山下ふみこオフィシャルブログ

鉄道高架

2019.07.02

一般会計補正予算の反対討論

この補正予算に反対したのは、未来の風、共産党、立憲民主党の一部で計27人中の反対7人、賛成20人
私のほか反対した立憲民主党の平野議員には、本人の承諾を得て掲載させてもらう。

立憲民主党 平野議員 反対討論
議第83号 令和元年度沼津市一般会計補正予算について、反対の立場から意見を述べさせていただきます。
今回の補正予算では、8款5項都市計画費として、新貨物駅ターミナル土地収用関連事業費5190万円が計上されています。収用委員会への裁決申請に係る経費であるとの説明がありました。昨年度の35条調査に続き、土地収用の手続きが地権者の思いを顧みることなく、一方的に進められていることを深く憂慮します。
かつては、国策遂行のために個人の土地や財産が強制的に取り上げられてきたという歴史がありました。その反省から、憲法では「財産権はこれを侵してはならない」と明確に規定しています。
一方で、「私有財産は、正当な補償の下にこれを公共のために用いることができる」とも規定し、公共の利益となる事業の遂行と私有財産権の調整のために、土地収用制度が設けられています。その意味では、今回の土地収用関連事業費は法にのっとったものであると認識しています。ですが、土地収用はその前提として、その事業が本当に公共の利益になるものでなければなりません。市長はこれまでに9割を超える地権者の皆さんが、土地を提供して頂いたといいますが、その方々は、本当にこの鉄道高架事業が、沼津市民全体の利益になると納得して、土地を提供していただいたのでしょうか。

強制収用が現実的なものとなり、5000万控除の期限が迫り、精神的にも疲れ果て、納得したわけではないけれども、もうこれ以上抵抗しても仕方ないと、苦渋の決断をした方々も少なくないと私は伺っています。そしてその中には、これまで一緒に頑張ってきた他の地権者に申し訳ない、という想いを持つ方もいらっしゃいます。さらに、地権者の多くは、土地を手放して引越しをするというわけではなく、これからもその地域で生活をしていくのです。
仮に新貨物ターミナルが完成したとしても、その隣で、それぞれが複雑な思いを持ちながら生活していかなければなりません。地域をそのような状況にさせてしまっている現在の事業の進め方は、残念でなりません。

この事業を推進していくために、市長がまずやらなければならないことは、土地収用の手続きを進めることではなく、地権者の皆さんに、皆さんの土地の提供によって沼津市がこのように発展していく、沼津のまちづくりはこのような魅力的なものになるということを納得してもらうこと、しっかりとした根拠を示し、説得力ある説明をし、地権者の皆さんが「だったら自分の土地を提供しよう」と思ってもらえるように誠意をもって努力することです。

土地収用の前提である、事業の公共性に、地権者が納得をし、賛同していただくことが必要です。その努力をせず、土地収用をちらつかせ、地域を疲弊させ、力で事業を遂行していく、もう決まっていることなのだから協力をしてくれ、その姿勢は間違っていると私は考えます。

土地収用は、公共事業の敗北である」という認識と覚悟を持って、粘り強く、丁寧に、誠実に、地権者の納得を得られるような取り組みを進めることが重要であると私は考えます。土地収用法の規定があるのだから、地権者に納得してもらえなくても裁決申請をするという事業の進め方をするべきではありません。
以上を主な理由として、議第83号に対する反対の意見とします。

2019.07.01

土地収用法の手続き その1

一般会計の補正予算に反対した理由

8款土木5項1目 都市計画総務費(新貨物ターミナル土地収用関連事業費)
裁決申請に係る経費・地権者18件分) 5,190万円(土地収用法の手続きを進めていく上で必要となる業務の経費)

内容:◎裁決申請する際の県への事務手数料805万7千円
◎申請後の審理への対応業務等の委託料3,024万3千円
◎申請後の県収用委員会が行う不動産鑑定評価手数料への負担金1,360万円
県の収用委員会は、高架事業の是非ではなく、損失の補てん(土地や物件等)について審議する場である。

Q:県収用委員会にいつまでに採決申請するのか。
A:事業認定のみなし告示日の平成30年9月21日から1年以内
(つまり31年9月20日までには裁決申請及び明け渡し裁決の申し立てを、共同事業者の県と申請する)

Q:収用委員会に申請した場合、裁決までに要する期間は?
A:一般的に申請から裁決までの標準的な処理期間は7か月程度。
明け渡し裁決の期限までに土地を明け渡ししない場合、強制収用の対応を検討する)

Q:現在の事業認可の無効確認訴訟と土地収用裁決事前差し止め訴訟の影響について
A:訴訟は結審に至るまで、地裁、高裁、最高裁と時間的には長引くが、土地収用法に基づく手続きには影響を与えない。

議会質問
沼朝の写真

2019.06.29

一般会計補正予算に反対

反対討論

今回の一般会計補正予算に反対をしました。私はいつも反対地権者の方々に会うたびに思っていました。普通の暮らしをを営んでいる地権者の思いが本当に伝わっていない。その方々一人一人の苦渋の思いを議会というところで議事録に残すべきだと考えていました。今回はそんな思いで私は反対討論に臨みました。
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議第 83 号 令和元年度沼津市一般会計補正予算について反対の意見を述べます。
8 5 1 目都市計画総務費の新貨物ターミナル土地収用関連事業費として計上された 5190 万円。

鉄道高架事業のそもそもの目的は開かずの踏切の解消です。
その定義はピーク時に、1時間当り40分以上遮断されている踏切のことですが、沼津市にはその状況はどこにもありません。

