山下ふみこオフィシャルブログ

2025.05.29

決算に向けて備忘録 by 中村健

早稲田大学の中村健さんのFBにかかれていた備忘録。私がいつも思っていたことを適切に書かれていたので、私の備忘録としても残しておく。

【四半世紀の時を経て再起動へ挑戦します】中村健 2025/5/29 FBにて
おはようございます。先週の木~金曜日にかけて今年度の『地域経営部会』がはじまりました。今年は全国から31団体32チームが御参加いただきました。
スタートにあたり、私の自分への戒めとして決意表明を記しておこうと思います。
約20年前、私が首長を辞めて大学院へ進学した理由は『地域の自立』をどうすれば実現できるかを研究するためでした。
その背景は、全国の自治体現場で起こっていることは共通して次のようなことがあったからです。
・予算はしっかり確保しようとするが、予算が付いたら消化するだけで本来の目的を見失いがちになっている。
・それは、予算編成過程と決算取りまとめ過程をみれば一目瞭然で、予算を検討するのは数か月かけて全庁的に取り組むが、決算は全庁から資料をあつめて担当課が取りまとめる程度であり、議会も予算審議はしっかりするが、決算審議は予算程ではない。
・その結果、「なぜ」「何のために」を深堀せず「何をするか」「どう実行するか」のほうに意識がむかいがちになる。
・国の補助金制度も同様で、申請する際には膨大な資料を提出させるくせに、補助金を使って本当に成果が出たかどうかのチェックはほとんどないため、市町村は予算を取りに行くことだけに意識が向いてしまう。
・この体質は、行政組織の体質も悪くしている。例えば、職員研修へ職員を参加させる場合、担当者や上司から「研修へ参加して」とは言われるが、「なぜこの研修にあなたに参加してもらいたいか」という説明はなく、言われた方は「なぜ?」とモヤモヤしたまま参加することになったり、明らかに形骸化しているイベントも「毎年実施しているから今年もやる」という「本来の目的」を見失ったまま惰性で行われていることが多く、「予算がついているからやる」という体質になっている。
・そのため、毎年毎年、予算を付けて執行して終わりの繰り返しとなり、単年度単年度のぶつ切りで、経年で積み重なっての成果が得られにくい。
・その結果、「仕事が減らない・仕事をまとめられない」要因になっているが、職員もまた「今までやってきたことを、やめる・縮小することは悪いこと」と考えがちになる。
・これら全て「予算主義」がもたらす悪癖である。
・この予算主義を「決算主義」へと変えていきたい。
・依存体質が強ければ、自ら考える、自ら行動するという主体的なアクションは生まれない。
地方分権という地域が自立していくための法整備は2000年にスタートしている。あれから四半世紀が経過したが、「お金は国が割り振ってくれるもの」、「政策も国が考えてくれるもの」という未だ中央集権時代(1999年以前)の体質が色濃く残った組織文化や制度設計がある(国も市町村も)。だから東京(霞が関)へ要望活動ばかりしている。
国も市町村もここが変わらなければ、毎日、職員さん達が一生懸命仕事をしているのは予算を消化しているだけに過ぎないかもしれず、いつまで経っても地域は善くならないし、職場の仕事は減らず「人が足りない・予算が足りない・職員が疲弊している」という問題は解決しないだろう。
そうした状況を創り出しているのは、行政や議会だけではない。住民もその一人だと思っている(私も含め)。
なんでもかんでも行政へ要望し、行政が動かない場合は、議員を使って行政へ圧力をかけてくる・・・(場合もある)。
今までやっていたものに変化を付けようとすると、行政や議会を攻撃する・・。
役所の職員さんに対して「公務員だから」と公私の境なく、休日も関係なく依頼し、やらないと「公務員のくせに」とその人の人権なんか無視したような発言がある・・・。
従来のまちづくりの手法やシステム、制度が変わらないのは、行政に依存し過ぎている住民側にも問題があると思う。地方分権一括法の施行(2000年)から、もう25年も経った。善い変化もあるが未だ本質的に変化(進化)していないところも多々ある。しかし、ここが変わらなければ、組織も地域も良くならないと思っている。それをやりたくて私は20年前に首長を辞めてフリーな立場になった。
一朝一夕に変わるものではない。関係者と何度も何度も意見交換をして少しずつでも進んでいけば良しとしないといけないという事も理解しているが、それでも、私自身20年が経過したし法改正から25年が経過しているのを考えると、もう一度、今年からギアを入れ替えて自分自身を再起動させなければと考えている。

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