山下ふみこオフィシャルブログ
ゴミ
2020.10.10
中継・中間処理施設の現状と対策その2
なぜ、ペットボトルのベールの山ができているのに、リサイクル事業者へ搬出しないのだろうか?
なぜ、プラスチック製容器包装のごみが貯留ピットに溜まったまま処理しきれていないのだろうか?
そこでペットボトルとプラスチック製容器包装の年間搬入量と搬出量の推移を調査
★★★ペットボトルの状況について★★★
ペットボトルの年間搬出量(リサイクル業者へ出す量)は年々減少傾向 (利用は拡大しているが人口減少によるものと推定)
独自契約とプラ協会との2つの契約をH18からしている。
当時は独自契約のほうが1トン当たりの市場単価が高かったし需要もあった。しかし、国際情勢やオイル価格の低価等で、
独自契約とプラ協会との金額がH29年から逆転して、1トン当たりの取引価格が協会のほうが有利になっている.
なぜ、ペットボトルの搬出(リサイクル業者への引き取り)が進まないのか?
ペットの市場価格が経済の停滞とともに急激に下がり、原油価格の値下りもあって、リサイクルプラの需要がなくなってきている状況があり、ペットボトルの引き受けができない状況になっているという。
リサイクルプラを使うよりはバージン原油が安い現状にあり、しかも繊維業界が低迷の状況は、売り手市場の時はいいが買い手市場になったときは、引き取りがしてもらえなくなる。
さらに国際情勢もある。
H29年末から輸出先の中国が、一部の廃棄物の輸入禁止を実施したことや、近隣諸国も輸入禁止の処置をとる国が出始めている。
令和3年1月からバーゼル条約が改正され、 汚れた使用済みPETボトルの輸出は相手国の同意が必要になり、輸出への規制が強化される。
←令和2年6/19協会から各市町へお願い文書
毎年、各自治体へ日本容器包装リサイクル協会から、「PETボトル分別基準適合物の指定法人への円滑な引き渡しのお願い」として、
全量を協会へ引き渡すことのお願いの文書が届いている。
中国の輸入禁止の発表を受けて、独自処理の引き取り価格が低下する事例がみられるなど影響が出ていると。
各市町村の財政収入等にとってリスクが生じることも懸念されると言っている。
協会や国が言うように、ペットボトルの搬出ができていない状況は、独自契約業者からの引き取りがしてもらえない状況が発生しているのではないだろうか。
令和2年の4月から9月までの引き取り回数をみると、独自6回、プラ協会14回と独自は1/2以下の引き取り回数になっている。
引き取り困難な状況が、ペットボトルの山が溜まってしまっているといえないだろうか。
また、H29年11/1には環境省から各自治体へ
「国際動向を踏まえた廃ペットボトルの指定法人への引き渡しの促進について」依頼の文書がきている。
なぜ、沼津市は独自契約にこだわるのだろうか?
平成18から続いた独自契約を見直す時期ではないだろうか?
沼津市の答弁:協会に委託する場合は、前年度に予定していた処理量を大幅に増減することはできないこと。現時点ではリサイクル業者へ売り払いが可能であること。
しかし、市の言うこの2つの理由はすでに成り立っていない。
協会側に確認したところ、沼津市のいう契約量の増減においても、新年度の契約は柔軟に対応できるといっている。
また協会側との契約においては引き取り困難はありえない。それは環境省が言うように、国内循環産業を育成し国内循環を推進していくわけだから。
(ただし、独自契約においては課題(引き取り拒否)は起きている。)
2019.08.28
香川県・豊島の産廃不法投棄in高松研修NO1
8月22日から2泊3日で第11回・自治体議員政策情報センター・虹とみどりの年に1回開催される研修に県内の議員と一緒に香川県高松へ向かう。昨年の全国大会は沼津で、静岡県内の議員や仲間に助けられ無事に終わり、それから1年後の大会であり、私にとっては感慨深いものがある。
今回、特に印象に残ったのは、瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま)産業廃棄物不法投棄事件の現場を訪れたことである。
高松港から船便30分、美しいこの島に、産廃の業者と県に対して壮絶な住民運動が20年以上にわたって展開された。
1970年代後半から80年代にかけ、悪質な業者と無策な行政によって引き起こされた産廃不法投棄事件。
1600人ほど(当時)の島民が立ち上がり、様々な住民運動を展開した。最終的に香川県に責任を認めさせ、91万トンにも及ぶ廃棄物の撤去を勝ち取った。2003年から撤去が始まり、2019年に770億円かけて撤去は完了したが、まだ完全な処理には至っていない。
⇩写真は現在の産廃撤去が終わった現場。当時はあの山の高さ(15m)まで産廃のゴミが積み上げられていたという)
1978年、住民は業者に産廃処理の許可を与えることに反対であった。経営者が、金もうけのためなら何をしでかすかわからない人間だと再三陳情したにも関わらず、香川県は業者に許可をだした。
