山下ふみこオフィシャルブログ
香貫山
2020.05.14
香貫山の地下埋設工事 その2

香貫山影奉仕は、2020年7月~11月にかけて行うレーダー雨量計通信ケーブル・電力ケーブルの地下埋設工事に、香貫山にこれ以上の負荷をかけてしまうと、既に数か所に崩落が続けて起きているので、どんな事態が起きてしまうのか不安に思っていました。
そこで、特別上級技術者の塩坂工学博士にSOSを発信。すぐに飛んできてくださって、香貫山の現地調査に入る。そこで数時間、山に入って診断をして下さった結果、色々のことがわかりました。
香貫山の貴重な資源を再発見し、この山の保全をしながら、後世に残すべき沼津の宝であることを改めて確認できた機会になりました。
先生の診断結果:香貫山は海底て噴出した変朽安山岩プロピライ(prppylite)熱水の作用で変質した安山岩からなります。マグマが海水に触れた部分では、節理が発達してタマネギ風化が多く見られました。よく見ると、玉ねぎの芯の部分の褐鉄鉱の球体がゴロゴロ転がっています。
登山道は、数十年前に作られたもので、盛り土部には、円弧滑りが見られ道路にはテンションクランクが、見られ10cm以上の変位が見られました。
結論としては、風化の進んでいる安山岩の山体に、簡易的な林道が作られており、細心の注意で工事を行うべきとの判断になりました。
★★★埋設工事にあたり道路管理者として沼津市が求めるべきこと★★★
●風化の進んでいる安山岩の山体に、簡易的な林道が作られており、細心の注意で工事を行う。
●現状は盛り土部が滑りつつある状況は、工事に起因して、加速度的な負荷がかかることにより、がけ崩れ等が起きた場合、その因果関係を明らかにしたうえで、データーに基づいて両者対等(国交省と東京電力及び沼津市)の立場で協議をし適切な対応を行う。

