山下ふみこオフィシャルブログ

2020.06.02

香貫山の地下埋設工事 その4

6/2、経過報告をうける
レーダー雨量計通信ケーブル・電力ケーブルの地下埋設工事(香陵台~本郷町登山口)

東京電力パワーグリッド静岡支社 設備統括グループ 
国交省沼津河川事務所工務第1課建設専門官
香貫山影奉仕(代表、副事務局、顧問)に沼津市道路管理課と話し合った協議事項について説明に来て下さった。

7月~工事に入ることによる通行止め、車や自転車の対応や臨時駐車場の確保
道路補修の個所と範囲、責任分担、倒木の恐れのある木の対応、民家に及ぶ道路からの雨水の流入、側溝の問題、自治会からの要望等々について報告を受け、提案等について話し合う。

今回の工事は、梅雨そして台風の時期にかかっていくこの工事期間は、リスクが伴うかもしれない。既に風化が始まっている香貫山の状況は、思わぬ事故につながる可能性もあると思っている。
工事が引き金になって起きるかもしれない崩落や倒木。

地質学者の塩坂先生は、「林道を通したことによって、そこに空間ができ、次の世代の樹木が、空間を求めて、道路の方に伸びていくので、不安定な形で、道路側に木が張り出してしまっている。だから危険な木は切らなければいけないし、手を加えていくべきである。一定程度の間伐は必要である。」という。
「ただし、木を伐採することと、今回工事で木を切らなければならない状況は違うので混同してはいけない」とも言われた。


確かに懸念することは山ほどあるが、考えたらきりがないかもしれない。しかし、最悪の事態を想定したうえで対応を事前に考えたいと思っている。そして、何事もなかったらそれでよし。でも一旦何かあったら、対処できるぐらいの想定はしておきたいと思うから、慎重にならざる得ない・・・
今回、私たちのそんな老婆心の思いにもじっくり耳を傾けて下さって、付き合ってくれた東電、国交省の担当者の配慮には感謝したい。
また、現場を一緒に歩いた道路管理課の方にも、今回のことは学ぶべきことが沢山あったと思うし、彼らは気づいてくれただろうか。

香貫山の工事における今回の工事施行者の対応について書き留めておきたいことがある。
5/21、私たち香貫山影奉仕と一緒に現地のチェックをしていく前に、担当者はすでに現地に足を運んでくれていた。
さらには崖下の民家の方の調査もしてくれていた。
彼らの任務は災害に備えて、住民の生活を守るために行うレーダー雨量計通信ケーブル・電力ケーブルの地下埋設工事である。しかし、その工事に至る前の周辺地域の課題や人間関係にまで配慮をした事前調査は、工事を進めるための任務遂行だけではない配慮が感じられた。今回の事前説明に対して、学ぶべきことの何と多かったことだろう。

私たちから言えば、香貫山にとって負担のかかる工事はいくら軽微な工事だとは言え、賛成できかねる。それでも、担当者と話を進めていく中で、お互いの立場を理解し合うことによって、尊重し合う関係性をつくってくださったことにはとても驚いている。国交省、東電という大きな権力の前に、まずは人として話し合える前提があったことに、香貫山の保全とは別に学ばせてもらったことに感謝したい。
しかし、工事はこれからである。
6/8(私の記録として)国交省から、市の道路管理課と話し合った結果報告を頂く。道路の補修においては工事が原因で起きた補修部分と、道路を管理する沼津市の補修分(もともと補修すべきところが手付かずだった部分)において、埋設工事中に其々の工事業者の下でおこなっていく。(但し、状況によっては、道路補修の材料提供で済む場合もあり得るといいなぁっと勝手に思っているのだが・・・)

地質学者の塩坂先生から
「香貫山の保水力は減少しているのではなく、林道を通したことによって、そこに空間ができ、次の世代の樹木が、空間を求めて、道路の方に伸びていくので、不安定な形で、道路側に木が張り出してしまっている。だから危険な木は切らなければいけないし、手を加えていくべきである。

本来、里山は人間が関わらなければ、維持できない。ほっといてしまえば、木が生い茂って森のようになってしまう。だから一定程度の間伐は必要である。
人間が自然に手を加える時は、植物の生態系をみながら管理をし続けなければならない。
香貫山は都市化で山麓の土石流堆・崖錐に住宅地がこの何十年の間にできたことによって、集中豪雨の時などは鉄砲水のようになって山から水が溢れ出てきてしまっている。

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