山下ふみこオフィシャルブログ
2017.08.06
現場みらい塾 by構想日本 NO3-2
東近江市SIBの取り組み
「成果連動型補助金制度」自治体にある補助金制度の補助金を基に、市民から出資者を募って社会的投資をしてもらう。事業者は一定期間のもとに成果のアウトカムを設定したうえで、出資者に資金提供をしてもらい、その成果が実現したら、自治体は補助金として確保していた資金を出資者(市民)に出資金を還すという仕組みである。
以前から、遺産を地域社会のために使ってほしいと役所に相談するが、それでは目的が明確に示しにくい状況がある。社会のためにと言って土地を寄付しても、公益に資する体力がもはや行政にはない、そのためのお金を工面する体力も行政側にはない状況は沼津市も同様である。
実際、一軒家を寄付しても目的が明確に示しにくいと何も使われないまま朽ち、いざ使おうとすると維持修繕に金がかかりすぎて放置されているケースは沼津市にもあるときく。
目的をきちんと明確にできるようにするのは行政では難しい。目的がきちんと明確に出来れば、地域に根付かせることができる。税理士や司法書士はそういう人に相談をされている。地域社会とつなげる仕事を協会がしている。
地域を守ってくためには地域のために循環させる社会投資を考えていく取り組みが東近江市にある。投資家としての市民が、その事業の背景や必要性などに共感し、資金提供を行った市民は資金的支援から当事者化をもたらし、強力な支援者となるので、課題解決に向けて広くシェアすることもでき、投資家にとっては社会参画のきっかけにもなるという。
また、成果連動型は補助金交付対象者に、アウトカムを求めるので、政策的なアウトカムを行政側が設定することが前提になる。だから、事業を実施するだけではなく、事業をした成果が市民投資家にも共有され政策の妥当性が検証される機会にもなる。
成果連動型の補助金を作ったのが東近江市だが、今までどの自治体も補助金が正しく執行されたかどうか、経費のチェックに労力をかけ、成果については問われないのが本来の補助金になっていないだろうか。
補助金は本来ならば、出すことが仕事になっていないか。補助金を受ける側ももらったという意識が高く、そうではなく成果につながる補助金のしくみをつくる成果連動型が必要である。
他地域においてもSIBや社会的投資はすでにあるらしいが、必ずしも地域の持続性が高まるには、それらを道具として位置づけ活用できる人材が必要であるという。
今、京都では信用金庫と協働し、金融機関の窓口で地域の課題を解決させるような社会的投資の債権を選び買える仕組みを構築しているという。
クラウドファンディングと違って、地域の共感性や関係性が強く、行政が元本の保証をするので安心して投資ができる。自分たちの地域にどうやったら還元できるのか、本格的な取り組みがすでに始まっている。
これまでの補助金を漫然と消費するのか、それとも、地域の市民力を高め、地域の経済循環や人材育成につなげる仕組みを自治体がつくれるのかどうかで、地域間格差はますます広がっていく。
今までの補助金の在り方が抜本的に問われ,これからは社会的投資につなげることで新たな自治を作っていくでしょう。東近江市での最初の取り組みは、役所の中の変人と言われる人たちが、仕事の後に7:30ごろから集まって話し合いを重ねてきたという、当初は幹部役員からはできっこないとまで言われていたという。
誰か私と一緒に深尾さんの処に行く人はいませんか?