山下ふみこオフィシャルブログ
まちづくり
2020.10.22
令和元年度のイーラde経営状況
再開発ビルイーラdeについては前々から市民の方々からの質問があり、今回一般会計の委員会において「沼津まちづくり株式会社」の経営状況について質した。
経緯について
H15年4月沼津市・地域振興整備公団・地権者等の出資により設立された第3セクター。
総事業費128億円
資本金23億円(沼津市は12億9350万円出資)
H20年度開業以来赤字で、H24年度には累積赤字2億6千万円を超える。
H25年度に資本金を1億円に減資し、年間500万円の節税になり、財務体質の改善を図る(無償減資)
(つまりこの時点で出資金は赤字(2.6億円)の埋め合わせに回し、何としても黒字化必達へ。経営改善として、資本割れの状態を戻し、財務健全化体制を作るためにも減資は必要だったと思われる。当時、赤字補填のために、減資する第3セクターが話題になっていた。)
まちづくり会社の出資比率:
沼津市56.24%、独立行政法人中小企業基盤整備機構43.48%、スルガ銀行0.22%、宝不動産0.04%、石井組0.02%
令和元年度H25年度に減資して初めて、当期純損失は690万円で7期ぶりの単年度赤字になった。
★★イーラde管理運営経費について★★
Q:令和元年度の管理運営に係る負担金(修繕、運営委託費、保険料)は?
市の負担総額6500万円の内訳:商業床2900万円(共有:市負担68.16%+10名の権利者)、駐車場床3600万円(共有:市負担32.88%(27.88%?)+まちづくり会社)負担金は其々の負担割合により応分負担
(因みにH20の負担金4600万円→R1は6500万円年々増加していることに懸念)
Q:駐車場の負担額が増加した理由
H30年度から駐車場の管理事業者(NPC)と契約の変更。固定だった駐車場の賃料(歳入)、管理費負担金(歳出)が変動制となり収益が上がる。
(駐車場の収支H26▲2300万円、H28▲3000万円、H30▲1300万円、R1▲1400万円と赤字幅は徐々に縮小傾向だが依然として赤字である。今後、駐車場利用台数の推移はコロナ禍の影響で減少傾向が予測される)
Q:沼津駅周辺総合整備基金への繰出金について
イーラde建設時に基金からの貸付金40億4千万円を毎年返済。R1年度の残高4億8300万円
返済計画はイーラde開業から19年間(R8)で完了予定
R1年度:1億8500万円(市の商業床と駐車場床の貸付収入)ー6500万円(市の負担金)
=1億2000万円(基金への返済)
★★まちづくり会社決算について★★
総務省からH26年8/5に第3セクター等の健全化に対する指針が策定。「地方公共団体は、議会、住民に対して第3セクター等の経営状況について十分な説明と情報提供を行い、理解を得られること要請する」とある。因みに沼津市への借入金を返済するための繰出金は、イーラdeつまり「まちづくり会社」の経営状況に左右される。
Q:まちづくり会社の決算が7期ぶりの赤字の要因について
R1中に4テナントが退店し、2件が出店で前年度比922万円の減益。
駐車場は10月の消費税増税や3がつのコロナ禍の影響で台数が減少し、前年度比28万円の減益
その結果:まちづくり会社の当期純損失690万円の単年度赤字
Q:留保している利益について
H30年度末は7,393万円、R1年度末は690万円の赤字を差し引いて6,702万円が利益剰余金として計上
Q:今後の経営改善に向けて
ららぽーと開業によりイーラdeを取り巻く環境が厳しくなっている。コロナ禍によって、収束が見込まれるまでは店舗賃貸事業・駐車場運営事業は厳しい状況が続くと考えている。今後はこれまでの商業に特化した経営計画からビジネス系機能の導入なども検討していく必要があると考えている。
2020.05.30
我入道と造船所
狩野川河口の左岸側に位置する我入道。漁村の雰囲気を残すこの地は、文学者、芹沢光治良が生まれ育った場所でもある。
私が中学生のころ、芹沢光治良の「人間の運命」を貪るように読んだのが、芹沢光治良を知るきっかけで、多感な時期に彼の作品に出合い、中学生のころは勉強もしないで、よく彼の作品に夢中になったことを今でも鮮明に覚えている。だから、私は我入道のことが気になるというか、此処に住む人たちのよそ者を受け入れない頑なところはあるが、実は情に厚い人たちである。
今日は狩野川河口にある魚市場の対岸の造船所に行ってみる。ちょうど我入道の先端にある。昭和26年からの造船所は、かつては水上バイクやレジャーボート等の保管もしていたらしい。こんなに便利なところにあり、そのすぐ近くには、海水浴客でにぎわっていたという遠浅の海が広がっている。ボートをもっている人たちにとって、此処は最高の場所かもしれない。
