山下ふみこオフィシャルブログ
鉄道高架
2014.09.27
鉄道高架事業とファシリティマネジメント NO4
ファシリティマネジメントの取り組みと必要となる財源の規模について
山下:鉄道高架事業を考えた時にファシリティマネジメントが及ぼす影響について
当局:ファシリティマネジメントの計画はH28年度までに策定するため、
私の見解:後10年もすると、30年以上経過した建物は7割になる。この問題は待ったなしで取り組む必要があり、避けては通れない。しかし、建物の維持更新問題が自治体の大きな財政負担に繋がる。
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★★ 習志野市(166,000人口)の場合 40%しか更新できない ★★
H20年~老朽化問題に着手
対象施設は124に絞り、25年間の事業費総額1200億円 / 年間48億円→見直し
→25年間で建て替えていくと毎年38億円(965億円)
しかし、過去5年間公共施設に投資した額は15億円/年
この水準を維持したとして、現在の公共施設の40%しか更新できず、小中学校の8割を更新するだけで、財源がなくなる。
→他の公共施設は全て廃止するしかないと言う状況
財政状況が悪化する中で、少子高齢化が進み、社会保障費が増大していることから、投資的経費を削減せざる得ない。
しかし、社会資本である公共施設は、いずれは更新の必要があり、今後の更新のためにの投資的必要額は増加する。
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減った予算で今後増える更新のための事業をどうやって維持更新していくのか。深刻な問題です。
しかし、まだ沼津市は老朽化対策の試算がされていないため、今回の財政見通しにはその事業費が含まれていない。
下記のグラフは沼津市の施設の現状と今後の状況です。
上の2つのグラフは沼津市の全施設の建設年度と更新時期を表したもの。昭和40年代~60年代までが経済成長と人口増加で建設ラッシュだった。
これらの建物の維持更新がやってくる。既に後10年もすると7割の公共施設が30年以上経過する。
下のグラフは人口の推移と建築物の関係。
建物の老朽化進行
|
経過年数毎の面積 |
||
|
20年未満 |
20年~30年 |
30年以上 |
23年3月現在 |
31% |
23% |
46% |
10 年後 |
17% |
14% |
69% |
2014.09.27
鉄道高架事業と財政見通し NO3
NO2では、歳入についての見込みの甘さを指摘しました。
NO3は、歳出(支出)について、分析をしてみます。
扶助費について
扶助費の伸びは本当にこんなものでいいんですか?
(25年度までは決算額(実績) 27年度以降は見通し(計画))
山下:扶助費の伸び率は直近のH24、25年度では1.4%。しかし、生活保護費のH21年~5ヶ年の伸び率 は5.4%です。これで現状把握をしているのか?
当局:H22,23年度は児童手当の制度改正があったので、伸び率を24,25年度で見込む(1.4%)
私の見解:制度改正により大幅に扶助費が増加したのはH21~22年度。H23年度を直近に加えると伸び率 は2.8%まで膨らむ。29年度以降、高齢化に伴う扶助費の増加はないのか?
扶助費の増を余りにも小さく見積もりすぎていないだろうか。
一番注目すべきは、普通建設事業(投資的事業)に占める一般財源(投資的経費充当一般財源)の金額。
緑&ピンクの棒グラフ:投資的事業に充てる一般財源の決算額(緑)
青&赤の棒グラフ:投資的事業に充てる一般財源の見通し(青)
山下:投資的事業に充てた一般財源はH25年度までは概ね50億円/年。26年度以降の見通しはその半分 の25億円/年にしかない。一般財源を高架事業に投入すれば、その分、投資的事業に充てることができる財源は小さくなる。極めて小さくなってしまう。これでは他の普通建設事業に支障が生じないのか。
当局:今回の財政見通しは、財政負担の平準化と市債の充当率に合わせた結果です。
私の見解:投資的事業に充てる一般財源が半分になってしまっている。その半分を補うのに、市債(借金)で補う状況は、果たして市民生活に影響がないと言えるのか。
借金をすれば、その元利償還が始まれば、その返済に一般財源が必要になり、ますますその額は 圧縮されていくわけで、あまりにも無理がある財政計画です。
2014.09.27
鉄道高架事業と財政見通し NO 2
鉄道高架事業が実施に向かう旨が取り沙汰されています。しかし、今回示された財政見通しから言えば不可能と言わざる得ない。
鉄道高架事業は不可能か!
果たして事業が成立するのか。強行すれば、市民生活や沼津市政に大きなマイナスの影響をもたらすことにならないのか!
