山下ふみこオフィシャルブログ

2017.04.08

地方議会を考える

4/7静岡新聞に「豊洲問題の教訓」というタイトルで元・総務大臣でもあった片山義博さんのコメントが掲載されていた。
片山さんは「豊洲に決める前に都議会はもっと議論すべきであり、そこを買うかどうかを決める前に、きちんと検証してこそ議会の意義があり、その段階で問題が見つかれば後戻りができたはずである。」という指摘である。
地方議会の役割とは:執行部が提案した議案を執行部の説明だけを頼りに可決成立?
都議会は、当時、市場長や都の執行部の説明を素直に受け入れるだけではなく、その説明が正しいかどうかの裏取りを怠っていたということ。その労を惜しんだことが、その後の都政混乱の大きな原因になった。なぜ、あの時に裏取りをしておかなかったのかと、指摘する。

沼津市議会において、私が議員になって10年の間で、執行部が提案した議案において可決成立しなかったことがあっただろか?
少なくとも、私たち未来の風は反対した事は多々あったが、すべて多数決のもとで可決成立したと記憶している。(記事↓クリック拡大)

片山義博

片山さんは、この混乱からいくつかの教訓を示している。
★★教訓★★
議会は知事ら執行部による説明の裏を取る必要がある。
(しかし、議会は提案された議案を執行部の説明だけを頼りに可決成立させている。)
執行部の案を第3者や専門家の目を通して点検し、間違いや勘違いを見つけ、他のものより優れた案に変える。
(それが、議会の大切な役割と認識してほしい)

以上のことは、沼津市議会においても当てはまること。私たち議会人として、片山さんが言うように「東京都議会の失敗を他山の石として」、地方議会の大切な役割だと改めて認識した次第です。

そうでなければ、執行部の提案した議案を可決するだけだとしたら、議会は無用の存在となり、市民の言う、「議員をもっと削減し、経費節減をすべきである・・・」と、言われかねない。

以前にも触れたと思うが、議会の最終的な可決成立は多数決であり、その方法が民主的手続きの方法であることは間違いないことです。
しかし、多数決の力さえ獲得すればどんなことでもできるということになると、多数の勢いに生じて1つの政治決定や方針だけが、絶対的に正しいということになってしまっていないだろうか。
一切の反対や批判を封じ去って、反対をする人たちこそが悪だと仕立て上げていないだろうか。

今回の片山さんの「地方議会の役割」として指摘されている背景には、「都議会の多数の横暴」があったからではなかったのか。多数決を制したからと言って、正しいとは限らなかったということです。
多数決による横暴が、今回の都議会の混乱要因ではなかったのでしょうか。

多数決は民主的手続きの方法ではあっても、少数派の意見にも十分耳を傾けることや、多数決による結論に至ったとしても、その結論に対する検証作業も同時に欠かせない事であるということ。
片山さんが指摘するように、地方議会においてもその検証作業は往々にしてされす、執行部の説明をもって是としていないだろうか。

多数決論理が横行すると、少数派の意見は無視されてしまうことは、民主主義自体が機能せず、独裁政治に至る危険性もあると、私たち地方政治にかかわるものとして常に自覚すべきだと考える。

沼津市の高架化問題はまさしく都議会と同じではないだろうか。この事業が都市計画決定されてから、10年以上が経過しているにも関わらず、事業費や事業効果、人口問題、貨物輸送や交通量調査等の再検証が第3者や専門家にされずに来ている。
市長が公約を翻す結論に至る前に、検証作業が必要であったし、市長ができないのなら、議会で検証作業をすべきだと言うべきではなかったのだろうか。

都議会の二の舞になる前に、まだ後戻りして、検証する時間は残されているのだから。
都はそこに6000億円もの巨額を投じ施設の建設を終えている。しかし、沼津市の高架化の本体工事は何も始まっていない。

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