山下ふみこオフィシャルブログ

2017年04月

2017.04.29

なないろの風・春研修NO2

焼津市の取り組みが全国から注目を集めているのは、CKD(慢性腎不全)発症予防に、受診率を上げることが、医療費の軽減につながる最大のポイントだと分析。
例えば、袋井市の受診率が毎年52%以上で、県内NO1を維持し続けている。
それは20~30年前から精力的に袋井市や藤枝市は政策的に取り組んだ結果、自分の健康は自分で守るという文化が生まれたという。
1人当たりの焼津市と藤枝市の1人当たりの医療費の差は7万円
焼津市の75歳以上の人口17000人×7万円=総額12億円の差
つまり、焼津市を含む特定受診率が低い自治体は高齢者の医療介護費が多くなる実態をつかむ。

★★受診率を上げるためのポイント★★
〇県内の特定検診受診率1人当たりの医療費と介護費一覧表
〇焼津市内の地区別(自治会)受診率一覧表
〇市内の各医療機関別の受診率一覧表

これらをデーター化し、現場の実態を常に資料化して、自治会や医院にその実態データーを共有することで、地区ごとの競争意識や予防する意義を説明して協力が得られるように働きかける。
さらに自治会別に受診率の低い自治会に対して全戸訪問をし、健診を受けることをお願いして回る。

1軒1軒を訪問することで、虐待やひきこもり、精神障害の事情等、健診に行けない家庭の事情を知ることにもなり、地域における課題を把握することにも繋がってきているという。

☆☆課題☆☆
医療機関との連携が何よりで、いかにかかりつけ医師の協力がえられるのか、諦めずに働きかけていくことだという。

感想:
本当に現場を隈なく廻るこの焼津市の保健師たちの一丸となった取り組みがあるからこそ、全国から注目された要因だと思うが、なかなか真似ができるものではない。
しかし、全国で注目される自治体の視察に行くと、そこにはスーパー公務員が必ずいることに気づかされる。因みに、説明をしてくださった保健師は30年以上そこに在籍しているエキスパートである。

↓受診率の一覧表

焼津地区
焼津地区別1

2017.04.28

なないろの風・春研修NO1

女性議員を増やす会「なないろの風」の春研修が4/26焼津市議・秋山さんのセッティングで行われた。焼津市が目玉とする「保健師による透析予防の取り組み」「消防防災センターの視察」

まずは全国が注目する焼津市独自の透析予防の取り組みは、何と言っても「スーパー保健師」の活躍であった。特定健診の受診率が県内35市町のうちワースト10入りを毎年繰り返している焼津市(37.0%)にいったい何が起こったのか?(ちなみに沼津市(37.3%)も,毎年県内受診率平均(27年度37.6%)を下回っている)
職員の説明を聞いていくうちに、やはりそこには現場を駈けずり、戸別訪問をしている職員の姿があった。
特定健診・未受診者の家を年間3600件の家庭訪問を15人体制で隈なく回っていた。
保健師さんたちを動かしたその要因の一つには、焼津市立綜合病院に腎臓専門医が来たのがきっかけだったという。

なないろ1
なないろ4

市・医師会・病院のトップの定期的会議に健康増進課は「特定検診で発見されたCKD患者(慢性腎臓病)の診療の仕組み(フロー)」を提案。
3者が協力して「予防のための仕組み」「病診連携」を創設。
1・慢性腎臓病(CKD)の新たなる保健指導の発症予防、早期発見、重症化予防
(特定検診の尿検査と血液検査でその基準値が低下している場合、患者の受診状況や早期治療を促す取り組みを構築)
2・特定健診未受診世帯へ保健師の徹底した家庭訪問による指導
その中で、新たな検査をして、今まで見落としていた人を腎臓内科へ紹介(病診連携)
平成27年度・150人 平成28年度・30人

このように受診率を高めることが早期発見、早期治療により、医療費の軽減を高めていく。(↓クリック図拡大)

団塊の世代

腎臓人工透析の医療費1人当たり500万円/年間 
H15からだと透析患者は10倍に増加。今では毎年40~50人ずつ増加しているという。
上の図からも2025年は団塊世代が75歳以上に突入する。そういう点からも今後、医療費にかかる市町の負担は否応が上にも増加していく。

特定検診の受診率を高めることの意義→医療費の軽減
特定検診から始まるCKD患者の早期発見につながる取り組みは、医療費が増加し続ける中で、究極の水際作戦である。
どの自治体も受診率を上げるための方策を練っているが、効果は上がってこない。そこで、焼津市が考えた秘策があった。
つづく

