山下ふみこオフィシャルブログ

鉄道高架

2014.12.14

財政見通しと高架事業等の実現可能性について NO3

当局は長期化するとなぜ言えないのでしょう?

問題点:事業の長期化による人口減少がもたらす影響
人口20万人→2040年14万人台(国立社会保障人口問題研究所)

1)事業が長期化すれば、人口減少による財政の弱体化(高齢者が増加し、納税義務者の減少)の中で、高架事業等を抱えていかなければならない。
2)事業が完成したとしても、人口減少による事業効果も減少し、その利益を享受する人が少なくなっていく。

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これらの現実を踏まえて
★★★ 事業をいったん凍結すべきと考える。なぜなら・・★★★
時代の変化
この事業は当初、国の「道路特定財源」から、平成22年度に「社会資本整備総合交付金」なり、何の事業でも使えるように一般財源化された。
それによって、道路事業等の従来の社会資本整備事業に使う予算より、防災や長寿命化など命とくらしを守るインフラ再構築」に予算がより大きくシフトしてきているのが国の方向である。


つまり、高架事業は時代の変化(昭和~平成へ)をまたいできてしまったわけで、時代の変化に応じた新たな時代に相応しい新たな判断をすべきです!

2014.12.14

財政見通しと高架事業等の実現可能性について  NO2

 2土地区画整理事業の困難さ

1)国の補助金(社会資本整備総合交付金)の内示率はどうか?
 内示率の低さがもたらす影響について
質問&答弁
・内示率が低ければ事業が長期化しないか。その分新たな財源が必要にならないか。
答弁:事業が長期化する可能性はあるが、補助金確保に努める。新たな財源には影響しない。

・事業完了の年度はいつか。
答弁:南第一地区は平成31年度、東部拠点第二地区は平成36年度

・区画整理事業は、どの自治体も今見直しがされている。その事例の把握について
答弁:他市の事例は今後必要に応じて把握していきたい。

上記の表は平成20年3月発行されたパンフレットの一部。下記の表は最近配布されているものだが、
下の表には、事業の終了年度が書かれていない。それは何故?

南第一地区:当初H14~24年度となっていたが、7年間延伸してH31年度に変更。ここは高架事業の進捗に関係のない区画整理事業であるにもかかわらず、事業の進捗状況は58.5%。予算があれば既に終了していたはず。因みに、25年度の内示率は70.5%。

南第二地区:高架事業に関連するエリアで事業認可はされていない。しかし、関連しないエリアもあるので、事業を進めることはできるはず。

東部拠点第一地区:UR(独立行政法人・都市再生機構)が施行者。既に事業は終了。

東部拠点第二地区事業の進捗は10.6。その主な事業は土地の先行取得だけ。これから進めるにしても、事業の長期化は避けられないはず。

他市の事例:上記の記事は裾野市の区画整理事業の見直し。
当初14~29年度→43年頃まで延伸。現在、事業費の縮小と計画の見直し
その理由として、資金計画通りに国からの補助金が下りず事業の長期化。
当初事業費190億円から300億円にまで膨らみ220億円へ縮小の見直し

裾野市に限らず、どの自治体も同じような事例は数多くある。
このように区画整理事業は時代の変化と共に、人口減少や超高齢化社会が進展する中で、成立が難しい事業であり、これからの沼津市の事業の困難さが充分考えられる。

2014.12.13

財政見通しと高架事業等の実現可能性について  NO1

 12/4(木)私の一般質問の順番は一番。
傍聴に来て頂くにも、順番の時間が予測できないと、なかなかお知らせをしにくいものです。折角来て頂いても、今回のように翌日になってしまうこともあります。近隣市の場合、質問と答弁で1人1時間に区切っているので、傍聴時間の目安がつきやすく、傍聴者配慮の議会運営になっています。

今回の私の一般質問は、やはり財政問題 !
前回は一般財源について議論させてもらったが、今回は何と言っても「特定財源」について。
その主なものは国の補助金である「社会資本整備総合交付金」の行方。
この補助金の安定的な確保がなければ、高架事業を始めとした区画整理事業、道路事業も進んでいかない。

そこで、前回に引き続き、国の動向や社会経済状況を分析していく中で、その財政見通しを質した。

1・特定財源の見通し
高架事業を含む駅周辺整備事業の財源=
国の補助金(事業費の50~55%の補助率)+ 県費 + 市費(市費のうち90%は起債)

