山下ふみこオフィシャルブログ

鉄道高架

2022.11.05

市財政は大丈夫か by 鉄道高架 NO3

1:再評価はなぜ行われたのか?

A-1社会経済情勢の急激な変化から事業費の増額及び期間の変更が生じたから (本当かな?)

A-2新貨物ターミナルの用地取得後事業費及び事業期間が明確となり、来年度(R5~)から鉄道高架工事の着手にめどがついたから、事業認可変更を行うため再評価を実施した。
(H15年から20年間、事業費の見直しは一度もされなかったのは何故?)

新計画期間:平成15年度(2003年)の事業採択から令和23年度(2041年)完成予定
      令和5年度から着手し18年間に及ぶ長期事業。(果たして計画通りいくのか?)

高架化事業採択のH15年((2003)から人口は減少し続けている。
↓のグラフは年少(14歳以下)、生産年齢人口(15~64歳)老年(65歳以上)の人口推移。
高架事業計画期間はR23年度で完了予定→その頃、人口は14万人台、0歳~14歳までの人口は4割減少
              R22年 (2040)  R2年(2020)
総人口  145,086人   (187,027人)    →41,941人減 /22%減
年少人口  11,804人   (19,254人)   →7,450人減/39%減
生産年齢人口71,994人   (107,530人)  →35,536人減/33%減
老年人口  61,288人   (60,243人)  →1,045人増/2%増

人口 (2)

2:長期化による投資効果B/C(費用便益比)の影響は?

事業継続の前提条件となるB/Cが 1.0 を下回る場合、事業継続されるのか

A:費用便益比B/Cの大きな要因は将来交通量、コスト、事業期間である。事業が遅れれば遅れるほど計算上は便益が落ちる結果となるが、B/C1.0以下でもつの視点で総合的に再評価する

1・社会経済情勢等の変化 → 将来、人口が増え経済が上向き税収の増が見込めるのか?

2・事業の投資効果    → 事業が遅れればB/1.1はさらに下がり1.0以下で投資効果があるといえるのか?

3・事業の進捗状況    → 労務単価や資材の高騰、景気の状況により進捗が計画通りいくのか?

人口0001

0~5歳までの人口減少の状況を見ると、低年齢層ほど人口減の幅が大きくなっている。
1歳児は15年間で(H20~R4)39%減、0歳児は36%減と最も減少幅が大きい。

人口0003 (2)

2022.11.01

市財政は大丈夫か by 鉄道高架 NO2

令和4年9月27日の一般質問「鉄道高架による市財政は大丈夫か?」

県は鉄道高架事業費の増大+長期化を公表

「沼津市は本当に大丈夫か?」

 静岡県は令和4年度の公共事業再評価に鉄道高架の事業費増大及び期間の延伸を公表

この 30 年にわたり、 時代は大きく変化し、人口減少、税収の伸び悩みの一方、高齢化や子育て支援への対応等で扶助費は著しく増大、その結果として投資的事業に充てることができる充当一般財源が 半減、投資的事業がさらに困難な財政環境下に置かれている。この機に改めて市財政の見通しやその困難性を見極め、駅周辺事業の縮小,あるいは高架本体凍結等の英断が求められる。

問題となる要旨

 1:再評価はなぜ行われたのか?
  社会経済情勢の急激な変化が生じたから

 2長期化によるB/C(投資効果)の影響は?
  事業継続の前提条件となるB/Cが 1.0 を下回る場合、事業継続されるのか。

 3:市の財政は大丈夫か?
   計画期間は令和25年(2041)まで。
   長期財政試算では、市債残高(借金)のピークは約 955 億円だが、1,000 億円を超えないだろうか、
   主な財源は市税や普通交付税、臨時財政対策債の一般財源が、高架事業に確保できるのか。

 4:市民の不安や説明責任にどのように対応するのか?

2022.10.31

鉄道高架事業費1034億円と工期延長 NO1

静岡県は7/12に「沼津市鉄道高架事業」の再評価調書を公表。

平成15年から19年ぶりの見直しによって増額された事業費は市債(借金)で賄うと新聞には書かれていたが、実際、市債を充てるには現状の市税等の一般財源が増加しないとほぼ不可能である。それを可能にするなら、事業期間を延伸し単年度予算を小さくすれば財政上可能だともいえる。
しかし、事業期間をこれ以上延伸すれば、B/C(費用対効果)1.1からさらに小さくなり、1.0を切れば事業価値がないことにつながる。
再評価では高架化事業を継続としたがその理由に納得できる市民がいるのだろうか?

その理由とは:人口減少・少子高齢化社会に備え、核となる事業であり、市が目指す「ウォーカブルでカーボンニュートラルなまちづくり」を実現するとともに、駅周辺の課題を解消する事業である。
ウォーカブル:車中心から”人中心”の空間へ。居心地がよく歩きたくなる
カーボンニュートラル:二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になること

---------R3年以降
----------沼津市負担の事業費内訳:419億円=一般財源42億円 + 市債336億円 + 市費42億円(未執行)---------

---------------沼津駅周辺総合整備事業1452億円のうちの市費419億円の90%は借金で賄う-----------

-------------------事業ごとの財源内訳---------------------

●事業費の見直し:鉄道高架事業費本体:787億円 → 1034億円 R2執行率4.5%
鉄道高架事業費R3以降の事業費:740億円+247億円増額 → 987億円
そのうち市負担分R3以降事業費:161億円+56億円増額  → 217億円(市負担)の内訳(一般財源22+市債195)
工期の見直し H15(2003)~R23年度(2041)完成 (当初計画より7年延伸)*