当時の知事は『住民の反対は事業者いじめであり、住民エゴである。豊島の海は青く空気はきれいだが、住民の心は灰色だ』と言い放った。
当時の香川県は考えられないほど公権力の横暴としか言いようがない。
業者は『ミミズの養殖』のため、食品汚泥など無害物を持ち込むという約束であった。しかし実際には、車の破砕くずや廃油など、大量に不法投棄し、野焼きをした。集落には、煙や異臭が漂い、咳が止まらなくなる住民もいたという。
しかし、業者の不法投棄を香川県は黙認した。
住民は、県に指導するよう再三求めたが、無視され続けた。住民が担当課に行って、庁舎の窓から見えるあの煙が見えないのかと迫ると、横を向いて、『見えません』と言い切った。さらに県は、業者が持ち込んでいるのは廃棄物ではなく、『金属回収の原材料』と詭弁(きべん)を言い出す始末。
⇩下の写真は豊島の産廃ツアーに参加した議員(前列右から3人目が、当事者でありガイドをしてくださった石井さん)
なぜ県は実態を把握しながら、黙認したのか?許可を出した行政が最初の違法な不法投棄を見て見ぬ振りをしたことが、豊島住民に過酷な闘争に陥らせ、20年以上にわたって公害調停と住民闘争が続けられた。
県の職員は『経営者の暴力を恐れた』という。強いものに巻かれて怖くて指導ができなかったというのだろうか。無責任、事なかれ主義という行政の体質が、豊島住民はもちろんだが、県民に大きな負担を強いることに繋がった。しかし、いったい誰がその責任を負ったというのだろうか。
1990年に隣県の兵庫県警の強制捜査で不法投棄は止まった。当事者の香川県は許可を出した以上、不法投棄に見て見ぬ振りを通した。そんなことが許せるのだろうか。
大量の産廃ゴミが残り、住民は県、事業者、国などに撤去を求め、1993年に公害調停を申請。一方で、県は責任を否定し、『安全宣言』を出し、ゴミを放置しようとした。
勝ち目のない闘いだったが、『自分たちの代で美しかったこの豊島をゴミの山のまま子ども達の世代に押し付けるわけにはいかない』「子どもたちに豊かな環境を残してやりたい。第2、第3の豊島事件をおこしてはいけない」ただそれだけのこと。人間本来の、ごく当たり前のささやかな思いである。
2018.09.23
生ごみ消滅処理 in 豊川市給食センター
9/23に「清水町ゴミ問題を考える会」の勉強会に参加。今回は8/17に愛知県豊川市の学校給食センターの生ごみ処理、豊橋市のバイオマス利活用センターに見学に行った時の状況の説明と今後の方向について意見交換を行う。
学校給食センターでの生ごみ処理システムは生ごみが1日ですっかり消えてしまっている状況に驚愕。
それも1日9000食を作っている給食の生ごみをディスポーザー(破砕機)で破砕し、そのうちの固形物800㎏を、5㎥のもみ殻の中に入れて空気を送り込みながら微生物処理によって、水とCO2に分解し1日で消滅してしまう。分解された水は下水道に流すので、後処理は一切必要ない。またその過程において匂いの発生もない。
左上の写真がバイオ処理の生ごみ処理機は1日800㎏の固形物(生ごみ)が消滅。
・メンテナンスはもみ殻を入れるだけ
・卵の殻、貝殻、魚の骨も処理可能
・ランニングコストは400円/月(13年間稼働中)
・1t/日の装置が4400万円
家庭の生ごみも、↓下の生ごみ分解消滅機(ゴミサー)で生ごみが水に分解されるまでの工程。
生ごみを水とCO2に分解し、分解された水は下水道に排水するので、残渣を一切残さないので、後処理を必要としない。
2018.07.02
紙おむつだって再資源化できるごみのあり方って?
沼津市のゴミ処理施設のあり方に関する意見交換会が6/30(土)に清水町であった。
昨年、沼津市のごみ焼却場の突然の計画中止に何度か議論してきた経緯があるが、その問題について、地道に議論を重ねてきているグループがあることを知った。
沼津市の焼却場はすでに40年が経過し、全国的にも老朽化と耐震化がされていない希少な町である。今回は沼津市の焼却炉問題を今一度共有し、 次いで、沼津市の焼却炉建設計画に対してもっと経費がかからず、環境に良い、ごみのゼロウェストを目指せるような代案作っていけたらという。
その課題を環境省等に調査に行ったりしているグループは、沼津市以外の方々が今回の勉強会の主催者である。
そこで、清水町や沼津市、はたまた三島市、東京からも専門の先生が参加して、この問題点を共有し、どのようにゴミ処理をすべきか?
面白い取り組みだと思うし、実際に行っている自治体があり、分別収集で一躍全国的になった沼津方式というモデルがかつては注目されたこともあり、まだ事業は始まっていないので、もっと議論を深めて、まちおこしとしても繋げていけたらいいなぁっと思う。
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