山下ふみこオフィシャルブログ
2017.10.25
プージェー&探検家・関野吉晴 by 牛山精肉店
モンゴルの遊牧民の少女「プージェー」彼女にまた会いたい。牛山精肉店で上映された探検家・関野吉晴のドキュメンタリー映画「プージェー」をみた。
そこに探検家の関野吉晴さんや映画監督の山田和也さんご夫妻が同席していたとは全く知らずにいた。
途中から入った私は、いつの間にか、その少女と祖母の優しい笑顔に魅入られ、モンゴルの遊牧民の広大な草原の中で暮らす家族の日常を淡々と追ったドキュメンタリーに涙が止まらなかった。
探検家・関野さんをご存知だろうか。人類発祥の地東アフリカから南米まで、人類が拡散した5万キロの足跡「グレートジャーニー」を、逆ルートで旅した人…そんな位しか知らず、まさかその人がそこにいることなど聞いてもいなかった・・・そこに監督さんも・・・
(下記の写真は映画終了後、室内が明るくなって、そこに探検家の関野さんと映画監督の山田さんご夫妻がいたことを知る。この本を読んで感動した牛山のひろ子さんが直接電話をして、この映画上映にこぎつけたと後で聞く)
現実のモンゴルの生活とそこに住む人々の素顔を淡々と描いていただけなのに、そこに生きる少女の逞しさと凛とした生き方に心が奪われる。彼らたちの生活やそこの空気が伝わってくる。
関野さんと少女プージェーとの出会い、そして、家族との交流がそのまま素のまま伝わってくる。
過酷な自然の中で暮らす遊牧民の生活にも、社会主義から市場経済の波が押し寄せ、医療も教育も無償であったものがお金がなければ得ることができなくなり、プージェーの母親は診療拒否され亡くなる。さらにはプージェーも。
生きるっていうこと、命とは・・・市場経済の中に生きる私たちの幸せとは何か。
何よりも6歳のプージェーの逞しさとその凛とした姿が今も心に残る。
数年後に訪れたプージェーの家族たちとの再会は関野さんさえ信じられないプージェーの死だった。
このドキュメンタリーは関野さんが魅かれたプージェーとの出会いから始まり、その出会いから彼女は将来は日本語通訳者を目指す。そこには遊牧民としての生活ではない道を彼女に決心させた関野さんとの出会いがある。しかし、最後は・・・
出会いによって人間はその都度大きな選択をしているのかもしれない。自ら選んだ人生であっても、人との出会いによって影響され、影響しあって変わっていっているのだろう。しかし私はその一瞬一瞬の出会いを通り過ぎたままにしてきていないだろうか・・・
この映画の後、探検家・関野吉晴氏のことを知ってみたくなった。
http://www.sekino.info/
短い人生のなかにありながら、ゆったりとした時空の中で、壮大な夢を持ち、生きている人のような気がする。たった数時間、彼と一緒に牛山精肉店でプージェーの映画を一緒に見たなんて、夢だったのか。しかし、プージェーの顔はずっと私の脳裏に焼き付いていくだろう。
是非、見てほしいドキュメンタリーである。