山下ふみこオフィシャルブログ

一般質問

2020.10.12

中継・中間処理施設の現状と対策その4

夕方のニュースで横浜の資源ごみ回収現場の状況が放映されていた。
沼津市と同じ状況が他市においても課題となっていた。その状況は沼津市以上とも見える。どちらにしても、年末やお正月にかけてこのままでいくと、処理しきれない状況に陥ってしまわないかという懸念である。

コロナ禍において、プラスチックや缶等の資源ごみが増加し、さらに年末で資源ごみが増加すると、今対策を講じていかないと年末やお正月にかけて、市民生活に大きな影響がでることになると報じている。
今回の私の一般質問も同じ危機感が契機となっている。何とか年末までには改善しなくてはという思いがあって、6、7月ごろから状況を見ていたのだが、さらに状況はひどくなる一方だった。

今回のペットボトルの山積み問題は、国際情勢等もあり、独自契約の場合、搬出先のリサイクル事業者の受け取り拒否が起きているというのは、他市の情報や協会側からの見解だった。
しかし、沼津市の場合「受け取り拒否はない」という答弁がされている。(10月からの独自契約は鈴与から新潟のリサイクル業者に変更)

ただ、プラ容器包装ごみに関しては、搬入量が処理量より多いので、そこの解決が急がれる。
市町村の「分別収集の質の向上」の対策について協会側も示しているが
●現場の手選別だけでは追いついていかない現状に、市民の分別排出そのものの質を高めるべく市民啓発を強化する。
●処理作業における異物排除等の選別機能の強化を図る。
(設備投資は現状では難しく、せめて経年劣化している設備機器等の万全な維持補修をすべき)

●分別収集方法を変更する。

容器包装リサイクル法の施工後、一般廃棄物の最終処分量は減少し、リサイクル率も、平成7年度には9.8%だったが、平成30年度には19.9%と改善されている。もちろんその背景には、事業者による容器包装の合理化の取り組み、小売業における排出抑制、また消費者や市町村における容器包装廃棄物の取り組みの成果もあげられる。

しかし、リサイクル率は横ばいであり課題はある。
排出抑制及び再利用の促進、最終処分場のひっ迫への対応、再生材の需要の拡大等への課題などがあげられる。

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2020.10.11

中継・中間処理施設の現状と対策その3

なぜプラ容器包装のごみ貯留ピットに1年以上前からごみが溜まり続けているのだろうか?

それはプラ容器包装の搬入量と処理量の問題がある。パッカー車等が収集で運んでくる量と手選別で処理された処理量に限界があって、搬入量ー処理量=貯留ピット残量+汚れ等で手選別によって排除した分(焼却処分or埋め立て処分)になっている。↓赤字の数値が90%ぐらいで推移しているのは、搬入量に対しての処理量なので、誤差分を含めてその残量が少しずつ貯留ピットに溜まっている状況だと推察できる。

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残量の原因は2つあり、1つは発火事故と2つ目は修繕費の確保の問題がある。
1:H30年にリサイクル工場において、沼津市のプラ容器包装のベールが原因となって発火事故が5件起きた。
これによって、より選別の品質向上策として、選別ラインでのコンベアのスピードを落としたことにより処理量が減少したと推察。(溜まっている貯留ピットのごみはすでに1年半以上から溜まり続けていることになる?)
沼津市は最優先すべきは電池等の発火原因となるものを優先的に除去することだというが、貯留ピットの限界については回答がなかった。

2:施設の設備や機器等の経年劣化による影響があると考える。
施設の修繕費が劇的に減少。H20年から現在までの修繕費を見ると今まで700万円ぐらいで推移していたのが、昨年今年と100万円前後に落ちている。これでは適正な修繕ができないのではないか?
1年半前ぐらいからラインの一つ軟質プラ搬送コンベアが稼働していない。また効率良くしようとスピードを上げようとすると突然異音が出てしまう。設備の不具合でスピードが上げられない状況があるのではないだろうか。(私が見学した時にこの状況が起きている)

↓プラ容器包装の手選別ラインの段階で毎日このような発火物や異物が日常的に混入している。
(ライター、乾電池、リチウムイオン電池、かみそり、針、時計、キャリーバッグ、充電器など)