かつては海の家もあって賑わっていたという我入道の海岸。此処は中心市街地から車で10分ほどで来てしまう天然の海岸線で遠浅の海は、干潮時はずっと沖の方まで砂浜が続く。駿河湾の向こうには夕方になるとサンセットが美しい。
延々と続く遠浅の海岸を何故海水浴ができる浜辺にしないのだろうか。何とか、此の浜辺をかつての海水浴ができるようにできないだろうか。既に水の設備はあるというし・・・
そして駿河湾の左側には魚市場があり、その先には富士山が見えるが、今日は残念ながら雲に隠れてしまっている。
我入道海岸の近くには八幡神社が祀ってある小高い山があり、そこからみる360度の景観がまた美しい。
この小さな山は、海底火山の噴出物が堆積してできた山(不動岩)だという。狩野川の河口に鎮座している八幡さんは69段の階段を上って神社に到着。今では我入道の地元の方々の氏神様として、地域の安泰と発展のため、また家内安全・盛業繁盛のために祀られている。
八幡神社の隣には不動尊が隣り合わせにある。ネットで調べてみると、「無病息災・家内安全・大漁祈願等の祈願をします。午後6時半から護摩神事、午後7時から火渡り式を行います。 火渡りとは、清めた塩山を踏み、熱した炭を敷き詰めた上を裸足で歩くことにより、浄化、治療、身を清める修験道の行法のひとつです。」と書かれている。今でも行われているのか、今度、地元の方に聞いてみよう。
↓ 八幡神社 ↓不動尊神社
地元の漁師さんは此処から船を出して漁に行く。此処ではよく太刀魚が釣れるらしい。
毎朝漁が終わるとここに漁師さんたちや地元の方の寄り処になっていて、此処での会話がまた楽しいひとときである。
釣り船も此処からお客さんを乗せるし、我入道の渡し船の船着き場もこの近くにある。
2019.12.22
フラッシュモブ in 仲見世商店街
今日は仲見世商店街でステキなX'mas イベントがあった。「フラッシュモブ」ってまさか私が当事者体験するなんて本番まで想像つかなった。沼津交響楽団の演奏に合わせて一緒に第9を歌うなんて。どれみ合唱団の一員ということで参加したのだけど。沼響の生演奏で歌えるなんて、ないないない事で、貴重な体験でした。そして行き交う人も足を止めて、聴いて下さったり、一緒に歌って下さったり、最後は「ブラボー」って声がかかったり、此処はどこ?って思わせるような雰囲気。こうして日常的に身近に生の音楽があるっていいなぁって思う。
フラッシュモブの始まりは2003年のニューヨーク。
ちょっとした悪戯で「不特定多数の人に同じ時間、同じ場所でメールで呼びかけたら一体どんな事が起こるのか?」このいたずらが「意味はないけど、何だか面白そう」ってことがきっかけだったとか。
演奏が終わった後は、どれみ合唱団の出番です。前の沼響と大違いですが、素人満載の雰囲気に、助っ人が途中で入って下さったり、これなら私もできるかも?って思って下さったのか、入部のオファーを受けたり、ステキなサプライズが満載でした。仲見世商店街がステキなX'mas満載のプロムナードになっていました。
沼津朝日新聞12/26掲載
2019.11.01
第2回空家等対策協議会
超高齢化社会や人口減少時代を迎えている今、居住者や管理者がおらず放置されている空き家の増加が問題視されている。空き家の情報収集や利活用・除却を促すには法制度や財政上・税制上の課題が多く、国が法的根拠を示して自治体の施策を支援することが必要。
そこで2014年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が議員立法によって成立し、2015年2月に施行、5月には立入調査や指導・勧告・過料等に関する規定が示され、全面施行された。また、所有者が明らかでない場合の特定方法については、不動産登記簿や住民票、戸籍謄本、固定資産課税台帳に記載された情報や、個人情報保護条例等で目的外利用が制限されている氏名・住所等についても、必要な限度において市町村が内部利用できるようになった。とはいえ、現状は高齢化による一人暮らしの方が増加する中で、沼津市においては全国平均よりもさらに高い空家率につながっている。
「自分には関係ない」と思っていると、「将来両親を呼び寄せることになって空き家になった」「親から実家を相続することになった」という具体的な場面に遭遇してから困ることになる。それがいつの間にか他人事ではなくなってきているのが建物の老朽化問題同様この空家問題である。
大方の方が売りたくても売れず、処分したくても立て壊すには費用が掛かる。いらないからもらってほしいと行政に頼み込んでもできない!となったらどうするのか!
