山下ふみこオフィシャルブログ

2018.01.16

三ツ目ガードの冠水と鉄道高架との誤解NO3

静岡県は最終的にcase1~case5までの5つの浸水対策案を提示し、その中でベストな案としてcase3を工法検討を進めている。その案を下記の図に示していく前に、調整池について問題提起していきたい。

★★★三つ目ガード流域に対して必要な調整池がない★★★
三つ目ガードの自己流域の(緑色)4.52ha+(オレンジ色)3.11haの7.63haの流域面積に対して、調整池を設けなければならない。
本来ならば、7.63haの区域内調整池流入面積に対して、必要な調整容量は6615.21㎥。
しかし、確保されているのは、プラサヴェルデの駐車場地下に調整池322㎥とその東側にある暫定調整池400㎥とその北側にある2号公園地下にある調整池605㎥しかない。
322㎥+400㎥+605㎥=1327㎥が現状の調整池の容量であり、
不足する調整池容量は6615.21-1327=▼5288.21㎥
つまり7.63haの開発区域内の流域面積に対して、本来ならば必要調整池は6615.21㎥だが、現実は20%の調整池しか確保できていないということになる。
なぜ、必要な調整池の容量にならなかったのか?
「沼津市開発許可指導技術基準」がある。開発行為を行うときは、調整池等の設置基準が示されている。
そのなかに、「1000㎡以上の開発行為にあたっては、放流先の排水能力について検討を加え、必要に応じて調整池は設置する。ただし、放流先の河川管理者との協議により、設置しないことについて同意を得た場合はこの限りではない。」と示されている。河川管理者とは狢川の場合「沼津市」である。
当時(H23・12月キラメッセぬまづ建設着工)は、今よりこの基準が厳しくなかったと聞いている。

一般質問において
私の質問:7.63haの面積において、必要な調整池の容量はどのくらいか?
当局答弁:沼津市の開発基準により算定すると、7.63haの開発行為面積に対して、6615㎥の容量の調整池が必要になる。
私の質問:必要な調整池の容量が先ほどの答弁で6615㎥だと。それに対して、今実際に設置されている調整池の容量はどのくらいか?
当局答弁:既存の調整池の容量は1327㎥である。

少なくても、今の段階で必要な調整池は確保されていない。H29.7/13no降雨量は46mm/h(9mm/10min)で、2時間半三つ目ガードは通行止めになったが、幸運にもH29は1回だけの通行止めだったが、今後の局所豪雨を考慮すると不安はさらに募る。

下記はcase3の改修計画を示した図である。(図をクリックすると拡大)

★★県が示した改修案★★
上の図の⑥-1区間(25m)は⑥-2区間と同じ構造の断面改修案。
この区間は狢川の流加能力が不足しているので、国道414号下に、調整池施設(貯水管700㎥)を埋設することによって、ピーク時流量の一時貯留による改修案。
④区間(100m)は水路両側に家屋が密集し、河道の拡幅は困難であることから、流下能力が不足する区間は国道414号下のバイパス水路を計画。

以上の計画が、概算工事費として、算出されている。算出結果においては、その根拠を示した貯留施設直接工事費(1億4606万円)やバイパス施設直接工事費(5230万円)の工法から作業員の数量、単価まで算出されている資料が添付されている。

700余ページにわたる報告書の巻末に協議記録簿としてH17.2/10~3/25まsでの6回行った打合せ記録がある。
第1回:業務内容は「冠水原因を把握し、道路施設、都市下水路(狢川)施設を含め、その対策計画を模索していきたい」とある。
第4回:今後の方針は「改修計画の方針について、庁内及び沼津市と協議を行うため、最終決定は追って報告を頂ける。」と、業者側は思っていたようである。しかし・・・未調整に終わった・・・
第5回:浸水対策計画について
三つ目ガード流域については貯留管で対応する。
狢川については、バイパス水路設置で対応する。貯留管・バイパス水路はボックスカルバート工法とする。
「事業主体(静岡県と沼津市)について未調整である。」
第6回:成果品の提出、業務完了
協議の場に沼津市は1回目のみ参加。その後、沼津市と協議することはなく、この計画は日の目を見ることなく終了。

三島の南二日町交差点のように、改修計画が実施される可能性は、少なくてもこの時点ではあったはずである。
何故、日の目を見なかったのか?

当局答弁は
「本成果は、対策案を幅広く調査したもので、対策を実施するための成案ではないと県から伺っております。このようなことから、対策の実現に向けた県との協議も実施しておりません。」と。この改修計画は高架事業を踏まえた対策であったことを付け加えておく。

私の感想:三つ目ガードの冠水問題は、市民生活において長年の懸案事項だと思う。市民の根幹的な課題においても、沼津市の最重要施策である高架事業が、その三つ目ガード冠水の早期解決を阻んでいるとしか思えない。市民生活に不可欠な事業にまで影を落としていることに対して、沼津への怒りと無責任さとやるせなさを感じるのは私だけだろうか。多くの市民はこの事実を知らされることなく、20年先の高架事業を待つしかないと思い続けるのだろうか・・・

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