山下ふみこオフィシャルブログ

財政問題

2017.02.02

第23回地方×国 政策研究会at参議院会館

2/28目)参議院議員会館で2017(H29)年度の地方財政計画を国の職員からの説明を受け、その動向を読み解く。地方自治体の29年度予算の一定部分が明らかになり、2月17日から始まる予算議会において、自分の自治体の方向性を読み解くことが可能である。
2月の予算議会を前に、この研修会は情報収集と理解を深めるためには必須である。
増え続ける社会保障への対応、投資的経費の減少、公共施設等の適正管理、地方の財政以上に厳しい国の財政状況、国の職員も臨在債は赤字地方債と言いながら、一般財源確保のためにこれに頼らざる得ない状況を説明する。
昨今、自治体議員の研修費は非常に高くて、1講座、15000円はざらである。この自治体議員政策情報センターの研修は10:00~16:00まで会費は2000円。本当に意義ある中身の濃いハードな時間である。

参議院2
参議院3
参議院

2016.12.20

沼津鉄道高架の関連記事

12/17(土)静岡新聞に「県知事が反対地権者と面会」記事が掲載。秘密の面会ということだったらしいが、掲載された写真は知事が玄関口に片足をかけている。この状況からすると秘密ではなく、既に新聞社には知られているわけで、何のための面会だったのか?
記事には「原点に戻っての話し合いをしただけ・・・」とある。既に反対地権者は県と国を相手に訴訟を起こしている。今更、高架化の原点とは何か?(新聞記事をクリック→拡大)

知事

大沼市長は高架化の検証をするという。今はニュートラルと言っているがいずれは判断せざるえないし、沼津市の停滞を招いている状況は、前市長が敗戦の弁で語った「高架事業があるがために充分な他の事業が展開できなかった・・・」という言葉に尽きると思う。
市民が要望をするために市の窓口に行くと、まず「お金がありませんから…」と言われるというが、まさにその元凶が私は高架を含む事業だと思っている。
高架本体工事が何も進んでいないにも拘らず、沼津駅周辺総合事業の土地区画整理事業や促進用地の買い戻しでアップアップしている。
だから市民は感じている。「財政は大丈夫?・・・そんな訳ないだろう」って。
大丈夫だという議員がいるとしたら、よほど市民に心配をかけさせないためのものだと思う。
日本の国はもとより、地方財政が今どんな状況にあるのかを勉強している議員にとって、沼津だけは特別だからなんてことはあり得ないから。
沼津朝日新聞に12/13、15、18と掲載された記事を以下に添付(記事クリック→拡大)

こうか
ひろ

2016.10.27

10月議会”27年度決算の審議”NO3

NO1,2と財政の課題について話してきましたが、さらにもう1つの問題点「臨時財政対策債(臨在債)」があります。

臨時財政対策債地方交付税の交付原資の不足に伴い、地方交付税に代わる地方一般財源として発行可能となった特例的な地方債であり、赤字地方債ともいう
借金総額は減少しているが、臨時財政対策債が増加している状況は健全だと言えるのか。

-------------沼津市の27年度の借金残高---------------
特例債合計 29,777
百万円 ① (臨時財政対策債、退職手当債等)
事業債合計 42,742百万円   (土木費、消防費、教育費等)
-------------------------------------------------------------------
借金残高  72,519百万円 ② 
①÷②=41.1% 特例債
の占める割合 (26年度40.0%)

H25年から借金総額は減少しているが、特例債の占める割合は41%にもなり、事業債との割合が半々に迫ろうとしている。
地方財政法第5条の特例、すなわち特例債は借金として適切ではない。
適債性のないものが40%以上にも増加しているのは、国による財政政策の表れとはいえ、その歪みが拡大している。
本来なら臨在債に頼らない持続可能で自律的な自治体経営の確立に努めるべきである。
(↓下記の表が沼津市の26,27年度の借金残高(表クリック→拡大)

