山下ふみこオフィシャルブログ

2017.10.17

一般会計の反対討論 その4

反対討論の最後の章です。なぜ、必要な事業が進まないのか、先に述べた財政的な課題が重くのしかかっているからこそ、市民生活の根幹事業が検討されずに先送りせざる得ない状況です。
本来ならば、これらの事業も一緒に考えるべきことではないのでしょうか。
必要な検討すべき大型事業(高架事業・中間処理施設・体育館)は、これだけではないはずです。

-------------------------以下 反対討論-続き----------------------

 次に、決算年度について、政策的な観点からいくつかを述べたいと思います。

評価するものとして公民連携の推進事業として民間主導による2つの事業です。
1つにはリノベーションまちづくり
空き家や空き店舗に若者や地元のオーナーを巻き込み、そこに新たな機能を付加することで、遊休不動産の再生と雇用を目指す取り組みは、地元を離れた若者やこのまちに関心を持つ人たちを巻き込んだ新しいまちづくりを進めています。
もう1つは「まちづくりファンド」
ファンドの資金を使って、地域に人のつながりを生み出す取り組みやその拠点となる交流の場づくりなど、市民が主体となった事業を展開しています。
この事業はHPや広報でも巾広く周知し、その成果についても公表し、事業の透明性を図っていることも評価したいと思います。

次に政策的な課題として市民生活の根幹にかかわる事業について述べておきます。

まずは最終処分場です。
すでにその期限が迫る中、廃棄物処理計画にも示されていながら進展していません。焼却灰も含めた一般廃棄物の95.7%が外部委託処理に依存している現状です。さらにはごみの焼却施設も整備しなければならないといった課題が山積です。

 次に斎場の問題ですが、
施設全体が老朽化し、建物や設備において何年にもわたり不具合が生じているにもかかわらず、施設全体の検討を行っていない状況が今回の決算審査で露呈しました。

 さらに51年経過したこの庁舎の老朽化問題
昨今の全国の状況は地震災害において耐震化はされていても被災をして大きな社会的問題になり、同規模の自治体では更新計画が進んでいます。しかし、未だに沼津市おいては更新についての検討がされていないのが実情です。今後、公共施設マネジメント計画にのっとって、個別計画を作っていくとは何とも危機意識の欠如の表れとしか言いようがありません。他市同様に庁舎建設基金などの必要性は喫緊の取り組みではないでしょうか。

続きは「その1」へ

                                        以上
--------------------------------------まとめは「その1」へ--------------------------

下記のグラフは(赤)投資的事業(建設事業費等)に占める一般財源が年々減少している状況がわかるでしょうか。それは(青)高齢者医療費や小児医療費助成や生活保護費等の社会保障費、つまり扶助費が大きくなれば、投資的事業は抑制せざる得なくなる。
この30年間のスパンで見たときに、青(扶助費)が年々大きくなり、H25の時に、そのグラフに占める赤(建設事業等)と青の割合が逆転している。
(赤・34億円):(青・40億円)
今後、人口減少が進み、高齢者数が減少しても、納税義務者数も減少するので、税収はさらに縮小していく傾向にあり、これから本格的に始まる老朽化対策、そして喫緊の課題の耐震化されていないごみ焼却施設と体育館、さらには高架化事業。
ピーク時の1/3にまで建設事業等に投資する一般財源が小さくなった今、どうやって喫緊の老朽化対策を進めていくのか、他市町に比べ、これから大型事業を進めなければならない沼津市にとってさらに厳しい財政状況にならざる得ない。

  一般財源とは: 歳入のうち、市税、地方交付税、地方譲与税などで使途が特定されない財源
特定財源とは: 歳入のうち、国庫支出金・使用料・地方債などで使途が特定される財源

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