山下ふみこオフィシャルブログ
袴田事件
2024.07.09
袴田事件と菊光刃物店
今朝の東京新聞に袴田事件の記事が静岡版に掲載されている。袴田事件の再審無罪を願っているのは無論の事、この事件には沼津市内の弁護士の方々も弁護団として参加している。
今朝の記事はこの事件に検察側の証言をされた菊光刃物店のお母さん、また息子の高橋さんのことが載っている。
この6月議会において議員発議で「刑事訴訟法の最新法の改正を求める意見書」が可決された矢先のことである。県内においては各市町がこの時期同じ意見書を提出し可決されていると聞く。
https://www.chunichi.co.jp/article/920640
菊光刃物店は、昔お気に入りの刃物店であった。高橋さんは、懇切丁寧で、どんな刃物に関しても見識が高く、いつも海外へのお土産には菊光の刃物を買っていたこともあり、店が閉店した時にはとっても寂しかった。でも13年以上も店はシャッターが下りたままになっていて、どうしたのかなぁと思っていた。
1年に1回ぐらいは「元気ですか?」と連絡を取るぐらいであったが、今朝の東京新聞には、私が疑問に思っていたことがスーッと溶けていくようだった。誠実な高橋さんらしい、袴田さんの支援を公判のたびに群馬から通っていることがわかった。なぜ、そこまでせざるえなかったのか?
高橋さんの母親が検察側の証人になり、袴田さんらしき人が菊光刃物店で「くり小刀」を買ったと証言。
しかし、実は「くり小刀」には2種類あって、事件の「くり小刀」は菊光刃物店では取り扱っていなかったにも関わらず、当初は「くり小刀」だけの尋問に、「袴田さんが買ったかも・・・」と曖昧な証言をしたことが、凶器の購入先とされたらしい。それが大きな証拠に繋がっていったらしい。
しかし、事件で使われた「くり小刀」は菊光では扱っていなかった。その事が捜査の段階で早いうちに分かっていたのなら、母親はずっと苦しむこともなかったと思うと高橋さんは言う。死刑確定判決の後、母親は証言が誤りと認めた。
裁判には「疑わしき者は罰せず」という言葉があるが、「この袴田事件においては疑わしいことさえなかったにも関わらず、殺人犯にさせられてしまった・・・」と高橋さんは言う。
袴田事件には関心を持っていたが、遅ればせながら、菊光刃物店が関わっていたことを知り、今も高橋さんの心の整理ができていないことを知る。
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