りんざいさいnew

県民負債、1人95万円に増 2015年度の静岡県

静岡県の借金について県は率直に臨済債について述べている@S[アットエス] by 静岡新聞 10/25(火) 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161025-00000004-at_s-l22
通常債は減少しているにもかかわらず、臨時財政対策債(臨財債)が大幅に増加したことが要因。県財政課は「地方交付税で措置されるべき財源を臨財債で賄う国の地方財政運営方針の矛盾が表れている」とし、国に対して臨財債廃止を求めていく必要があるとしている。
---------------------------------------------------------------
臨在債を国が示す発行可能額いっぱい一杯に借りている状況は一般財源の確保に汲々となっている状況ではないのか。交付税措置されるとはいえ、借りても借りなくても計算上は交付税措置の対象になるわけで、なぜ臨在債を発行可能額いっぱいに借りなければならないのか?
発行可能額の全部を借り入れて一般財源を何とか確保しようとしなければならない状況がうかがえる。税収の一般財源の90%が経常的経費にとられ、投資的経費に充てる一般財源を縮小せざる得ない状況・・・これで財政が大丈夫だなんて言えるのか!

他の市町では臨在債の発行抑制と繰り上げ償還を行って、後年度への負担を先送りしない財政運営をしているところさえあるにも拘らず、沼津市は臨済債でやっと息をしている状況といっても過言ではない。


2016.10.25

10月議会”27年度決算の審議”NO2

NO1で一般財源に占める投資的経費が20%以上から半分以下になってしまっていると説明をしました。道路、橋、学校等の公共施設や災害復旧事業等が、できにくい環境になってきているということです。
税収が伸びなければ、投資的事業に充てる財源も縮小せざる得ません。つまり事業を先送りしていくしかないでしょう。そしてさらに投資的事業を成立していくための厳しい状況があります。

★★国からの補助金:社会資本整備総合交付金の減少★★
投資的事業の財源構成=国(補助金1/2)+ 借金 +一般財源 (主な構成)
この社会資本整備総合交付金が減少しています。つまり、事業をするには国の補助金が予定通り来なければ、事業を縮小し、残りの事業を次年度に先延ばしにしなければなりません。

社会資本整備

←この表は沼津市が予算要求をしたときの
社会資本整備総合交付金交付金
予算額と実際の内示額は大きく減額されている。
特に、社会資本整備総合交付金の内示率は低い

27年度は59.9%と前年度より12ポイントも減少している。

社会資本整備総合交付金2

←H25~H28の社会資本整備総合交付金の推移(国交省提供)
国の予算額自体、つまり国の政策自体が、防災・安全交付金にシフトしてきている。
この表はH25年度以降は、社会資本整備総合交付金のうちの防災・安全交付金により老朽化対策、事前防災・減災対策などの安全確保の取り組みを集中的に支援するという状況ある。
総額的には変わらないが、予算配分は、より防災・安全交付金に厚くなってきている。

★★ 鉄道高架事業への影響とは ★★
この補助金は鉄道高架事業も同じものです。長期にわたって事業を行うにも、国の補助金が要求額通りに来ればという前提です。補助金が要求通りにこなければ、事業は次年度に先送りされます。そうやって鉄道高架事業が最短で15年と言われていますが、決して確約されたものではないということです。

27年度は義務的経費(人件費・扶助費・借金返済)を含む経常的経費(行政活動を行うために必要な固定経費)が増加傾向にあり、それによって投資的経費がさらに小さくなってしまった状況は、財政の収支の硬直化がさらに進んだと言わざる得ない。

義務的経費と一般行政費004
義務的経費の内訳002

特に特筆すべき27年度の状況は、突如の大型事業の計画変更です。
ごみ焼却施設等の中間処理施設の目途の立たない延期と市民体育館を含む香陵公園周辺整備計画の変更です。このような大型公共事業が成立しにくい財政環境が露呈したということです。