地方自治体の財政を見る場合:
ポイントになるのは一般財源の大きさとその内容とそれにその伸びである。
一般財源の主なもの:市税、地方交付税、地方消費税交付金 等
そこで、一般財源の収支について注目をしてみます。
まず注目すべきは人口推移。
沼津市は今年の新聞報道にもあったように人口流出全国ワースト6位
社会保障人口問題研究所が示す沼津市の将来人口推計を見てみよう。
特に子育て世代の35歳~44歳までの勤労世帯の流出が38%と突出して大きい。
2014年203,806人(沼津市4/1の住民基本台帳人口)→2025年176,846人(社人研の将来人口) 低減率(ー13.2%)
歳入の基幹的収入は市税収入。
H18~25年度までの実績:人口の減少と税収入の関係が左側
右側の赤点線=人口推移(推計人口) 青の棒グラフ=個人市民税推移
社会保障人口問題研究所の示す生産年齢人口の減少と個人市民税の増加を表示。
山下:同じ減少率でも生産年齢人口(15歳~64歳)の減少(-18.9%)が大きく、本来ならば、人口が減少すれば、毎年2.5憶円も税収入が増えていくだろうか?
沼津市:人口減少率(ー9%)と国の示す経済成長率を見込む。
私の見解:主な働き手となる生産年齢の減少幅が大きいのに、個人市民税の増額が大きい。
これはまさに、役所が望む「沼津ドリーム」ではないか。そんな甘い見通しでで いいのだろうか。
市債(借金)の一つである臨財政対策債(赤字地方債)を見てみよう。
山下:国の26年度の地方財政計画では、この臨財債はH29から廃止の方針が示されているが、なぜ、H36年度までと見込むのか?
当局:H13度創設された臨財債は、何度も延長されてきたので今回も継続すると見込む。
私の見解:ある他市では、29年度以降は廃止を前提とした財政見通しを立てている。
もし廃止ならば、見込んだ174億円は46億円になる。
「取らぬ狸の皮算用」という言葉があるが、廃止するものを当てにして見込まなければや やり繰りができないのだろうか。
2014.09.25
鉄道高架事業と財政見通し NO 1
前回は、 9/25の一般質問の準備段階の事を書いた。今回はその質問の要旨をまとめてみたいと思う。
鉄道高架事業実施については沼津市への財政的影響が大きく懸念される。
昨日も市長は鉄道高架事業をやれば、財政負担などがあって、衰退するという意見もあるようだが、沼津が生き残っていくには、さまざまな犠牲を払ってもやらなければいかんと。何としても進めなきゃいけないと、その決意のほどを述べた。
様々な犠牲を払ってもやらなければならない事業。そうならば、その犠牲が何かを明らかにする責任があると思う。
やらなければならない事業であっても、現実はやれるかどうかが問われているわけですから。
「新たな財政見通しと鉄道高架事業の実施可能性について」
沼津市はH27~36年度までの10年間の財政見通しを9月に公表しました。
収入である歳入、そして支出である歳出が10年間で高架事業を含め予定されている大型事業を行っていくと、どうなるのか、その見通しの予測を今までの実績(決算)や国の地方財政計画に基づいて計画したものです。
今回の見通しを評価するならば、歳入・歳出それぞれに見積もりの甘さがあります。
つまり、歳入は多く見積もり、歳出は現状以上に小さく予測しています。
そこで新たな財政見通しで、高架事業ができるのかどうか、問題意識のもとに分析してみました。
是非、一緒に考えていただけたらと渾身の力を振り絞って取り組みました。
次回に続く
2014.09.25
9月議会の一般質問
第14回9月議会の定例会です。2期目になって14回の議会を迎えました。14回連続議会質問に立っているのは、28人議員のうち、6人ぐらいだろうか?
やはりどんな一般質問にせよ、連続立ち続けるプレッシャーは相当なエネルギーと勉強が必要である。
私の14回目の一般質問は、今やらなければならないと言う私のおかれた立場と責務から、1カ月以上前から準備をしてきた。地味な作業であるが、財政的な課題はどうしても解明をしなければならないという使命感に突き動かされてのことである。
毎日、毎日、財政資料を読み、数字を見続け、その数字をエクセルに落とし分析をしていく。その間はほとんど人と交流をする間も惜しい気がして、周囲とは隔絶状態。しかしこんなことはいつまでも続かないと思いながらもやるしかないと・・・
しかし、効率の悪さは言うまでもなく、いい仕事をする人間は、長時間労働をせず、人間13時間/1日で脳の働きは切れるらしい。
そのもっとも効率の悪さで仕事をし続けているのが私。ただ今ちょっと反省をしている。
一般質問の要旨 9/25
1・新たな財政見通しと鉄道高架事業の実施可能性について
1)新たな財政見通しにおける鉄道高架事業の評価について
2)ファシリティマネジメントの取り組みと必要となる財源の規模について
3)静岡県第4次地震被害想定の下での地域防災計画実施に必要な財源の規模について
昨日、市長は高架化推進派の議員の質問で高架実現に対してその熱い思いを語る。その記事が今朝の新聞に掲載された。
これについては私は多いに反論したいと思う。次のブログで。