2017.04.27

香貫山頂のしだれ桜復活

昨年4月に、香貫山の山頂にある大きなしだれ桜が元気がなくなっているというSOSから、造園家の羽切さんにお願いをして診ていただく。
それから1年間、羽切さんの助言を受けながら、香貫山影奉仕の仲間が毎日、山頂に上がるたびに手入れをし、見守り続けてきたしだれ桜が今年見事に花開く。
その間、しだれ桜の根を踏まれないように大きく柵を張り巡らし、多くの方々にご迷惑をかけました。狭い公園にそこまでして桜を守り続けてきたので、何とか今年、桜の花を咲かせなければとみんなで願っていました。

さくら5
さくら1
さくら7
さくら3

とうとう1年後、見事に復活し花を咲かせました。
協力をしていただいた造園家の羽切さんをはじめ、香貫山の皆さんの地道な作業のおかげです。
一時はどうなることやらと気を揉みましたが本当に嬉しい。手塩にかけて皆が見守ってきました。
これからも大切にしていきましょう。

さくら

2017.04.08

地方議会を考える

4/7静岡新聞に「豊洲問題の教訓」というタイトルで元・総務大臣でもあった片山義博さんのコメントが掲載されていた。
片山さんは「豊洲に決める前に都議会はもっと議論すべきであり、そこを買うかどうかを決める前に、きちんと検証してこそ議会の意義があり、その段階で問題が見つかれば後戻りができたはずである。」という指摘である。
地方議会の役割とは:執行部が提案した議案を執行部の説明だけを頼りに可決成立?
都議会は、当時、市場長や都の執行部の説明を素直に受け入れるだけではなく、その説明が正しいかどうかの裏取りを怠っていたということ。その労を惜しんだことが、その後の都政混乱の大きな原因になった。なぜ、あの時に裏取りをしておかなかったのかと、指摘する。

沼津市議会において、私が議員になって10年の間で、執行部が提案した議案において可決成立しなかったことがあっただろか?
少なくとも、私たち未来の風は反対した事は多々あったが、すべて多数決のもとで可決成立したと記憶している。(記事↓クリック拡大)

片山義博

片山さんは、この混乱からいくつかの教訓を示している。
★★教訓★★
議会は知事ら執行部による説明の裏を取る必要がある。
(しかし、議会は提案された議案を執行部の説明だけを頼りに可決成立させている。)
執行部の案を第3者や専門家の目を通して点検し、間違いや勘違いを見つけ、他のものより優れた案に変える。
(それが、議会の大切な役割と認識してほしい)

以上のことは、沼津市議会においても当てはまること。私たち議会人として、片山さんが言うように「東京都議会の失敗を他山の石として」、地方議会の大切な役割だと改めて認識した次第です。

そうでなければ、執行部の提案した議案を可決するだけだとしたら、議会は無用の存在となり、市民の言う、「議員をもっと削減し、経費節減をすべきである・・・」と、言われかねない。

以前にも触れたと思うが、議会の最終的な可決成立は多数決であり、その方法が民主的手続きの方法であることは間違いないことです。
しかし、多数決の力さえ獲得すればどんなことでもできるということになると、多数の勢いに生じて1つの政治決定や方針だけが、絶対的に正しいということになってしまっていないだろうか。
一切の反対や批判を封じ去って、反対をする人たちこそが悪だと仕立て上げていないだろうか。

今回の片山さんの「地方議会の役割」として指摘されている背景には、「都議会の多数の横暴」があったからではなかったのか。多数決を制したからと言って、正しいとは限らなかったということです。
多数決による横暴が、今回の都議会の混乱要因ではなかったのでしょうか。

多数決は民主的手続きの方法ではあっても、少数派の意見にも十分耳を傾けることや、多数決による結論に至ったとしても、その結論に対する検証作業も同時に欠かせない事であるということ。
片山さんが指摘するように、地方議会においてもその検証作業は往々にしてされす、執行部の説明をもって是としていないだろうか。

多数決論理が横行すると、少数派の意見は無視されてしまうことは、民主主義自体が機能せず、独裁政治に至る危険性もあると、私たち地方政治にかかわるものとして常に自覚すべきだと考える。

沼津市の高架化問題はまさしく都議会と同じではないだろうか。この事業が都市計画決定されてから、10年以上が経過しているにも関わらず、事業費や事業効果、人口問題、貨物輸送や交通量調査等の再検証が第3者や専門家にされずに来ている。
市長が公約を翻す結論に至る前に、検証作業が必要であったし、市長ができないのなら、議会で検証作業をすべきだと言うべきではなかったのだろうか。