確かに投資をしなければ借金は減り、財政数値はよくなるが、課題の先送りをしていることになるわけで、財政の健全性が損なわれている状況と言わざるえない。
これから、公共施設マネジメント計画の実施について、今後多額の財源が必要になる中で、特に学校の老朽化がひどく、築46年以上の施設の延べ床面積の6割以上は学校教育施設であるということをどう考えているのでしょうか。
沼津市の言うように税収は高齢者や女性の社会進出でどれだけの税収の増加を見込んでいるのか。
現実は国も地方も、財源不足が深刻化し、税収が伸び悩んでいく中で、一般財源等を財源とした支出を、従来同様に今後も確保し続けていくことは大変難しい時代になり、沼津市の裁量の余地はますます縮小傾向の時代に入ったということです。
時代性を見据えた財政運営を行っていかなければならない厳しい時代に入ったということを、もっと深刻に受け止めるべきだと思います。

2016.10.23

10月議会”27年度決算の審議”NO1

「沼津市の財政の動向と見通しについて」
私の一般質問でのやり取りや一般会計決算委員会の状況を踏まえて、沼津市の財政状況が本当に大丈夫なのか、27年度決算審査が終了したなかで私の意見を述べようと思います。
沼津市の財政のイメージとは?
何をもって不健全とするのか?なぜ不健全になるのか?今後の人口減少とどうバランスさせるのか?
財政状況が良いか悪いかは、町の行政運営がいいかどうかとは別の問題です。
つまり、投資をしなければ、財政の数値はよくなります。でも、やるべき事業をやらなければ、それは課題の先送りをしていることになります。
財政状況がいいというのは、収支のバランスがとれていること。不健全とは、その収支のバランスを崩したことをしたから。いい行政サービスができなくなって先送りをすること。
27年度は、ごみ焼却施設の無期延期と新体育館の計画変更はまさしく、問題の先送りと言われても仕方がない。

では沼津市の財政状況を長いスパン(S60~H27)で見てみよう。

一般財源
市民税と固定資産税

27年度の歳入の根幹となる市税は前年度より8.6億円減。
一般財源の主な税収だけピックアップ。

固定資産税:評価替えの年であり、既存家屋の経年劣化や新築等の増が見込めず2.2億円減。
個人市民税:前年度の軽減税率廃止に伴う駈込み需要増の反動と所得割納税義務者が793人減で3億円減。
法人市民税:税制改正で税率引き下げにより2.7億円減。
納税義務者は毎年減少し、事業所数も同様で企業収益は依然として厳しく、リーマンショック前には戻っていない。

財政部長答弁:(税収の減は)「今後、高齢者や女性の社会進出により、こうした状況が変化してくる」というが、あまりにも楽観的で事の深刻さを認識していないと反論したが、同じ答弁を昨年も財政部長がしているということは、こんな答弁をさせてしまうほど馬鹿にされているんだと思うと自分が情けない・・・

義務的経費と一般行政費004

歳出について
財源確保について優先的な順位とは、経常経費の中の義務的経費・次にそれ以外の一般行政費、残りが投資的経費に充てられる。
27年度の一般財源に占める経常経費は89%、残りの11%のうち、投資的経費に充てられるのは6.8%しかない。
事業の優先順位は高架事業が一番!これを15年間かけてやると、どういうことが起きるの?
(グラフ↑)

投資的経費(普通建設事業・道路橋梁事業・災害復旧事業等)
平成の当初は90億円台〈24%/一般財源合計)ぐらいだったのが、ここ3年ぐらいは30億円台(7%/一般財源合計)にまで縮小。つまり1/3にまで投資的経費に占める一般財源は縮小し、27年度は6.8%にまで縮小している。
その上、これからもっと深刻な公共施設の老朽化対策です。この6割以上は学校施設関係。これらの問題を先延ばしにしなければ、高架事業と同時には不可能です。

H4まで90億円台あった投資的経費が、今は30億円でどうやって維持更新をしていくのか、お先真っ暗。
この状況こそが投資的事業が成立しにくい財政環境であり一般財源の収支の硬直化がさらに進んでいる。

扶助費(生活困窮者、介護、障がい者等に生活を維持するための経費)
H4までは30億円台が40億円台まで増加。H25から投資的経費より、扶助費のほうが大きくなり、すでに一般財源構成が逆転してしまっている。

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