山下ふみこオフィシャルブログ

2015.12.19

災害時、市役所の非常用電源は大丈夫?

11/27から始まった11月議会は12/18で終了。大変遅くなりましたが議会の報告です。
まずは一般質問の中の一つ「災害時、市役所における非常用電源の確保について」

今回のテーマがきっかけになったのは、9/10、関東・東北水害で鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県・常総市役所の屋外の非常用電源が浸水し、救助活動に支障が出たことが大きく報道されたこと。
更に11/25に、静岡県内の沼津市を含む11市町で、庁舎で浸水の恐れがあると報道。
実際調べてみると、確かに非常用発電機は地下にあり、これで停電時、本当に市役所は大丈夫なのか??

テレビや新聞等で大きく取り上げらた。災害対策本部となる庁舎が浸水の恐れがあると報道。
しかし、この問題は今に始まったことではなく、
沼津市の場合、非常用電源が地下にあることは既に問題であると認識されていたようだが,移設するにも財政的な問題と場所の確保もあり、結局先延ばしになっていたのが現状であったとようです。


沼津市の洪水避難地図には、市役所周辺は、浸水の深さが0.5m未満と0.5~1.0m未満のちょうど境にあることが地図を見てわかる。本当に災害時に対策本部として機能するのか不安であり、担当課に聞くと、遮蔽板と土嚢でしっかり水を防御するので、大丈夫である言われたことが発端で調査を始める。

今回の常総市の経緯があり、総務省から全国に向けて緊急調査がされて、改めて、災害時における対策を万全に期するようにと働きかけがあった。
そこで一般質問をするに至ったわけだが、通告後に当局と質問の趣旨を確認する際、私の抱く危機感と当局の危機管理には大きく隔たりがあり、その認識の共有には至らないまま一般質問に臨む。

Q:地下の非常用電源の浸水等の災害対策について
A:地下に水が浸入しない対策は、遮蔽板(木の板)と土嚢を積み上げる。
Q:万が一、浸水した場合について
A:庁舎屋上に、非常用電源があり、8時間が、連続稼働時間である。

これらの電力設備はすべて地下に設置されている。外から電力供給を受け、各部署に供給できるようになっている。上の写真が、地下に設置されている非常用発電機(発電機の容量:150KVA)である。
この稼働時間は赤のポリタンクに予備の燃料を備蓄しているので、18時間連続運転可能と言う。しかし、国の示した基準では、72時間は外部からの供給なしで稼働することが望ましいと見解が示されている。
答弁は、燃料協定先であるところと密な連絡を取りながら燃料確保に努めるというが、国は外部からの供給なしと言っているわけで・・・

また、屋上にある発電機の容量は32KVAで、地下の発電機の1/5の容量である。機能に差がないという前提ならいいが、1/5の容量の差が歴然とあるのに、この差に対する評価に明確な答弁はなかった。

最後に答弁では、メーンの電源が地下にある発電機なので、極力浸水を防ぐということが重要であると言う。
しかし、その対策はあくまでも遮蔽板と言われる木の板(10cm幅×6m位長さ)を両側の壁にかけ、水の圧力を支えるために内側に土嚢を5段積むというもの。
このやり方が一般的でその検証はしていないが、遮水効果は高いと言う。


当初は3か所の出入り口を遮蔽板を設置すれば遮水効果高いと言う答弁であったが、実はもう1ヵ所、水の侵入口が別館西側がある。しかし、その確認もされていなかったというのは、危機意識が希薄で現場確認を疎かにしていると言われても仕方がないだろう。

災害対策本部を置く市役所において、想定外以前の対策には慎重に万全を期すべきであり、市民の命と安全が託されている市役所の使命を改めて自覚してほしいと思う。

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