変朽安山岩中に見られる、共役断層。

玉ねぎ風化の芯の部分が、ゴロゴロ。至る処に玉ねぎ岩ってすごく珍しい。

玉ねぎ風化の初期だん

断層から湧水。弱アルカリ性の水の可能性
テンションクラック。引っ張り亀裂で円弧滑りの前兆

節理に植物の根が入って風化が進む。
円弧滑りの変形。山側の道路との段差が10センチも下がっている。
盛り土の部分は、あちこちで亀裂がある。そこから水が浸透し、谷川の道路が滑りやすくなっている。
令和2年5月 日
道路管理課 様
農林農地課 様
香貫山におけるレーダー雨量計通信ケーブル電力ケーブル地下埋設工事について
2020年度施行箇所の香貫山登山道入り口から香貫山香陵台公園までの地下埋設工事について、2019年度に引き続いての工事という事ですが、これまで一度も香貫山影奉仕には事前説明はありませんでした。
今回5/11に国交省沼津河川事務所工務第1課と東京電力パワーグリッド静岡支社の方から説明がありました。その際、今年度の工事を行うにあたり、前年度の工事中、落岩や表層流出が起きたことについて意見交換をさせていただきました。
これまで沼津市は香貫山保全や利活用について、いくつかの検討会や懇話会、また調査研究会を行ってきました。香貫山の保全について、「事業を実施する場合には、国が定めた「環境影響評価」の考えを尊重し、事業を実施する前に事業内容を市民に開示し、事業の効果とリスク、環境への影響、安全性、管理、運営方法、工法の選択などを十分検討したうえで、より良い事業計画を・・・」という懇話会からの提言等が出されています。
これまでの経緯を踏まえて以下のことに留意していただくようお願い申し上げます。
〇風化の進んでいる安山岩の山体に、簡易的な林道が作られており、細心の注意で工事を行って下さい。
〇工事に起因して、加速度的な負荷がかかることにより、がけ崩れ等が起きやすくなります。一定の経過期間の中で起きた崖崩れ等においては、その因果関係を明らかにしたうえで、データーに基づいて両者が協議をし、山の現状回復に対応をして下さい。
〇今回の工事箇所は、13本が立ち枯れ等で道路側に倒木の危険があるため、工事を行う際には、住民や工事現場の安全を考え伐採をして下さい。
香貫山影奉仕 代表 浅井増優
事務局 山下誠次
2020.05.14
香貫山の地下埋設工事 その1
2020年7月~11月までに香貫山にレーダー雨量計通信ケーブル(国交省)と電力ケーブル(東電)の地下埋設工事の2期工事が開始されようとしています。レーダー雨量計は県内4か所あるうちの最後の1か所の設置です。全国では24か所のレーダーのうち、山頂に設置されるのは、沼津市だけという事です。
5/11、工事関係者の国交省沼津河川国道事務所と東電パワーグリッド静岡支社の方2人が来て説明をしていかれた。
昨年から引き続いての工事だが、学校、自治会、茶屋等に説明をしているという。
私たち影奉仕には初めて話し合いがもたれたわけだが、本来ならば、当然、地域やそこに関わる市民団体には、工事を計画するにあたり、事前説明があってしかるべきだと思っている。
7月から始まる工事において、これから道路管理者である沼津市に対して、工事を行うためには道路占用並びに土木工事施行許可基準に従って、許可申請手続きを取っていかなければならない。また、道路管理者である、道路管理課は、許可申請を受理する前に申請者から事前相談、問い合わせ等があった場合は、これに対して必要な行政指導を行うとともに、その経過を明らかにしておかなければならないとある。及び行政指導は相手方の任意の協力によって実現されるものであるという事も静岡県の道路使用許可事務取扱いには示されている。
今回の工事は香貫山の中でも地盤が緩く、落石や倒木が良く起きているので、今回の工事によって、盛り土部が滑りやすくなっているところに、負荷がかかれば、さらに工事の掘削による振動が引き金になって、亀裂が生じ、崩落が起きやすくなってしまうのではないかと懸念する。
香貫山影奉仕は山の保全を維持していくために、この工事が引き金となって懸念される事象等について、もし起きた場合、どうやって現状復帰を求めていくことができるのだろうか。
2020.05.09
第126回香貫山影奉仕のごみ拾い
先月はコロナのための緊急事態宣言が出て、急きょ中止にして、今日は2か月ぶりの影奉仕の清掃の日です。
仲間は日々山に来て、独自に樹木や植栽、駐車場等の整備活動をしてくれている。なので、毎月第2土曜日の活動は、そんな仲間の元気確認になっているのかもしれない。
今日は、「普段は忙しくて自分の身の回りことで必死でだけど、このコロナの影響で仕事が休みになったので、やっと参加することができました」と言ってきてくれた人もいた。日本中がコロナによる影響でどれだけの人々が苦境に立たされているのだろうか。そう思うと居ても立っても居られない気持ちに、本当に日々苦しくなってしまう。
今日は3班に別れ、頂上の枝が折れてしまって、そのままになっているところの整備と、後は香陵台周辺のいつものように草刈りやトイレとごみの回収などに分かれてやった。暖かくなってきたので、草ののびるのが早いこと・・・
桜の苗を植えようと1本持ってきてくれた仲間がいた。枝に桜の根が沢山出ていて珍しい。↓の写真
今回も仲間の笑顔と共に無事終了でき、充実した朝になり感謝です。タカちゃんはトイレ掃除を必死にやってくれてありがとう。洗剤補充してなかったね。
これから、少しずつ仲間を紹介していこうと思う。
香貫山の主でもある浅井さんは、香貫山に上がってくる人たちの信頼も厚く、歯に衣着せぬ人柄は一見怖そうだけど、山の植物を愛するとても心優しい人です。そして穏やかで調整役の竹下さんは香貫山影奉仕にとってなくてはならない人。数え上げれば本当に色々の方々が、それぞれの役割りを上手くこなしてくれている。
2020.04.27
香貫山の三春滝桜
3月に香貫山の三春滝桜が嫁いで10年という新聞記事を見る。その前に農林農地課から問い合わせがあった。2009年、市の主催で桜の木40本を植樹するイベントに参加したことがあった。その時にこの福島県三春町から送られてきた桜も一緒に植えたとものだという。
2011年3月11日に東日本大震災があって今年で9年経過した滝桜は大きく成長していた。香貫山の仲間たちでこの三春滝桜が咲くこの場所に、想い出の碑を創ろうとみんなで話し合っている。 ↓今年、ここで咲いた三春の滝桜


2020.04.13
香貫山の崩落ヶ所
数日前に香貫山の中腹よりさらに上がったところで、20~30mぐらいにわたって崩落が起こったという知らせを聞いて状況を確認するために、香貫山の主とも言われているAさんと現地へ向かう。
遠くからみると確かに山肌が大きくむき出しになっている。
Aさんと遠くに見える崩落ヶ所に向かったのだが、新たな再発見というか香貫山の奥深さを知ることになった。
けもの道をAさんの案内で下っていくと、大きな背丈以上の岩が、木々を押し倒してごろごろと落ちている様子に呆然とする。今後さらに崩落が進んでいくとなると、どういう被害に繋がっていくのだろうか。
直接民家への影響はないものの、舗装路への浸食がすすんでいく危険もあるのではないかとAさんは懸念を示す。
香貫山の治山整備が今までどのように検討されてきたのか、私の知るうる限りでは、平成5年9月に出された「香貫山整備構想懇話会提言書」を受け、平成7年9月に「香貫山景観・適正樹木調査研究会報告書」としてまとめられている。
さらには平成14年度静岡県地学会年会において、沼津市内にある(株)冨士和が、沼津市中心部の表層地質について報告している。その中に香貫層についても説明がされている箇所がある。
香貫山のについては平成21年の総務経済委員会において香貫山の整備について勉強会が開催されている。さらには平成24年「香貫山保全・利活用検討懇話会が提言書を出している。
この様に香貫山の整備基本構想等で何度となく話し合いがされていても、ほとんどそこに上がった課題については改善がされていない。今後、さらに調べて報告をしていこうと思っている。
今日の調査でけもの道に入った私は、まるで探検隊のような道なき道を分け入り、崩落の現場に向かっていった。
Aさんは子ども時代毎日この山で遊んだというだけあって、獣道でも何でも知っているようで、どんどん奥に分け入っていく。一人じゃ全く迷子になりかねない香貫山の奥深さと怖さを改めて知ることになった。