だから、そうならない前の事前の予防体制が必要ですってことなんだけど・・・
11/1、第2回沼津市空家等対策協議会が開催。市長を会長に委員7人が参加。(連合自治会の代表、弁護士、大学教授、宅建取引士、建築士、社会福祉士)
7人の委員が市長の進行で意見を出し合い、1時間余ほどで協議会は終わる。
多くの空家は相続したものの、老朽化が進んでも立て壊す費用もなく、固定資産税を払い続けるのなら、行政にもらってほしいという方がほとんどだそうである。
(売却できる物件ならとっくに不動産屋が売っている。)
「売れない物件をどうするのか」残っている空家は「もう要らないから、行政に処分してほしい」というものが大方だというのが委員の意見から出る。
しかし、行政側としては所有者が放棄してもいいということになるとさらに空き家が増え、処分が出来なければ放火や犯罪の温床、倒壊の危険にもなりかねないので、やはり基本的には所有者を探して処分をお願いするしかないという。
バブル期に建てられた建物が老朽化を迎え、主要な公共施設は更新または改修・廃止という計画がやっと進み始めているが、沼津市に限ったことではないが、多くの自治体が計画どおりに進まない。つまり財源の確保ができないからである。
それとさらにはこの空家問題も、現実的な社会問題になってきている。市内のK地区において、空き家に数回放火がされたという報告もあった。
沼津市も来年に向けて空家等対策計画になるわけだが、計画はできたもののそれを実行していくには、やはり財源が必要になってくるわけで、さらに難しい時代になったというのが実感である。
2019.11.01
フジ虎ノ門こどもセンターin御殿場市その2
横田医師は言う。「我々小児科専門医を中心とした地域医療機関と、地域の医療福祉行政をつかさどる御殿場市とがタッグを組んで,次代を担う子どもたちのための新たな拠点としてこどもセンターを立ち上げた。」と。
御殿場市と病院双方の協力がなければここまで一体的に地域と共に歩むこどもセンターにはならなかったはず。本当にタッグを組むからこそできた体制です。この体制を運営していくスタッフの皆さんの笑顔が、眩しかった・・・
こどもセンターのメインルーム児童発達支援「とらこや」は療育を必要とする未就学児の通所施設です。部屋の前には大きな虎が待っている。画家・絵本作家のミロコマチコさんが3日間かけて描いた絵の中のどうぶつたちが「一緒に遊ぼうよ!」って声が今にも聞こえてきそう。
放課後等ディサービス「とらこや」は療育を必要とする就学児童のための通所支援。(18歳まで)
部屋の外は芝生の園庭になっているのでアスルクラロのサッカー選手が、ここで子どもたちに毎週サッカーを教えている。
こどもセンターに隣接している「御殿場市発達相談センター」の体制は所長、臨床心理士2名、保健師1名、臨時の幼稚園教諭1名の5人。
主な業務
・個別に面談しその発達的特徴の分析をし、療育支援につなげる
・市内保育園・幼稚園・小中学校への巡回訪問(現場スキルの向上)
・発達支援に関する現場の保育士・教員からの相談、指導、検討
・研修会、講習会等の開催で情報提供による質の向上を目指す
児童専門の臨床心理士はH23から継続しているので、親子との信頼関係やその子の成長過程など、切れ目のない支援体制を可能にし、継続性を持たせるためのまとめ役を担っている。
乳幼児期、小中学校期、青年成人期まで、切れ目のない、きめ細かく手厚い支援を行うための体制づくりに取り組み何とも羨ましい連携体制である。この早期の適切な療育が、その後の子どもの成長過程に大きな影響を与えるからこそ、専門医療をはじめとする専門家の適切な指導と継続的な支援体制がライフステージごとに必要であり、それをつなげまとめているのが本来のセンターの役目であるとセンターの所長は言う。謙虚だが、力強く話してくださるその言葉一つ一つに確かな手ごたえと可能性を感じる。
下記の図は発達障害の特徴的な傾向の3つのパターン。其々が独立しているわけではなく、複合的な要素を持っている。
発達障害の人の悩みを理解し、支援するために、発達障害が「重複」するタイプで、「ちょっと自閉スペクトラム症で、ちょっとADHD」という人もいるのだということで必ずしも1パターンではない。