山下ふみこオフィシャルブログ
2015.12.25
脱産廃屋・石坂産業へ視察 NO3
1999年、報道番組「ニュースステーション」で、埼玉県所沢市の野菜は高濃度ダイオキシンに汚染されているというニュースが一気に広まり、それが、ダイオキシンを出している産廃業者へ住民の怒りの矛先が向かい、産廃業者反対運動が起き、その渦中に(2002年)2代目社長に就任。
それから10年以上、業界最大手の会社が地域と共生する企業として改革に取り組み、環境配慮型企業に再生し、今のような月に600~900人もの見学者が訪れる産廃会社に生まれ変わったのは何故か?
見学をして驚くのは、どの社員たちも礼儀正しく、深々と挨拶をしてくれる。そして、自分の会社に誇りを持って案内して下さる姿勢に、その会社の改革の成果を見る思いです。
今は東京ドームの3.5個分のうち8割が里山として再生をし、クヌギの森や農園を作り、そこの地域の自然や土地、暮らし、動植物など、次世代に残すべき自然や歴史と文化が詰まった「三富今昔村」を開村。


日本の廃棄物処理ビジネスは世界で通用すると確信するまでに成長し、「100年先までが見える工場は自然との共生だった」ことに気付いたこの会社の取り組みは、これからも地域に根差した永続企業を目指し、リサイクル化に向けての大学との連携、共同研究も進み、世界中の学生たちと共同研究をしていきたいという。世界中から人が集う会社の姿が、ここを訪れる事で、感じることができるでしょう。
今度は、多くの自然を愛する仲間たちと石坂産業を訪れようと思っている。
2015.12.25
脱産廃屋・石坂産業へ視察 NO2
不法投棄の状況が上記のグラフである。(クリックして拡大)これを見ると産業廃棄物の不法投棄は急激に減少している。
平成15,16年と不法投棄が多くなった年度に沼津市の名前が挙がっている。平成16年度に沼津市で発覚したが、それ以前より数年にわたって愛鷹山中で行われた16年度に発覚した。これは県がH25.1/22~H26.2/28行政代執行をしている。(費用は6.6憶円)
産業廃棄物の中間処理業は「ゴミ屋とか捨て場」と呼ばれ差別を受けていた。正しく3K(汚い、臭い、危険)の職場である。
報道以来、地域では産廃屋バッシングがあり、15億円かけたダイオキシン対策炉をつぶし、焼却せずに埃が周辺に舞わない新型プラントを造成しても、世間の評価はかなり低いものだったようである。
そこで、地域の人に愛され、信頼される産廃屋を目指すには、一般の人々に工場見学をしてもらい、全てを見せようと考える。
それが「形・見た目が9割」と、みられることで組織の活性化を図った。
(処理過程を全てガラス張りの通路から見学ができるように増築)
見学には名札と黄色のロングコートと帽子を着用。雨交じりの寒い日だったのでコートは有難かった。
月に600~900人からの見学者を受け入れている状況は産廃屋というイメージからはほど遠く、その案内は全てに真心のこもったおもてなしに繋がっている。

ガラス張りの見学通路から、一目瞭然に分別等の作業状況を見ることができる。手作業での分別をしている状況もあり、仕事は過酷そうであるが、離職率は職場環境の改善で減少しているという。
一切焼却をせずに、水も粉塵が舞わないために霧状にしてかけているだけ。大量の水を使うことは地下水汚染にもつながるからという。さらにCo2削減に重機は電気を使っている。
重機は電動で、排出ガスはゼロ、騒音は低減等、周辺環境や職場環境の改善やランニングコストの低減にも繋がっている。
CO2削減効果はマイナス70%というように、技術革新による省エネに取り組んでいる。
3S(整理、整頓、清掃)とISOを同時導入し、環境、品質、労働安全衛生を形で示す。
例えば、一つ工具が紛失しても、すべて見える化しているので、誰が見ても分かるように、工具を片づける棚を取り付け、使うだけの道具を用意し、その並べ方を考えて整頓している。
古い仕組み、体質、悪い習慣なども例外なく整理対象にし、常に会社のあり方とはどうあるべきかと自問自答し、最終的には、地域の方々と一緒になって永続企業になる事を目指している。

2015.12.24
脱産廃屋・石坂産業へ視察 NO1

12/23(水)埼玉県入間郡三芳町にある産業廃棄物処理会社・石坂産業(株)が画期的な産廃をしているという事で、何カ月も前に予約をして、やっと今回その視察が叶う。
東京ドーム3.5個分のうち8割が里山(緑地)で、残り2割が産業廃棄物処理場等のプラント。本来なら全天候型の処理場を、1999年、久米さんの報道番組で所沢産の野菜からダイオキシンが検出されたことをきっかけに、全て建屋の中で処理を行うという画期的な方法に取り組み、今では世界中から人が見学に来る会社に変えた。
その取り組みは
「100年先が見える工場は自然との共生」
永続企業へ近づいていくためには、地域に根ざし、地域に信頼される会社を目指す。それには地道に社員教育や会社の基盤づくりに時間をかけてきたその経緯は、この本で知ることができる。しかし、「百聞は一見にしかず」である。
会社見学は12:30~16:30までの行程で隈なく案内して頂き説明を受ける。最初は、40分ぐらいのレクチャーを受けてから見学コースへ。
今までの産廃屋のイメージをすべて払しょくした視察だったことはもちろんのこと、全ての社員が爽やかに挨拶をしてくれる環境にまずは目を見張る。
画期的な取り組みとして、埃を出さないようにプラントを建屋の中に入れてしまったこともすごいが、「受け入れた産業廃棄物の95%を減量化及びリサイクル」している。
廃棄物を埋め立て続けた先に持続可能な社会があるのか。本当に未来を考えるのなら、埋め立てる廃棄物を減らすことが大切と当たり前のことを本当に可能にした会社がここにあった。

