山下ふみこオフィシャルブログ

2014.11.01

母から娘への手紙

10/5~19まで珈舎で開催された”阪野 鑑 書展”があり、その鑑さんから礼状が届く。
そこには「母から娘のへの手紙」(作者不詳)が写されていた。
その手紙には、余りにも母の思いがいっぱい詰まっていて胸が苦しくなるほどでした。

 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10150881840614106&l=e3ca7a0c74

書家の鑑さんは1977年生まれで、感性豊かで愛のある方です。私は彼が選んだ作品に心惹かれます。
そして今回の礼状には作者不詳の手紙がしたためられていました。
今だから分かるこの手紙に書かれた母の想い。
でも子どもたちには、まだわからないでしょうねぇ~、きっと。

母から娘への手紙:原文‘Letter from Mother to a Daughter" 中島美緒訳

私のかわいい娘へ。
私が老いていることに気付いたときには、落ち着いて受けとめてね。
何より、私が直面している状態を理解しようとしてほしい。

話をしているときに私が同じ話を何回も繰り返したら、
「さっき同じこと言ったじゃない」なんて言って遮らずに、ただ耳を傾けていて。
幼いあなたが眠りに落ちるまで、私は幾夜も幾夜も同じ物語を読み聞かせたわ。

私がお風呂に入りたくないと駄々をこねても、怒って私を責めないで。
あなたが小さな女の子だったころ、言い訳をして逃げ回るあなたを追いかけて
お風呂に入らせなければならなかったことを思い出して。

新しいものに対して私が無知であることに気付いたときは、
そんな目で見ないで、ゆっくり時間をかけて覚えさせて。
覚えてるかしら、私があなたにたくさんのことを教えてあげたこと。
正しい食べ方、お洋服の着方、髪のとかし方、そして毎日ぶつかる人生の壁との向き合い方まで、ね。

私が老いていることに気付いたときには、落ち着いて受けとめてね。
何より、私が直面している状態を理解しようとしてほしい。

私が何を話していたか分からなくなってしまったときは、思い出す時間をちょうだい。
そして、もし思い出せなくても、心配したり、いらいらしたり、馬鹿にしたりしないで。
私にとって何よりも大切なことはあなたと一緒にいることだということを分かってね。

私が年老いて、以前のように歩けなくなったときは、やさしく手をとって。
あなたが初めて歩いたときに、私がそうしたように。

そんな日がきても、決してさみしいだなんて思わないでね。
私が最期の日を愛情に包まれながら迎えられるように、ただそばにいて。

ともに過ごした時間、ともに過ごすことができた幸せを、あなたに感謝しています。

満面の笑みと、いつ何時も絶やすことのないあなたへの愛とともに伝えさせて。
愛する、私の大切な娘へ。

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