山下ふみこオフィシャルブログ

一般会計決算

2022.10.20

令和3年度一般会計決算に反対

鉄道高架どころではない日本の厳しい社会経済状況がありながら、誰も現実を見ようとしない。
「木を見て森を見ず」とはまさしくこの事ではないでしょうか。

それでも鉄道高架を進めようとするなら、市民に対して犠牲にすべきものは何かを含めて、丁寧な説明が必要だという事を申し上げて令和3年度決算に反対しました。

この30年間の普通建設事業費と(投資的経費充当)一般財源の推移を見ていくと、その傾向が見えてくる、H1年度~R3年度までの33年間の推移

普通建設事業費(赤✙黄緑)は減少し、一般財源(赤)が減少した分、借金(青の折れ線)の割合が大きくなっている。
事業をもっとやりたくてもできないってこと!!

人工都市税の関係グラフ

高架化関連事業費を含む普通建設事業一般財源(主に市税や地方交付税)+借金+国・県補助金で構成。年度によって事業費は変わるが、全体的な傾向を見ると、次第に建設規模が減少している。バブル期の1/2まで縮小。

H1~H14年度:普通建設事業費(赤✙黄緑)は200億円~160億円
        のうちの一般財源(赤)90億円~60億円 
                      ✙ 事業債(借金20~30%) ✙ 国県の交付金(事業費の30~50%)

H15~H24年度普通建設事業費150億円~140億円のうちの一般財源60億円~50億円 
                      +事業債借金25~35%)+ 国県の交付金(事業費の30~50%)

H25~R2年度:普通建設事業費110億円~100億円 のうちの一般財源30億円 
                      +事業債(借金35~40%)+ 国県の交付金(事業費の30~50%)

   R3年度 :普通建設事業費 90億円のうちの一般財源24億円 
                      +事業債(借金41%)  + 国県の交付金(事業費の30~50%)

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H1~H14は建設事業規模は200~160億円だが、R3は90億円と事業規模は1/2まで縮小
H1~H14は一般財源は建設事業の1/2の80億円まで充当できているのに、R3は20億円と1/4まで縮小
ブルー線は事業債(借金)の建設事業費に占める割合は次第に増加。なぜなら、一般財源が充当できないからその代わりに借金で手当てをするしかない。でも借金返済は一般財源を充てる。そうなると、一般財源が増えない限り借金もできないので、事業規模を大きくすることはできない。

この状況は普通建設事業の硬直化。つまり、事業規模を今以上に大きくすることは不可能。
高架もやりたい、ごみ焼却場も耐用年数はとうに超え耐震化はできていない。庁舎も50年以上で老朽化が激しい。学校も同様。水道下水道の管等の更新、また昨今の大災害!!

大規模建設の老朽化更新はこれからが正念場です。事業規模はこれ以上市税収入があがらない限り大きくはできない。(高齢化と人口減少で納税者の減少)借金をするにも限界がある。

他市と違う沼津市の困難とは?
これから本格的に始まる鉄道高架事業はいずれ立ち行かなくなってしまう状況が、令和3年度決算に如実に表れていると思っている。
日本の老朽化対策をはじめ、高齢化、人口減少に向けて、日本の社会経済の厳しい状況の中で、生き残りをかけてどの自治体も政策転換を余儀なくされている。しかし、沼津市の場合は、これから巨大事業費の高架化を進めようとしている。時代は大きく変わったにもかかわらず、誰も現実を見ようとしない、誰も財政的に不可能だとは言わない。何が大丈夫なのか私には分からない。それでも鉄道高架を進めようとするなら犠牲にすべきものは何か?

市民への丁寧な説明が必要です!!



