山下ふみこオフィシャルブログ
介護
2022.04.05
高齢者に必要な介護とは NO2
心配はしていたものの、入院5日目で退院となってしまった。4/1(金)に入院したAさんは翌日から不満が始まり、とうとう誰の話にも耳を貸さず、身元引受人の私の承諾があれば退院させるという事になった。4/5(火)の16:00にケアマネが頼んでくれた介護タクシーに一緒に乗り込んで妻のいる自宅に帰ってきた。
帰り際に医師からは「奥さんの腰痛が落ち着くまで、Aさんが病院に居てくれたら、奥さんは安静にしてあげられたらと思うんだけど。あなたの褥瘡ももう少し様子を診たかったのに・・・」と引き留められたが、彼の決心は堅く、もうどうなっても手術もしないし、自宅で終えればいいと言う。
Aさんには「もうこうなった以上、自宅で必要なサービスを受けながら、一人になるまでは自宅での生活をするしかないね。もう自分が選んだことだから覚悟を決めなければならないねっ。もう戻れないよ・・・」ときつく言うしかなかった。
今までもそうだったように自宅で受けられる介護サービスと、今後は障がい福祉サービスを利用しながらやっていくしかないと思う。
そこで、障害福祉課に電話を入れ、高齢者であっても障害者の場合、障害福祉サービスを使えるのではないかと聞いてみた。
すると、「障がい者であっても65歳以上は介護サービスが優先であり、障害者の福祉サービスは基本的には受けられないが、介護サービスにないサービス、例えば、行動援護が必要な場合は可能だが、その他の居宅介護(自宅で入浴、排せつ、食事の介護など)は介護サービスにもあるので、そちらを使ってください。」と言われた。
しかし、「介護サービスを使い切っても在宅での生活ができない場合、障害者総合支援法には在宅生活が可能な仕組みへという事で、在宅生活を望む障がい者には合理的配慮のもと、その人の意をくんだ支援をやらなければならないのではないですか?」ときくと、
担当者は「障がい福祉サービスは使えないわけではないが、使う場合はケアマネとこちらとで十分話し合ったうえで認められれば・・」ということだった。
これから二人の生活を継続できる環境をどうつくっていくのか!!
介護サービスで自宅での生活支援と医療的ケアがどこまでできるのか、
そして障がい福祉サービスが補う事ができるのか。
Aさんが自ら望んだ自宅での生活を全うするには、限られた福祉サービスを利用しながらやっていくしか選択肢はなさそうである。たとえ、それで夫婦が罵り合って喧嘩しながらでも、彼らにとって人間らしい生活がそこにあるのかもしれないと思えてくる。
2022.04.02
高齢者に必要な介護とは NO1
私が10年以上前から関わってきた老夫婦のことです。
高齢者夫婦にとって、どちらかが病気になったりすれば、自分たちにも直面することかもしれないという思いがあり、当人の許可をもらいこの老夫婦の経緯を記すことにした。
80歳になろうとしている老夫婦。夫(Aさん)は障がい者で車椅子生活。妻(Bさん)は認知症が進み持病の喘息と腰痛が出て安静を強いられている。どちらも介護が必要でありヘルパーさんや往診などのサービスを受けている。しかし、ここにきて様々な変化が起きている。
仲睦まじかった夫婦は、双方の足りない部分を補って何とか生活ができていたのだが、妻の腰痛が進んだことでその関係が崩れ始め喧嘩が絶えなくなっていった。夫はこんなことなら早く施設へ入所したいとケアマネを通して探したが、彼らの収入では特養しかなく順番待ちでいつ入所できるのか分からないという。
しかし、その後、絶対施設には入らないというAさんの強い抵抗にあうのだが・・・
こういう状況の中で妻の腰痛が悪化し緊急入院。車いすの彼は一人では生活できないと、妻が退院するまでとショートスティへ急遽入所。しかし、そこでの生活は彼にとっては苦痛であったらしく、「帰りたい帰りたい」を連発し周囲を手こずらせ、周囲が困り果てた挙句、とうとう彼は自宅に強引に戻り、ヘルパーさんの支援を受けながら一人暮らしを始める。
妻は腰痛の治療を終了した後、療養生活を援助するための病棟に移行したが、本人と夫の希望で退院し自宅での生活を始めた。しかし、妻は腰痛が収まらず、なるべくベッドで安静にという医師の診断。夫は週3回入浴などで楽しみにしていたデーサービスに行くための支度をしてくれる妻ができないため、自宅での生活を余儀なくされストレスがたまり続けていた。かたや妻は自宅で安静にしていなければならず、口喧嘩はさらにエスカレートしていった。
この状況に一度は夫婦間の冷静期間も必要だと思っていたのだが、今度は夫の足の壊疽が進行し、往診で治療を受けていたが、このままだと足を切断してしまうかもしれないといわれ、ケアマネのアドバイスもあり急遽入院をするように説得し、1週間だけ入院して様子をみるという事で納得してもらうことにした。
しかし、入院したAさんから毎日SOSの電話が私の処に来るようになっていた。大部屋が空いていなかったので追加料金2200円/日、支払って2人部屋に入ったものの、相部屋の方が認知症のため昼夜を問わず騒ぎたて、とても寝ていられる状況ではないこと。また金曜日入院したため、医師の診断が月曜日以降になってしまう事が重なり、急遽入院したもののまだ治療が受けられていないという。それ以前に入院するにあたり17万円/月の入所費用(治療費・食事・おむつ等)と洗濯費用850円/日かかる。これにパジャマ代が入ると1850円/日かかるという。
月曜日にどんな治療法が確定するのか分からないが、コロナ禍の中で医師の説明が聞けず、この先、的確な治療が受けられるのか、どんな治療法があるのか、医師の診断を聞けるのが1週間後であり、それも電話でしか話せないという。
電話でのアポを取らされたがこれでいいのだろうか?
同意書をみると
「当院は、主として高齢者で一般急性期病院や回復期リハビリ病院などでの治療が終了した後も医療処置を必要とし、長期入院が必要な患者さん御療養生活を援助するための病院です。従って、原疾患に対する積極的治療を目的とした病院ではないことをご承知おきください。また、手術室や人工呼吸器等は所有しておりません。・・・・」
これでは当初希望した根本治療をしなくてはダメというケアマネのアドバイスで入院したはずだったが、この病院での目的は違っている。入院3日目にしてこの違いに気づく。
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Aさんに「足を切断する前に根本的な治療ができれば、壊疽の進行を止められるのかどうかちゃんと診てもらおうね」とやっと説得して、
翌日4/1には介護タクシーをケアマネさんに手配してもらい迎えに来てもらう。
介護タクシーの基本料金:
一般タクシーと同じで初乗り料金690円(1.5km)+メーター料金+乗降の介助120円/回(運転手はヘルパーの資格あり)障がい者手帳がある場合は1割引き
(会社によって違う場合がある)
妻のBさんの髪がぼさぼさになっていたので、日曜日洗濯物を届けるついでに訪問。
「私でよければカットするけどどうする?」と聞いたら、「もうどこにも行けないので、悪いけど切ってくれる?」というのでカットをした。それから昼に毎日配達をしてくれるお弁当を食べさせる。
今日は雨が降っていたので、Bさんの体調次第と思っていたが、腰痛も今日は楽そうでぜんそくの状況もよかったので髪を切るタイミングはちょうどよかった。その時、お薬を飲ませたり、血圧を測るヘルパーさんが、19分間の時間だけ来てくれていた。
2022.02.19
介護現場の実態
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