山下ふみこオフィシャルブログ

2019.10.18

一般会計の反対討論その2

その2は歳出、つまり支出の観点から財政をみる。↑(上のグラフは建設事業等の投資的経費と扶助費の一般財源の推移)
扶助費(医療や子ども手当、介護、障がい者福祉などの社会保障費)と投資的経費(建設、道路、土木など)が、10年前と今では高齢化等で扶助費が大きくなれば、歳入(収入)が増えずに限られた中でやっていくには、片方が多くなれば、もう一方を小さくせざる得なくなり、そのしわ寄せで投資的経費は小さくなっていきます。

次に、歳出を見てみます。(その2)
 
歳出の中の義務的経費は総額では横ばいながら、内訳をみると、人件費は職員数の削減によ って年々減っています。しかし、その中の扶助費である社会保障費が年々増加していますが、 これは高齢化や少子化による影響であり、全国的な傾向でもあります。
次に一般財源の収支にかかる投資的経費の充当一般財源が、減少していく中で2年ぶ りに 千万円の増となり、31億円となりましたが、過去10年の投資的経費充当一般財源の推移をみると50億円以上で推移してきたのが、年々減少しとうとう 10 年前の4割も 減少しています。
その減少した分、
扶助費の充当一般財源は 1.5倍の49億円にまで膨れ上がりこの逆転現象は今後もさらに拡大していくでしょう。

 つまり高齢化や少子化による扶助費等の社会保障費の増大及び物件費等の経常経費に一般財源が多く費やされた結 果、投資的経費に充当される一般財源は抑制せざる得なくなり、いくら投資的経費 を増やそうとしても、限られた財源の中では厳しい状況であり、特に 30 年度 においてその厳しさがより一層顕著になったと言わざる得ません。
また、歳出においてもう一つ特徴的なことは財政調整基金への積み立てです。その残高は 億円 減少し、約51億円。議案質疑でのやり取りの中でもあったように、標準財政規模に占める 割合は、県内的にも大変低く、29年度では、政令市を除いた21市のうち下から5番目の状況であり、30年度の基金残高が減少しているわけで、もっと厳しい状況になっていると言わざる得ません。

さらに言えば、鉄道高架化事業のために積み立てていた沼津駅周辺総合整備基金の残 高は現金が760 万円、貸付金が98億円となりました。その貸付金で取得している多くの 土地はバブル期の頃の先行取得した土地を当時の取得価格で貸付額が表示されています。
しかし、
すでに 時代の変化と共に、土地価格は大きく下落し、塩漬け土地の含み損はますます拡大されてい ます
鉄道高架事業を進めていくにも、すでに基金の現金は枯渇し、貸付金と言えば土地であり、その含み損が大 きく、その実態を明らかにしないまま、基金があるから事業は大丈夫というのは一体何 を根拠にしているのでしょう。
高架化事業を進めていくかつての大義名分は、少子高齢化で社会的環境が大きく変 わり、人口減少等によって交通量の減少も加速し、南北のかつての交通渋滞もなくなっています。

投資的経費充当一般財源と扶助費の充当一般財源が逆転してしまった今、事業を進め ていくには時代の変化によるさらなる困難が待ち受け、このまま見直しをせずに事業を進めることは不可能であり、無責任で無謀であると言わざる得ま せん。

2019.10.18

一般会計の反対討論その1

今回の私の一般会計の反対討論です。
沼津市の財政の全容を指摘したつもりです。30年度、何故貯金を取り崩す必要があったのだろうか。高架事業はまだ始まっていません。それなのに、何故、貯金を取り崩さなければ事業ができなかったのだろうか。
いざという時や災害の時の貯金にまで手を付けるということはどういうこと?
そこには苦しい沼津の台所事情が見えてきます。
その1(歳入),その2(歳出),その3(まとめ)と分けて掲載します。長いですが、よかったらお付き合いください。

認第8号平成 30 年度沼津市一般会計歳入歳出決算の認定について 
反対の立場から意見を申し上げ ます。
30 年度一般会計において沼津市の財政はより厳しい状況になったと言わざる得ません。
まず決算に伴う歳入についです。

歳入の根幹をなす市税収入は前年度よりも  千万円の減収です。これは個人市民税、 固定資産税という基幹的な税目で減収になったわけです。分離課税の改正や評価替えの影響があったものの、、おおむね横ばいで推移という答弁がありました。しかし、自主財源の根幹をなす市税が減少してい るのは30年度だけの問題ではなく、平成 18 年度以降最も減少しています。

地方交付税の減は普通交付税の合併算定替えからの段階的な減があるにしても、後年度において交付税措置されると言いながら年々減少し続けています。

た、歳入における市債、借金ですが、臨時財政対策債は例年同様借入可能額いっぱいに借り、 臨時的な特例債に依存している状況にあります。 臨時財政対策債の減は、さらなる歳入の減少に追い打ちをかけました。

 歳入における一般財源のこれらの減収に何とか歳入の確保に努めた結果が、主な基金の取 り崩しです。
その中でも
最も大きな取り崩しは財政調整基金の 15  千万円
また、土地
開発基金においても同様で先行取得する必要がなくなり、現金を保有している必要がない からと土地開発基金  千万円、現金のほとんどを当初予算で取り崩しました。
全体の基金繰入れ金を前年と比較すると、約 12  千万円の増により 29  千万円繰り入れなければならない、いうなれば、貯金を取り崩さなければならない苦しい台所事情が見える結果となりました。

2019.10.16

平成30年度決算議会を終えて

H280307一般会計05

これでいいのか議会!
9月13日から始まった議会は10月16日で最終日を迎えた。9月議会は1年間のうちで最も重要な決算審査をする議会である。今回、特に感じていることは、一般会計において711億円と特別会計424億円&企業会計(病院、水道、下水道)2つの委員会において、これらの決算審議を其々3日間かけて当局に対して質疑をしていく。その過程において課題を見出し、審議した反省点を踏まえ次の予算に反映していく。そのための決算審査である。
しかし、ほとんどの議員が発言しない委員会に終始した。果たして議会としての2元代表制の意義を失っているのではないかと思わざるえない。これで議員としての仕事を全うしていると言えるのだろうか。少なくても、1つぐらい疑問に思うことがなかったのだろうか?
(←写真はH28一般会計の様子)

H280307一般会計後ろから07

一般会計の決算審査の様子。議員28人が2つに分かれ、正副委員長の下で12人が当局に対して質疑していく。大変な圧迫感と緊張の中で、当局と対峙してやっていかなければならないので、事前準備には相当な時間とエネルギーを注いで勉強する。それでも、毎回自分の未熟さと失望感でズタズタになる。
しかし、質問する事が自分の議員としての質を高めていくという自負心と議員の責務と使命からその役目を果たす努力は惜しまないつもりでやってきたが、所詮一人では何も変わらない。やはり議会が一丸となって市政を質していかなければ市民にとって不幸である。
組織の中にいる間は組織の力関係のなかで生き抜ける人はいる。しかし、一人の人間としてどうあるべきか、そういう生き方をしていきたいと常に思う。

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