認第 19 号令和3年度一般会計歳入歳出決算において反対の立場から意見を言います

令和3年度の決算の状況は歳入の根幹である市税収入は123500万円の減となった。

かたや普通交付税27億円で10億円の増や臨時財政対策債24億円で12億円の増、またふるさと納税が12億円と1年経たない中での7億円の増となったことは令和3年度の自主財源の確保として特徴的なことだと思う。

その中で臨時財政対策債だが赤字地方債とも言い、その年度の日常的な市民サービスの低下を招かないための借り入れであり、一般財源である。ここ10年間で最も大きな借入可能額である。毎年借り入れ可能額一杯に借り、市債に占める臨財債の割合は令和3年度38.%、前年度より18ポイントのアップ。この借入によって一般財源の根幹である市税の減少を穴埋めしているともいえる。借入可能額が後年度基準財政需要額として措置される。とはいっても地方交付税全体としては地財計画によって減ることもあるので、国が100%手当してくれるものではない。

沼津のように全額を借りる自治体と、一部しか借りない自治体、まったく借りない自治体がある。

後年度への負担の先送りになり安易に借り入れすべきではないと考える。

次に歳出で見ると、義務的経費の増の主な要因は扶助費の生活保護や児童の保育に要する経費が5億円の増。一般財源に占める義務的経費は45%を占め、ここ56年増加傾向が続いている。

その中でも扶助費は年々増加傾向にあり、75歳以上の高齢者は29.5%を超え、2025年には団塊世代が75歳以上をむかえさらに高齢化は進んでいく。

令和3年度の人口推移で懸念するのは、生産年齢人口が前年度の2%減に比べ、0歳から14歳までの児童が4%の減、人口減少率は年齢層が低ければ低いほどのその減少幅が大きくなっている。つまり更なる納税者人口が減少していくことにつながる。

次に普通建設事業費の動向を見たいと思う。普通建設事業129億円はこの9年間で最も大きな金額を占める。しかし、その普通建設事業費に占める一般財源の割合は、19%の24億円、前年度に比べ、7ポイントの減である。一般財源が占める割合がこれほどまでに小さくなった状況は平成1年に遡ってみても、19%にまで落ち込んだのは、令和3年度が初めてのことである。因みに高架事業が認可された平成18年では一般財源の占める割合は35%であり、令和3年度の4倍にもあたる。

高架事業費を始めとしたアセットマネジメント等の事業費が今後大きくならざるえない状況の中で、市税の伸び悩み等で一般財源の確保が難しく、普通建設事業費に充てる一般財源の充当率がここまで縮小するという事は、これまでになく厳しい現実が令和3年度に現れている。。

では一般財源の不足を借金で賄う事は、後年度に公債費が増加し、義務的経費のうちの社会保障費が今後さらに膨らんでくると、そのしわ寄せは普通建設事業の硬直化(事業規模を大きくしたくても大きくできない)を招くことにつながる。

次に普通建設事業費の中の高架化関連事業をみると、道路新設改良費、都市計画総務費、区画整理事業費、街路事業費これらの事業費合計は約12億円、一般財源が占める割合は14%。

この高架化関連事業もこの6年間ぐらいのスパンで見るとやはり一般財源は6年前の半分以下の充当率になっている。それとは反対に起債の占める割合ハ大きくなり、26.7%とこの起債充当率は、6年前の2倍以上となっている。

令和3年度の全体の普通建設事業費から高架化関連事業費の割合をみてみる。

普通建設事業費に占める高架化関連事業費は9%しかない。これまでは20%ぐらいを占めていたにもかかわらず、1ケタ台になってしまっている。これは令和3年度が、やるべき事業が少ないからという事もあるかもしれないが、この30年間の普通建設事業費や一般財源の推移を見ていくと、その傾向が見えてくる。令和3年度を踏まえて言えることは、今後、本格的に進めようとしている高架化関連事業は、他の事業を犠牲にしたうえでしか成り立たない事業であり、それを続けるられるかどうかは、少なくても市民に対する説明責任が問われてくる重大な問題だと思う。

昨今の地球温暖化による大規模災害にも備え、老朽化によるアセットマネジメントの取組、新中間処理施設や庁舎等の大規模事業も控え非常に厳しい財政運営をしていかなければならない。これは沼津市に限ったことではないかもしれませんが、沼津市が他の自治体と大きく違うのは、これから高架事業を進めていくからには、いずれ立ち行かなくなってしまう状況が、令和3年度決算に如実に表れていると私は思っています。高架化どころではない日本の厳しい社会経済状況がありながら、誰も現実を見ようとしない、それでも進めようとするなら、市民に対して犠牲にすべきものは何かも含めて、丁寧な説明が必要だという事を申し上げて令和3年度決算に反対します。

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