山下ふみこオフィシャルブログ

2018.07.01

セラピードッグと母 by CAPP

母のいる施設に「人と動物のふれあい活動CAPP」をしている方々が訪問をして下さった。
CAPPCompanion Animal Partnership Program
https://www.jaha.or.jp/hab/

高齢者施設、病院、学校などを訪問し、動物のもつ温もりや優しさにふれてもらうボランティア活動。公益社団法人日本動物病院協会では、アニマルセラピーと呼ばれるこの活動を、全国の会員動物病院、ボランティア(飼い主)と力をあわせて推進している全国組織。今回訪問して下さったのは沼津・三島の飼い主さんと伺う。
母の無表情でほとんど目をつぶっていた状況が、次第に表情を取り戻し、みるみる明るくなっていく様子に、驚きと嬉しさと感謝でいっぱいになる。

95歳になる母は、食事を拒否するようになり、5/11病院(中島先生)へ行く。母が自ら食を断っているようにしか見えなかった私の相談に対して、医師はすでに認知症の終末期を迎えているので、自らの意志ではなく本能だからと説明された。同時に延命治療についてどうするのか尋ねられた。
以前、母から渡されている遺言書があり、そこには自分の最後について詳細にしたためた自筆の手紙には、「延命のための一切の治療を断る」と書かれていることを伝え、「では極力その方向で進めていきましょう」ということになった。

この間、毎日母の食事の状況が目まぐるしく変わり、一喜一憂しながらもやはり終焉を迎えている状況に向き合わなければならない現実が一刻一刻と迫ってきている。
こんなに切羽詰まっている状況があっても、何故かどこかでまだ…と思っている私がいる。先週は母が最も愛した孫たちは、急きょ帰国し、ひ孫とも一緒にひと時を過ごした。

あとは私自身が覚悟をしなければならなくなっている。残された時間、私がすべきことは何なんだろう・・・
今日の母は朝から機嫌が悪そうだし、水分もほとんど摂っていない状況だったのだが、アニマルセラピーの時間に半ば眠っている母を無理やり車いすに乗せて会場へ向かったのだが、案の定、目を閉じたままピクリともしなかった。それが、犬を膝に乗せてもらうと徐々に目が開き、表情に変化が見え始めたではないか。こんな表情のある母の顔を久しぶりに見ることができた私は嬉しくて涙が止まらなかった。
母の夫であり、私の父は69歳でなくなり、すでに25年も経過している。獣医師だった夫をずっと人三脚で支えてきた母。ずっと動物と一緒の生活をしてきた記憶がどこかで蘇ったのかもしれない。動物の持つ不思議な力に改めて認識させられる。

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