山下ふみこオフィシャルブログ
2022.02.19
介護現場の実態
最近特に気になっているのが、高齢者世帯や一人暮らしの方たちが、コロナ禍で異変が起きている。
今朝は相談があって出かけた高齢者世帯の二人暮らしですが、あんなに夫婦で支えあってきていたのに、認知症が加速し介護放棄が始まっていた。
奥様は食事はすでに作ることもできずに、ヘルパーさんが買ってきたものを食べている。障害者で動けない夫は食事を満足に与えてもらっていない状況が続いていた。
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「今朝食べた?」って聞くと、「最近は朝は食べないことが多い。でも死なないから大丈夫・・・」と。
いつも冗談を言う彼が、日々深刻になってきている。
ちょっと前までは奥様もお茶も入れてくれていたのに、今はペットボトルの空が室内に散らかっている。
彼は下半身は全く動かすことはできない身体障害1級。自分で起き上がることもできないし排泄もできないのに、食事ができるからと最近介護が4から3になっている。
3回のディも2回になり、それも奥様の介助がなければ、ディに行く準備ができず行くことさえできない。
昨日も奥様が起きてこなかったので、準備もできずにディを断らなければならなくなってしまった。
デーサービスに行けば食事も入浴もできるけど、楽しみにしていたディも回数が減り、家に帰れば彼女の認知が進んでいるので、けんかが始まり最悪で居場所がない状況にまで切迫している。彼は自殺未遂を繰り返している。
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二人とも介護サービスを受けながらも認知症が加速していく状況に公的なサービスは対応しきれていない。
この状況を訴えても、介護認定の範囲でしかサービスを受けられず、特養も順番待ち。介護3になったらもっと入所は難しくなる。(民間施設にはお金がなくて入所できない。)
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深夜に急に不安になっても相談する処もない。
深夜時々SOSがかかってくる。「ごはん食べていない。もう嫌になっちゃったぁ・・・」って。
いざ当事者になった時に、相談する手立てもないまま見過ごされてしまいかねない。私が関わっている人でさえ、こんな状況に途方に暮れる。
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彼等ばっかりの話ではない。最近特に70代でもコロナの影響なんだと思う。お稽古もサークル活動も休止になってしまった彼女に異変が起きている。
近所の一人暮らしの高齢者は、SOSの電話が頻繁に夫にかかってくる。
近所だからいいものの、やはりご近所さんなら「ホイ」と行ってあげるんだけど・・・