1)国庫補助金(社会資本整備総合交付金)の推移(内示率)
事業費の半分は国からの補助だが、この内示率が縮小傾向にある。
(この補助対象の事業は、道路分野に補助されるもので、高架事業は道路事業の一環である)

下の図を見てわかるように、沼津市が毎年要求している額よりも内示率は縮小。
事業計画はあってもその分の補助金が来なければ、事業を縮小するか、延期するしかない。つまり、工期は補助金によって、とてつもなく長期化する可能性がある。

下のグラフを見ると、国の公共事業自体が、ピーク時の1/2以下になっている。つまり少子高齢化によって、ハコモノ事業費を縮小せざる得ない現実がある。

下のグラフを見てもわかるように、労務単価があがっている。つまり、公共工事費が当初の計画よりも拡大傾向にある。その上、資材高騰もその要因になる。

上のグラフを見ると、国の道路事業費が年々減少している。これは、地方においても同様である。

2014.12.04

【動画】 沼津市議会定例会 一般質問 2014年12月4日

平成26年11月定例会・一般質問(12/4)
鉄道高架事業の長期化 3つの論点

  1. 国からの補助金「社会資本整備総合交付金」は縮小傾向にある。
    単年度ごとに予定した国の補助額が縮小すると、事業規模を縮小せざる得なく、
    事業が延伸し長期化する。
  2. 事業が長期化すれば、人口減少が進み、
    税収減による財政の弱体化2040年14万5100人(国立社会保障人口問題研究所)
  3. 関連する区画整理事業は、時代の変化と共に、
    人口減少や超高齢化社会が進展する中で成立が難しい事業になっている。
    どの自治体も長期化と事業費増大で見直しが始まっている。

『新たな時代に相応しい新たな判断をすべき!』

例え事業を進められたとしても、長期化せざる得ない幾つかのハードルが、
社会経済の変化と共に新たな問題として浮上している。
当初の計画以上に途方もなく長期化する可能性が大きくなってきているのが
昨今の状況である。
私は事業をいったん凍結すべきと考える。
何故なら平成18年に事業認可された高架事業は、
当時とその環境は大きく変化している。新たな時代に相応しい新たな判断をすべき!

2014.09.27

鉄道高架事業と地震津波対策の財源 NO5

 静岡県第4次被害想定における沼津市地震津波アクションプランについて

 山下: 地震津波対策は莫大な費用がかかると思うが、その対策における費用は全体計画でいくらぐらいか。             また今回の財政見通しにどのくらい含まれているのか。

 当局: アクションプランは市民の命を守り、安全安心な暮らしを守るための行動目標であり、事業費でな                 く、個々の事業量の数値目標を示したものである。

 私の見解: 防災対策は最も優先して取り組むべき対策であるのに、事業費の積算は行っていないとは極めて                  残念。今回の財政見通しには事業費は見込んでいないなければ、どうやって市民の命と安全を                    守れるのだろう。高架事業どころの話ではない。

私のまとめ

今回の財政見通しから見えてきた4つの問題点がある。
1)甘い財政見通しの下での財政計画で、本当に高架事業が成立するか否か。

2)投資的経費に充てる一般財源が現状の半分になり、その補てんを市債で充当すれば、その元利償還に一般財源を充てることになり、その額はもっと縮減され投資的事業は大幅に圧縮される。

3)ファシリティマネジメントは今後、財政的負担が明らかになるわけで、この財政見通しには含まれていないなかでの高架事業優先はありえない。

4)地震津波対策は最も優先的に行われなければならない。にもかかわらず、財政的裏付けを講じていない姿勢は批判を免れないだろう。

 結果

★★★ 鉄道高架事業は財政的に不可能である。★★★

・鉄道高架事業を優先するならば、まずはファシリティマネジメントや防災計画についての財源確保のための財政計画を策定すべきである。

・市民にどんな犠牲を強いらなければならないのか説明すべきで、それを持って初めて、説明責任の履行と言うことになるのではないか。

・説明責任を履行して、初めて鉄道高架事業の成立の可否、または妥当性を市民が判断することができるのではないか。

{一言}
NO1 ~NO5まで読んでいただきたいと思い、今回の一般質問をまとめてみました。
財政的負担の大きい鉄道高架事業が、何故、市民生活の安心や安全以上に優先される事業であるのか私にはわからない。
今回の財政見通しを分析してより一層その思いを強くしました。
時代は新たな局面を迎えています。
どうぞ、これが市民の皆様に沼津の将来を考える一石になればと願っています。

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