鉄道高架関連事業(用地取得や道路・歩行者通路の整備)事業主体・沼津市:445億円 R2執行率43.1%
445億円内訳(国147億円+県2億円+市296億円(一般財源160+市債136)
→ R3以降の事業費253億円のうちの市費121億円の内訳(5+市債117)+国111億円(社会資本整備総合交付金他)

●土地区画整理事業費(高架化によってできる鉄道跡地利用により宅地増進ための区画整理)
事業主体・沼津市:294億円(R2執行率27.9%) →(R3年8月事業費の見直し294億円から288億円へ
R3以降の事業費212億円のうちの市費81億円 +国89億円+県30億円

1034億円(見直し後)✙ 445億円 ✙ 294億円 = 総額 1773億円のうち市費419億円
R3以降の事業費 987億円+253億円+212億円=1452億円のうちの市費419億円

R3以降の市費  
217億円(22+195市債)✙121億円(5+117市債)+81億円(15+市債24、+市費42億円(駅南第2未執行分)

R3年以降の沼津市事業費の内訳
419億円=一般財源42億円 + 市債336億円 + 市費42億円

7/15 沼津朝日新聞

                 ↑ 7/15 毎日新聞    
↓静岡県の再評価調書がHPへ

鉄道高架事業費の見直し

備考

〇まちなかウォーカブル推進事業【社会資本整備総合交付金・補助金】(R2新設)
・都市再生整備計画事業等において、車中心から人中心の空間へと転換するまちなかの歩ける範囲の区域において、街路・公園・広場の既存ストックの修復・利活用を重点的・一体的に支援する事業。
・事業主体 : 【交付金】市町村、市町村都市再生協議会等 【補助金】都道府県、民間事業者等
・国費率 : 50%

〇都市再生整備計画事業【社会資本整備総合交付金】(R2改変)
・市町村等が行う地域の歴史・文化・自然環境等の特性を活かした個性あふれるまちづくりを総合的に支援し、全国の都市の再生を効率的に推進することにより、地域住民の生活の質の向上と地域経済・社会の活性化を図ることを目的とする事業。
・事業主体 : 市町村、市町村都市再生協議会等
・国費率 : 40%(国の重要施策に適合する事業については45%)

〇都市構造再編集中支援事業【補助金】(R2新設)
・「立地適正化計画」に基づき、市町村や民間事業者等が行う一定期間内の都市機能や居住環境の向上に資する公共施設の誘導・整備、防災力強化の取組等に対し集中的な支援を行い、各都市が持続可能で強靭な都市構造へ再編を図ることを目的とする事業。
・事業主体 : 市町村、市町村都市再生協議会、民間事業者等
・国費率 : 50%(都市機能誘導区域内)、45%(居住誘導区域内等)

2022.02.13

鉄道高架事業の裁判その後

鉄道高架事業認可取り消し等請求訴訟について

2022.01.24

鉄道高架事業と財政問題 その2

「その1」で財政的な問題に少し触れた。改めて考えてみたい。平成29年3月に出された「沼津市公共施設マネジメント計画」。その時点での築年数が46年以上経過した施設が2割弱。
今後、中長期的な改修や更新をしていくための30年間の経費の見込みを示している。
今後30年間の維持管理・更新に係る経費は、約53億円/年で約2倍の経費がかかることになるがこれでは全くやっていけない。人口減少と高齢化で税収は落ち込んでも増加する見通しが厳しい中、限られた財源の中でこの差し迫った公共施設やインフラ施設の維持管理、更新をどうしていくのか、喫緊の課題に目をつむり、高架優先でやっていくならばそれも一つの選択肢だと思う。それを市民が望むならば・・・
2月からは令和4年度の予算審査も始まる。

高架化事業費関連20220123_0038

今から10年後(2032年)と20年後(2042年)に更新のための大きな経費がかかってくる山がある。その山と鉄道高架事業は大きくかかわってくる。
つまり、耐用年数で大規模改修や更新をする場合の将来経費は、それだけでも自治体にとって大きな負担であり、施設削減により維持更新費や管理運営費の削減も図る計画をせざるえない。ある意味、学校統合問題もこの問題が大きい要素だと言える。
どの自治体も頭を抱えている公共施設やインフラ整備の老朽化に対して、昨今の災害の大きさを考えれば、喫緊の課題であるのは言うまでもないこと。
沼津市の場合、それにさらに1000億円以上の高架化事業を、投資的経費の減少とは裏腹に,改修や更新経費増大によって、更なる財政的な苦難が待ち受けている。いまだに工期の見通しがない高架化事業に、市民への説明責任を果たしていけるのだろうか。

高架化事業費関連20220124_0039 (3)
私のコメント:
市民の皆様は高架化事業はここまで進んでいるんだからという認識を持っていると思います。
しかし、全体事業費(H16年事業認可時に算出した事業費は変わってない)1995億円のうち事業費ベースで39.6%(R3年3/31)執行。残り1205億円の事業費をこれから捻出しなければならない。
沼津市負担分は364億円というものの、毎年予算要求額通りに国がやるという確約があればの話。
しかし、国の予算は単年度予算なので先行きが見えない。
つまり、国のお財布状態を毎年予測しながらの事業計画だからこそ確約したと言えないのです。
一旦本体工事にかかってしまえば、13年というのは最短の工期であり、本体事業がいつ始まるのかさえ分かっていない。
その高架化工事の状況は想像もつかないけど、きっと大変なことになるのかなぁと思っている。

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