山下ふみこオフィシャルブログ
2017.10.07
長期試算公表の真意とは NO2
今回の9月議会に向けて、市長は9/5に「沼津市長期財政に関する試算」を発表した。http://www.city.numazu.shizuoka.jp/shisei/gyozaisei/finance/shisan/doc/shisan.pdf
この30年間の試算をもとに市民にわかりやすく説明をしていくためのものだという。
しかし、本当にこのデーターが正しいものなのかどうかがまず大前提である。
----------30年間の試算は不可能-----------
しかし、30年間の財政の見通しをしているところは、日本全国で岡山県津山市である。
県内外の他市の議員や財政課に問い合わせてみた。
「財政見通しは5年が限界である。10年間の見通しを出す場合は、毎年の見直しは欠かせない。30年間というのはもともと不可能であり、やれないし、やらない。」
それだけ30年間を見通すということは、不可能だからであり、沼津市はその不可能と言われている試算を試みた勇気は買うが、その試算で正しい評価ができるのかどうか、これで財政が大丈夫だというのとは全く意味が違う。
当局も試算を公表した記者会見の記事には、「この中で施策の判断を直接した資料ではない。あくまでも試算をしたという資料だ。」と述べている。
さらに議会質問でも「施策に直接反映するものではない」と答弁している。
では、何故この長期に及ぶ試算を出さなければならなかったのか?施策に反映するものになっていなければ、全く絵に描いた餅である。そんな餅をもって、市民への説明をされたのでは全くたまったものではない。
9/6の静岡新聞にも「・・・市は引き続き財政規律を最重要視し、”安心材料”だけでなく財政運営の厳しさも市民にわかりやすく伝える必要がある。」と書かれている。
少子高齢化が叫ばれて久しく、今月とうとう高齢化率が30%を超えた沼津市にとって、何一つ安心材料につながるものはない。
-------------なぜ問題を先送りにしようとするのか---------------
世界一元気な沼津を目指す以前に、この沼津に住む住民が、安心して暮らせる生活基盤整備が解決できていない現実にまず目を向けるべきではないだろうか。
これは現市長だけの問題ではなく、歴代の市長の施策による結果がそうさせたわけである。
だからこそ今、現実に向けた議論がなぜできないのか。
何故、財政が大丈夫だと、敢えて声高に言わなければならないのか。
現実、先送りしている市民生活の根幹であるごみ焼却場、埋め立て場、庁舎、病院、斎場、何も議論がされず、先送りになっている状況があるにもかかわらず、なおも財政が大丈夫だといわなければならないのか。
------オリンピックで資材高騰だが、高架事業は優先する-----------
市民生活の根幹を支える事業を先送りにして、やるべき優先順位が高架事業だとするなら、オリンピックで資材高騰でごみ焼却場は作れないが、市民生活に代えられない高架事業は資材高騰でも優先すると言えるだけの妥当な理由が存在するのだろうか。
施策に反映しないという長期試算が、何のための安心材料になるというのか、今回28年度決算を終え、さらに市民生活への課題が明確になっている事への説明責任をまず果たすべきでしょう。