山下ふみこオフィシャルブログ
2017.06.30
児童発達支援センターの担う機能
今日は3組の障害のある児童と保護者、そしてボランティアの方が市長と面会をした。
その一人は5歳のアズちゃんとママ。てんかんがあり、歩行不安定で移動手段はハイハイと歩行の両方。言葉を発することはなく、こちらの言葉の意味を理解することもできない。
その子たちは全員、「沼津市児童発達支援センターみゆき」に通っている。この施設は昭和49年にみゆき保育園として開設し、平成24年4月に未就学児の子どもたちの療育を行うセンターとしての役割を担っている。
その保護者と子どもが自分たちの通う「みゆき」の改善を求めて声をあげた。
”せめて他市の児童発達支援センターと同じレベルの支援体制に!”
(1)保育士の体制を3:1へ
特に肢体不自由児の場合、在籍児童3:保育士1:看護師1を徹底してほしい。
(2)肢体不自由児と他の障害児のクラスは完全分離へ
(3)PT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語聴覚士)の必要性
(4)苦情解決について適切な対応を
ここまで来るにはいろいろの障壁があった。圧力や誤解、誹謗中傷もあったが、何よりも当事者たちが声を上げなければ、障害児に対する理解は変わらないと強く思ったことが今回の市長との面会につながった。
現場の改善は保育士の努力だけでは到底できないことである。アズちゃんのママは改善を求めて子育て支援課とも話した経緯があるが、今回、児童発達支援センターみゆきの意義と公立の果たす役割とはどうあるべきなのか、そんな疑問と思いを率直に市長にぶつけた。
市長は面会の当日、みゆきを訪れ子どもたちの様子を見に行ってくれていた。
7/1静岡新聞に昨日の市長訪問が掲載された。(記事をクリック→拡大)
障害者権利条約は2006年12/13に国連総会で採択された。日本の批准は2014年1月に国連で承認されている。その条約の第7条に”障害のある子ども”として
「政府は、障害のある子どもが、ほかの子どもと同じく、すべての人権と自由がもたらす利益を受けられるように、ありとあらゆる可能な行動をとることを約束します。また、障害がある子どもが、自分に影響があるすべてのことについて、必ず自分の意見を自由に言えるようにすることも約束します。それぞれの子どもにとって一番良いことを、いつでもまず、考えなければなりません。」国は、この権利を実現するために、障害がある子どもに必要な情報を与え、支援しなければならない。
Nothing about us whithout us !
(私たちのことを、私たち抜きで勝手に決めないで!)
良かれと思って大人たちが決めたことが、実は当事者たちにとってとても負担が大きかったりするもの。今回このような要望をした保護者たちは組織や団体に所属しているわけでもなく、ふつうのお母さんたちである。
その当事者たち自らが声を上げることはまだまだ厳しい現実の中で、わが子に関わる問題に主体的に関与し、改善を求めようとしたことはとても意義があり、勇気のいることだと思う。
市長との面談の冒頭に母親の一人が言った、「批判をしに来たのではない、理解を求めに来たのです。それは私たちや現場の努力では変えられない、だから市長へお願いに来たのです・・」
その心からの叫びに少しでも耳を傾けていただけますように。