない人口減少社会の中で、地域でハッピーに暮らしていくには今までのようなやり方では何も解決しないという。
ずっと言い続けられてきている定住人口の拡大、企業・大学の誘致や近隣の自治体間競争に走ることの愚かさ。
先人たちが創ってきた礎、今までの成功体験がいきない時代に突入し、地域が地域であり続けるにはめちゃくちゃ困難な時代になっているという事は私も感じている。でもどうすればいいのか・・・

モデルなき時代に、新たな「自治モデルの模索」がすでに始まっている。

この日の講師は深尾昌峰さん。肩書は龍谷大学の准教授をはじめ沢山あるが、特筆するのは、東近江市の参与であり、いまSIBと取り入れた新たな地域の未来を作ろうと(株)PLUS SOCIALを設立。その取り組みが地域の課題解決と地域の力を引き出し、市民力、職員力につながってきているという。

まずSIB(Social Impact Bond): 社会的インパクト投資の仕組みの一つ。 行政、民間事業者及び資金提供者等が連携して、社会問題の解決を目指す成果志向の取組。
一般に社会貢献債への投資は、慈善活動と利益獲得の両立を狙う投資の一種だが、東近江の取り組みはそれをさらに地域に根差したSIBに進化させ、地域を軸とした新たな価値観で地域にあるものを使って、地域経済の質を変えていこうとしている。

世界的な傾向だが、資本主義自体が行き詰まりを見せ、そこへの模索が始まっている。営利目的だけではない、社会的な投資(SIB)も世界的に広がりを見せている。
世界が変わろうとしている中で、「地域は誰が支えるのか。地域で豊かにやっていくということがどういうことなのか・・・」彼は問いかける。

  -----------------------------日本が本当にハッピーな国なのか?-------------------------------

自らの命を絶つ自殺者が年間3万人以上いて、WHO統計だと10万人という自殺者は世界に例がない日本の異常さである。多様性を認め合うことが豊かな社会だと言えるのに、同じでないことに生きづらさを感じる社会は本来はおかしい・・・

そんな社会病理現象がある中、地域にとってチャンスとは?

今、地域にとってはチャンスだと彼は言う。何故かというと、これまでの中心と周辺地域のとの関係性について考え直す時代になってきたからだという。人口が減っていく、地域は消滅するという危機感が、みんなが総力でやっていく市民活動が今こそ求められているという。

その一つに彼は「変人」をあげる。彼にとっての変人とは、最大の誉め言葉であり、物事を変える人が変人であるという。
なにか物事を変えるということは、その流れに逆らわなければならないから大変なことである。そういう人はマイノリティであり、みんなからは変な奴と言われることが多い。
でも、そういう人がいるから、物事が変わり、世の中は変わる。つまりそれがソーシャルチェンジである。

なぜ市民活動を社会で支えなければならないのか、

社会として変えなければならない仕組み、例えば、障害者,虐待やLGBT等、今まで少数派と言われる人たちが声を上げてきたことが市民活動になり、制度の整備につながってきている。今までは一部の人だと思っていたことが、社会全体のことだとみんなが気付いていく。
そういう少数のほっとけない人が変人であり、そういう人がいるからこそ社会の仕組みが変えていけるという。

変な人たちの集まりが認めあえるかどうか。それが未来につながり、そこにはいろいろの価値が入ってくる。

時の行政や政治に抗う人たちがいることは当然ある。そういうものが多様にあることが健全な社会。社会のそういうものがファームとして育つ環境をつくっていくことが健全な社会であり、みんなのコンセンサスを得ていくことが大事だという。まさに、今までのように、同じ考え方や多数決が民主主義だというようなやり方では未来がないということではないだろうか。

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