山下ふみこオフィシャルブログ

2015.02.28

女性議員、わずか1割

全国フェミニスト議員連盟が発行した「性差別のない議会をめざし、女性議員を増やそう!」とチラシをつくりました。
本アンケート調査を踏まえ、都道府県・市・町村議会の議長会に対し求めました。
(画像をクリックすると原寸大になります)

私が所属している「全国フェミニスト議員連盟」へ時事通信社の記者からニュースサービス「iJAMP」にて
配信されたということで、以下のメールが届きました。
フェミ議連の取材が記事となって紹介されています。

15/02/26 07:31  KL014 時事通信     
◎特集・2015統一選(中)

★★★地方議員の女性、わずか1割=進出阻む「産休」「意識」

安倍政権の看板政策の一つである「女性の活躍推進」。2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げる目標を掲げるものの、地方議会に目を向けると、都道府県と市区町村を合わせた女性議員の割合は11.6%(13年12月末現在)にとどまる。地方議員は本来、子育てや福祉などで、女性ならではの視点が生かせるはず。しかし、産休制度がない上、「女は家庭」という従来の意識が大きな障壁となってきた。こうした壁を乗り越えようと挑戦する女性たちを追った。

  ◇子連れで議員活動

「あらあ、よく来てくれたわねえ」。2月15日、1歳の長女を抱っこした東京都新宿区の鈴木ひろみ区議(31)=民主=が、地域の老人会が開かれた水稲荷神社(新宿区西早稲田)社務所に入るなり、会場は高齢者たちの温かい笑顔に包まれた。「私がこうして議員活動ができるのも、皆さま方のおかげです」。鈴木区議は深々と頭を下げた。

地方議員を含めた政治家は、労働基準法が想定する「指揮監督を受けて働く労働者」に当たらず、同法が認める産休が適用されない。しかし、同区議会では以前、議員が議会に提出する欠席届の理由の一つに「出産」を認めた例があった。鈴木区議も、欠席届を出せば産休を認めることを議会運営委員会で確認され、すんなり取得できた。

ただ、こうした運用を認める議会は少数派。任期中の妊娠・出産は「責任感がない」「給料泥棒」と批判されるケースもある。自身の経験をホームページなどで公表した鈴木区議は「運用一つで、やろうと思えば全ての議会でできるということを示したかった。越えなければいけないのは、制度よりも子育て議員を受け入れる価値観ではないか」と語る。

育児と議員の両立は綱渡りだ。朝8時に長女を保育園に預け、お迎えは午後6時。夫や双方の両親を「フル稼働」して議会や街頭演説などをこなすが、活動時間は制約される。それでも子育て真っ最中だからこそ、できることがあると感じる。

妊娠中の13年11月、出産前の夫婦を対象とする区保健センターの子育て講座「両親学級」の拡充を議会で訴え、14年度に約100組分の講座数増加を実現させた。政治と無縁だった同年代のお母さんからも、相談が寄せられるようになった。「選挙で選ばれた以上、精いっぱい自分の仕事を頑張らなければ」と奔走する日々だ。

 ◇根強い男性社会

総務省によると、13年12月末時点の地方議会に占める女性比率の内訳は、都道府県議会が8.8%、市区町村議会が11.8%。少しずつ伸びる傾向にあるものの、30%には到底及ばない。背景には、男性社会が色濃く残る地方特有の事情もあるようだ。

佐賀県議会で唯一の女性、武藤明美県議(67)=共産=は女性の議員活動について、「男女共同参画社会になりつつあるが、それでも家族や周囲の理解がないと難しい」と語る。「九州全体の傾向だろうが、女性は社会進出しにくい」(某党県連職員)、「農村部では『女性がしゃしゃり出るな』と言われる」(男性県議)との声も漏れる。

11年4月の石川県議選で初当選した市議出身の安居知世県議(46)は、自民党では約四半世紀ぶりとなる女性県議だ。14年10月の補欠選挙で女性が1人加わるまで、全県議で唯一の女性だった。支援者の側にも「頼りになるのは男性」との意識があり、県連で実力を持つ幹部は全員男性。こうした状況で、選挙で勝ち続けることの難しさも感じており、「自民党の地方議員は選挙では『自分党』。地盤がなければなかなか当選できない」と指摘する。

◇数は力

男性が多い地方議会は、セクハラを生む土壌になっているとの指摘もある。14年6月、東京都議会で起きた女性議員へのセクハラやじ問題を受け、女性の地方議員らでつくる「全国フェミニスト議員連盟」は、現職・元職の女性議員を対象に「性差別体験アンケート」を実施。回答を得た143人のうち、5割強に当たる74人が「性被害体験あり」と回答した。

具体的には、「早く結婚して、子どもを産んだら」「女に何ができるんだ」といった発言に加え、懇親会の場でのお酌の強要などが挙げられ、女性議員が少ない議会ほど、性被害を受けやすくなる傾向も。議連の世話人、東京都小金井市の片山かおる市議(48)=無所属=は「地域の声を政策に反映できる女性議員が増えれば、男性優位の地方議会を変えられるはず」と訴える。

国会議員も立ち上がった。安倍政権の目標に合わせ、国会議員の候補者に占める女性の割合を20年までに30%に増やす「クオータ制」を掲げる超党派の議連が26日、発足する。地方議会についても、女性が参加し、活躍できる環境整備を進めることを確認する方針だ。

議連幹事長に就任予定の野田聖子自民党前総務会長(54)は「今の議会は子どもを産むという意識のない男性ばかり。女性が増えることで、男性にはない知見、知識が生かされる」と指摘する。

 ◇女性が6割

吉田茂元首相ら大物政治家の別荘地として知られる神奈川県大磯町
昔から、食の安全や環境保全に取り組む市民グループの女性が議員に転身するケースが見られ、女性町議の割合は1999年に3割、03年には5割に達した。現在は定数14に対し、1人欠員で女性が8人のため、女性比率は61.5%と全国トップだ。

前議長で総務建設委員長を務める渡辺順子町議(68)=無所属=は「『女性は真面目でしがらみがない』と期待してくれる町民が多いのでは。前からいらした女性議員のおかげ」と語る。女性が多くて顕著なのは、セクハラ事例がないこと。「『女性だから黙ってろ』なんて聞かない。まして『お酌しろ』なんて全然ない」(渡辺町議)。

審議の活性化に向けた議会改革も進む。昨年の12月議会では省エネルギー・再生可能エネルギー利用推進条例を議員提案し、全会一致で可決した。発端は11年3月の東京電力福島第1原発事故。議員の間でエネルギー政策の在り方を問う声が強まり、専門家を交えて勉強会を重ね、政策条例の制定にこぎ着けた。

同条例では、省エネや再生エネを推進するため、町が町民・事業者向けのガイドラインを策定することを明記した。これを受け、町は15年4月に「環境課」を新設する方針で、環境に優しいまちづくりが本格化する。

全国町村議会議長会事務局は「議会改革の先進的な事例の一つで、町村議会では画期的な取り組みではないか」と評価する。渡辺町議は言う。「男性も女性も共に協力して、今後も議会改革に取り組んでいきたい」(了)

(2015年2月26日/官庁速報)

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