既に貯留ピットの中は境界線まできている。パッカー車が1台搬入するたびに、1台分のごみスペースをクレーン車で上げているように見える。2つある搬入口の一つはプラごみの山で開けることさえできない。

この状況が続けば、貯留ピットが限界になるのは時間の問題だと思うのだが、担当課はその危機感があったのだろうか?
またこの状況について、毎日、日報で確認をしているなら、現場に来ていれば、ここまで満杯状況に進んでいただろうか?今のままの状況が続けば、プラ容器包装の搬入ができなくなり、市民生活に大きな影響が出るのは時間の問題だと思わざるえない。
↓貯留ピットの中の底は、1年半前のプラごみがそのまま溜まっていると想定できる。2年前には少なくても週末は空になっていた。
毎日、消臭や消毒液の散布で湿ったままのプラごみが食物残渣に反応して異臭が立ち込めている。

2020.10.10

中継・中間処理施設の現状と対策その2

なぜ、ペットボトルのベールの山ができているのに、リサイクル事業者へ搬出しないのだろうか?
なぜ、プラスチック製容器包装のごみが貯留ピットに溜まったまま処理しきれていないのだろうか?

そこでペットボトルとプラスチック製容器包装の年間搬入量と搬出量の推移を調査

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★★★ペットボトルの状況について★★★

ペットボトルの年間搬出量(リサイクル業者へ出す量)は年々減少傾向 (利用は拡大しているが人口減少によるものと推定)
独自契約とプラ協会との2つの契約をH18からしている。
当時は独自契約のほうが1トン当たりの市場単価が高かったし需要もあった。しかし、国際情勢やオイル価格の低価等で、
独自契約とプラ協会との金額がH29年から逆転して、1トン当たりの取引価格が協会のほうが有利になっている.

なぜ、ペットボトルの搬出(リサイクル業者への引き取り)が進まないのか?
ペットの市場価格が経済の停滞とともに急激に下がり、原油価格の値下りもあって、リサイクルプラの需要がなくなってきている状況があり、ペットボトルの引き受けができない状況になっているという。
リサイクルプラを使うよりはバージン原油が安い現状にあり、しかも繊維業界が低迷の状況は、売り手市場の時はいいが買い手市場になったときは、引き取りがしてもらえなくなる。
さらに国際情勢もある。
H29年末から輸出先の中国が、一部の廃棄物の輸入禁止を実施したことや、近隣諸国も輸入禁止の処置をとる国が出始めている。
令和3年1月からバーゼル条約が改正され、 汚れた使用済みPETボトルの輸出は相手国の同意が必要になり、輸出への規制が強化される。

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←令和2年6/19協会から各市町へお願い文書
毎年、各自治体へ日本容器包装リサイクル協会から、「PETボトル分別基準適合物の指定法人への円滑な引き渡しのお願い」として、
全量を協会へ引き渡すことのお願いの文書が届いている。
中国の輸入禁止の発表を受けて、独自処理の引き取り価格が低下する事例がみられるなど影響が出ていると。
各市町村の財政収入等にとってリスクが生じることも懸念されると言っている。
協会や国が言うように、ペットボトルの搬出ができていない状況は、独自契約業者からの引き取りがしてもらえない状況が発生しているのではないだろうか。
令和2年の4月から9月までの引き取り回数をみると、独自6回、プラ協会14回と独自は1/2以下の引き取り回数になっている
引き取り困難な状況が、ペットボトルの山が溜まってしまっているといえないだろうか。

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また、H29年11/1には環境省から各自治体へ
「国際動向を踏まえた廃ペットボトルの指定法人への引き渡しの促進について」依頼の文書がきている。

なぜ、沼津市は独自契約にこだわるのだろうか?
平成18から続いた独自契約を見直す時期ではないだろうか?

沼津市の答弁:
協会に委託する場合は、前年度に予定していた処理量を大幅に増減することはできないこと。現時点ではリサイクル業者へ売り払いが可能であること。

しかし、市の言うこの2つの理由はすでに成り立っていない。

協会側に確認したところ、沼津市のいう契約量の増減においても、新年度の契約は柔軟に対応できるといっている。
また協会側との契約においては引き取り困難はありえない。それは環境省が言うように、国内循環産業を育成し国内循環を推進していくわけだから。
(ただし、独自契約においては課題(引き取り拒否)は起きている。)

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