都議会の二の舞になる前に、まだ後戻りして、検証する時間は残されているのだから。
都はそこに6000億円もの巨額を投じ施設の建設を終えている。しかし、沼津市の高架化の本体工事は何も始まっていない。

2017.04.08

こども医療費無料化を考える 

沼津市は29年度10月から、0歳児~高校相当年齢までの医療費を無料化にする。県内35市町で中学生の医療費無料化は12市町、高校生までは沼津市を含めて2市2町(沼津市・御前崎市・西伊豆町・川根本町(高校生は償還型))となる。
29年度・当初予算において子ども医療費拡大について十分審議がなされたのだろうか?
私の反省も込めて、再度自分なりに考えてみたい。

医療費の拡大によって、28千万円の一般財源の加算となり、子ども医療費の総額は85千万円、そのうち7億円は市の単独費となる。〈今年度は10月から執行のため30年度以降を前提に考える)

無料化にすることは、限られた一般財源(主なものは市税収入)を減少させ、他の何かの行政サービスをあきらめなければならないことにもつながる。

国は子どもの医療費を減額している自治体に対してペナルティーを!
少子化対策に有効だといわれ無料化する自治体が増えるなか、国は交付金(国・県調整交付金)の「ペナルティー」を科している。沼津市の場合、29年度の国保への影響は約2020万円減という。
(内訳:療養給付費等負担金1300万円+国・財政調整交付金360万円+県・調整交付金360万円)
何故ペナルティ?
無料にすると患者が増え、医療費が増える。そうなると、医療費を無料にした自治体に国は補助金を多く支給することになり自治体間で格差が生じ公平にはならないから、医療費が増えるようなことはよくないということで減額措置をしている。しかし、国は30年度以降は未就学児までの無料化は減額措置はしない方向を検討中)

貧困による受診抑制の問題
日本では17歳以下の子どもの6人に1人が貧困状態というなかで、貧困ラインは平均所得の半分以下(122万円)で、それに満たない所得層の子どもが6人に1人、300万人以上いるという。
そういう家庭の子どもが医療機関に行かない受診抑制が問題になっている。

医療の無料化は自治体のサービス合戦になっている現状は安易すぎないだろうか?
医療費を無料化にする、そこだけにシフトするのはなぜか?それが子どもの育つ環境に貢献していくのだろうか?そこに普遍的な価値を見出せるのだろうか?

 総務省が公表した28年の人口移動報告では、沼津市は転出超過の数がまた県内で最多だったという。
その中で、無料化は選挙公約であり、いち早く実施に踏み切った。
(一覧表↓クリック拡大)

子ども医療費無料化

静岡県の35市町において、いずれの市町も通院・入院にかかる医療費は、保護者の所得制限はない
しかし、これに対して、所得制限を設けているところの自治体もある。
たとえば、横浜市では、無料になっているのは小3まで。所得制限がないのは0歳児だけと聞いている。その中で保護者の所得が一定額を超えて受けられない家庭は4割を超えているという。

こうした所得制限を設けている市町は全国で369にも挙がっているという。やはり、財源の確保が難しいというのが一番の原因。
一旦、福祉助成の枠の拡大を設けると、これはどんなことがあってもやめるわけにはいかなくなる。ソフト事業とはいえ、ハード事業同様に経済状況が変わったからと言って、安易にやめるわけにはいかなくなる。

今回、私は自戒を込めてきちんとした多面的な検証を行う必要性がもっとあったのではないかと反省をしている。
長期的に考えれば、大きな財源を要する難しい問題を抱えている事業と言わなければならない。

今回、高校生までの拡大と500円負担を撤廃したことで、約3億円の持ち出しになる。単年度で3億円というが、これはよほどのことがない限り延々と続く事業である。
例えば、一般的にハコモノ事業をする際に、
財源内訳:国1/2+県1/4+市1/4で、(20年間の償還期間)とすると
市負担:3億円×20=60億円 + 県負担:60億円 + 国負担:120億円 =総額240億円

つまり、単年度で3億円の持ち出しをするということは、ハコモノ事業で240億円の事業を20年間かけてやるということにも匹敵する。沼津市で言えば、事業費自体の大きさは「ごみ焼却施設」と同じぐらいの大きな事業であるということ。
これが延々と続くことにもっと慎重にならなければいけなかったのではないかと思う。併せて本当の意味での子どもに対する平等性を考えるのならば、せめて、所得制限を設けるべきではなかったのか・・・

本当の意味で!!
安心して子育てできる環境を整えることでしょう。働きながら子育てができるように保育所の待機児童の解消や急病等のどんな時でも医療を受けられたり、病児保育の充実等問題は山ほどあるわけで、もっと当事者との対話を十分すべきではなかったのか・・・

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