山下ふみこオフィシャルブログ

2015.06.26

高尾山古墳、何とか両立へ県知事

6/25の県知事の定例記者会見での事。
中日新聞の記者から、高尾山古墳について質問があり、それを受けて県知事がコメントをした内容は、私が当局から聞いている県知事の回答とは違っていたことに驚いている。
記者会見の状況をネットで見る限り、9月の現地を訪れた時に、古墳はどうしても残したいと、そして残せると判断をしていたと受け取れるのだが・・・

そして街路整備課の課長を会見場に呼んで、当時の状況と道路と古墳が両立できると判断をした経緯を語っている。
沼津市は「道路と古墳は両立できない」状況を、昨年12/16に文化庁へ道路の了解を得るために出向き、今年の2月中旬に県の教育委員会に道路事業のために、古墳をなくすことになるので、そのための記録保存をするからと発掘調査をするという通知を出している。


6/24の沼津市議会一般会計予算決算委員会で担当課は、私の質問にこう答えている。

質問:この6月議会に発掘調査費をあげた理由について

答弁:平成27年3/31付で県教育委員会文化財保護課から高尾山埋蔵文化財を発掘調査することについて、条件付きで実施を認める通知が来た。

質問:県教委に出す手順と期間等について。

答弁:市長名で土木工事に伴う文化財保護法第94条の発掘通知は1/13で、沼津市教育委員会の進達をつけて2月中旬に出し、3/31に県教育委員会文化財保護課から返書がきた。

第94条1項に基づく発掘調査の意味とは:
(古墳を切り崩しながら、中を調べていく調査、調査が進めば進むほど古墳は壊れてその価値は失われていく。つまり記録保存のための発掘調査)

上記の写真は委員会の様子:古墳調査費を含む補正予算案が賛成多数で決まった瞬間。賛成13人:反対3人

質問:県教育委員会は申請による許可をしたのか。

答弁:県教育長から市長あてに「高尾山古墳において、極力現状のうち保存ができるように市教委と協議をして下さい。その上でやむを得ず遺跡が失われる部分については、学識経験者等の意見を十分聴取しながら、慎重に発掘調査を実施し、最新の技術や知見を持って最大限遺跡の情報を抽出保存できるよう願います。」という内容です。
(これは県教委も発掘調査を認めたということにならないのか?)

私の意見:6/17の一般質問,24日の一般会計の委員会において、高尾山古墳について質問をしてきたが、「道路か古墳か」における決定プロセスに多くの疑問が残っている。今回県知事の記者会見での発言を受けて、ますます理解に苦しむ一連のこの問題。

昨年9月に県知事が古墳は何としても残すと、高尾山を訪れた時にその方向でいけると思って県街路整備課にその有無を確認している。担当者もそれで出来ると判断をしていたのだろうか。

知事は今回の「両立の方向でいっていると思っていたのが、道路か古墳かの二者択一とは?」と疑問を呈している。

知事の発言をうけて県街路整備課は

(当時)両立する形の模索を探った中で、色々の方法を考えた中で、車線はそのままで歩道の部分を上に回すという形で、古墳をとり壊さない形で、両立を図ると沼津市にアドバイスをした。(当時)

沼津市長は記者会見で、立ち止まって考えるということでしたので、相談があれば、アドバイス・技術的な指導をしていこうと思っている。

(上記の新聞記事は画像をクリックすれば、拡大します)
日詰教授の指摘する問題こそ私が今まで古墳問題に取り組んでいく中でぶつかった問題である。
そして道路と言う判断を下した経緯がよく見えてこない。大事なことは議事録に書かれているはずのものがない。そしてその資料は情報開示請求をしなければ出してもらえない。
議事録に示されていない大事な事が、いつの間にか決定されてしまっている状況があっていいのだろうか。私たち議会としての存在意義も問われているのかもしれない。