山下ふみこオフィシャルブログ

2015年06月

2015.06.04

被災地福島へ研修と視察 

5/30,31と福島県いわき市で第5回福島原発震災情報連絡センター主催の被災地の現状とスタディツアーに参加。
いわき市議の佐藤和良さんから「福島原発事故の現状」の報告。

ここ福島においては4年前の3.11以降「非常事態宣言」は今も撤回されていない。今もなお、非常事態の状況が続いている現状が常態化している。
その放射能汚染は解決する状況ではないのに、国は自主避難者には住宅支援打ち切り方針を出し、放射能汚染地域に対しても帰還準備を勧めている。
福島第1原発事故の廃炉作業に従事する作業員は毎日7000人。そのうち4000人が福島人だという。特にいわき市は放射能従事者のるつぼだという。
2011年3月11日から今もずーっと「被害者は変わり続けるが、加害者は何も変わっていない・・・」と言う報告に胸が痛い。

ルポライターの明石昇二郎さんの原発事故による健康被害について

NPO法人いわき放射能市民測定室「たらちね」の鈴木薫さん。http://www.iwakisokuteishitu.com/

福島の子どもたちの甲状腺ガン検査や食品の測定、母親たちに測定器の貸し出しをして、土壌の測定協力を通じ、子どもたちの環境を改善していく活動をしている。

今回の研修で最もショックだったのは、福島での教育の現状報告である。
子どもたちを廃炉活動に従事させようとしているという。

「福島の原発だから福島の人たちが収束させるのは当たり前」と幼い正義感にさせてしまう人材育成プログラムが進んでいるという。

本当に子どもたちが、福島の人がやらなければ誰がやるの。国のために尽くすとそれが合言葉になっているという。
原発事故の責任を、まるで福島県民が背負うようではないですか。こんなことを言わせる教育とは一体何が現場で起きているのだろう。

確かに私もテレビで福島の子どもたちがそういう風に話しているのを観て驚いたことがある。
まさかそれが現実に学校での授業での刷り込みだとしたら・・・
学校では放射能は心配ないという授業がされているのだろうか。

福島県が「自主避難者の避難先の住宅支援の無償提供を2016年度で終える方針」だと報道がされている。
国は自主避難者ばかりではなく、特定避難勧奨地点の解除など、住民に帰還を進める政策をし始めている。オリンピックまでに福島の原発事故は収束したと言いたいのだろうか。事故の風化、矮小化をし、被災者の切り捨てにつながっている。

 しかし、依然として避難元の地域の放射線量は事故前に比べて高いところも多く、子どもを抱える親たちは帰るに帰れず、避難の継続を希望しているにもかかわらず,その切実な声に耳を傾けず、国の少子化対策とは・・・・

現場での行く先々で放射線量を測定しながらの現地視察。富岡町、楢葉町でも放射線量が高いところはいくつもある。バスの中でさえ、1.07マイクロシーベルトと言う値の高さであるにもかかわらず、避難勧奨地点の解除と言うことで、帰還を進めているという。しかし、富岡町の住民7000人のうち、帰還したのは100人にとどまっているという。

国の避難勧奨地点の解除とは現状の判断ではなく、政策的な判断であるということ。国から出される情報に住民自身が判断しなければならない。本当のことを言うことが憚れる状況とは一体何なんだろう。

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