 現在、住民訴訟が行われていますが、理論的客観的に効率性及びその実施過程の透明性の 観点からも事業の必要性や費用対効果は極めて疑問です。また、今後 20年以上にわたる工事中の渋滞や騒音、環境問題など負の要因については何も示されていません。
さらにはこの事業が成立するのは、人口減少が抑えられ、経済状況が上向き市税が増加することが前提となっています。しかし今、世の中が大きく高齢化という厳しい時代に入ったにもかかわらず、時代に伴なう事業の必要性や困難さはいまだに説明不足です。

 今回、沼津市は鉄道高架事業の実現に向け、未買収用地を強制収用につながるレールにのせました。何でも反対する市民がこの事業を遅らせた、反対地権者が土地を吊り上げようとしてこの事業を遅らせたといわれていますが、本当にそうでしょうか。そんな単純なことだけでこの事業が進まなかったのでしょうか。
本当に必要な事業なら、とっくに進んでいたはずです。

今までつつましく、穏やかに暮らしていた地権者に対して、(本来は住民の命と財産を守るべき沼津市が)、公権力を振りかざし、根こそぎ立ち退かせるという、このたかだか人口19万人の地方都市で、およそ想像しがたい光景が、否が応でも現実味を帯び始めてきたのが今回の補正予算です。

 普通の暮らしをしていた人々が、鉄道高架事業の見直しについて、大きな権力に立ち向かって、争うべく闘うべく法廷闘争にふみきらせた地権者の気持ちに一度でも思いをはせたことがあったでしょうか。

そして今回、その裁判の行方にかまわず知ったことではないと、事業認定という国のお墨付きを盾に粛々と強制収用に向けた手続きだけを進めるような行政の在り方を見せられると、いくら丁寧に誠意をもってと言っていますが、その姿は公権力をもって、一市民でもある地権者を脅して押し切ろうとしているようにしか私には見えません。

 地権者は毎日毎日買収に向けて、通い続ける当局に心休まる日はなく、とうとう心がおれ、「納得がいかないけれども、本当につらいけど、他に選択肢がなく、そうするしかない。自分たちだけでどうしようもできない」というその無念さを、誰に受け止めてもらえばいいのか、誰に理解を求めればいいのでしょうか。沼津市が進めている用地買収のその行為が、どれだけ善良な地権者の暮しをおびやかし続けてきたのでしょう。

 今回の沼津市の強制収用に向けた行為は事実上、話し合いによる解決の道を閉ざしました。手続きは一歩進んだように見えるでしょう。しかし、現実、この事業の過酷さ、困難さはこれからです。
実際には、前にも後ろにも進めないさらなる先行きの見えない状況に沼津市自らがさらに追い込まれたように私にはみえます。
この状況で強制収用を実施するための補正予算は私は間違っていると思います。以上をもって反対討論といたします。

2018.12.26

権力と地域破壊

12月25日の東京新聞に掲載された記事は、ちょうど高架事業のために地域が2分化されている状況によく似ている。同じまちの住民でありながら、ずっとその地域の住民を苦しめ続けてきている。そして、県も市も議会も推進派が圧倒的に市民に支持されている現実があり、いよいよ強制収容に踏み込もうとしている。
既成事実が淡々と積み上げら、着々と進もうとしているかのように見えるが、その裏側には人口減少と高齢化によりさらに大きな財政的な課題と想定以上の社会変化と温暖化による異常気象が急速に迫ってきている。

昭和の半ばから計画されていた三重県芦浜原発計画は、その予定地が反対派と賛成派で2分化され対立は泥沼化。三重県知事だった北川正恭さんは、賛成、反対派との国の狭間で悩んだ末、2000年に白紙表明。

当時の北川県知事は、原発建設に同意を求められる立場であった。しかし、現地で目にしたのは、昔から支え合って暮らしてきたはずの漁村で、家族でも原発への賛否が別れると口も利かなくなるような殺伐とした状況だった。

彼は「このまま原発を進めれば、地域破壊がさらに進み、住民を苦しめ続ける。権力がそこまでしていいのか」。悩んだ末に「住民の同意と協力が得られている状態とは言い難い」と県議会で表明し、計画は撤回された。

この記事をきっかけに現在強制収容が取り沙汰されている原地域の住民の思いに心を寄せてみる。(↓下の記事をクリック)

2018.09.26

竜王駅の南北自由通路by安藤忠雄

前々から行きたいと思っていた建築家・安藤忠雄氏による甲斐市の竜王駅にある南北自由通路と橋上駅を友人と見学(9/26)に行く。
JR中央線によって市街地の南北が分断され、北口への出入り口がなく不便だった竜王駅。平成の大合併(H16)によって、橋上駅舎と南北自由通路はH20・3月に全面供用開始された。利便性が向上したのは言うまでもないが、世界的な建築家・安藤さんが設計監理を手がけ、芸術的な建造物としても甲斐市の中核的な存在となっている。
1日の乗降客数5000人 総工費25.6億円 

竜王駅の南口、北口も巨大な屋根と巨木が印象的である。ロータリーの中心に大空に向かってそびえたっているシンボルツリー。

↓南口のケヤキ                   ↓北口のクスノキ

駅舎には市の行政情報や観光案内情報が設置。また、この広い南北の通路の利用方法は面白い空間利用ができそう。
広場では巨大な屋根によって守られているので朝市も開催されている。

1時間無料の駐車場や駐輪場も整備されている。
また、高齢者や障がい者の方々にも利用しやすいバリアフリーの整備がなされている。

この駅舎がこのまちの顔として、市民が誇りを持てる駅になっているのではないだろうか。
また、安藤氏もこのまちの顔として地域コミュニティの一つの中心となることを期待している。

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