山下ふみこオフィシャルブログ

仕事

2017.05.12

児童発達支援センターin 富士宮

5/11(木)富士宮市にある3歳児から就学前までの児童を対象にした児童発達支援センター「あすなろ園」と平成26年度に開設された療育支援センター「こあら」を視察。
この両施設視察のきっかけは、先の3/27富士市こども療育センター「みはら園」を視察した折に、富士宮市の視察を勧めらた経緯がある。その時、富士市の療育支援に対する取り組みは本当に素晴らしい学ぶべきものが多くあり、今回も期待しての視察であった。

「あすなろ園」は平成12年に現在地に新築移転。24年4/1から児童福祉法改正に基づく「児童発達支援センター」となる。
児童福祉法第43条:知的障害のある児童を日々保護者の下から通わせて、これを保護するとともに、日常生活における基本的な動作の指導・知識技能の付与及び集団生活への適応訓練の実施を目的とする施設とする。

富士宮15
富士宮13

午前中はあすなろ園
3歳から就学前までの児童が定員30名ピッタリ。
基本は3:1の保育で4クラス構成。
1クラス医療的ケア(経管栄養・痰吸引導尿 等の必要な児童3人を含む8名のクラスは看護師2人と保育士2人が付く。
16人職員体制=正規保育士6人+臨時(保育士6人+看護師2人+調理師2人)
因みに沼津市は4:1保育である。

富士宮r
富士宮a

保育士は経験の長い方が多く、療育についても研修を受けているという。
また、指導内容によって、段ボールでつくられたパーテションをうまく利用している。頻繁にその授業によって、狭くしたり広くしたりとカリキュラムによって空間設定を工夫することによって、子どもの集中力等に配慮している。
色も黄色から緑色の変更したのは自閉症には視覚的に落ち着くということから対応。なるべくいいと思うことはその都度取入れているというだけあって、色々の処に工夫がみられる。

この日は月1回の理学療法士PT(Physical Therapy)1名が午前中いた。他には月に1~2回作業療法士OT(Occupational Therapy)2名の同じ方が来て、継続的に関わっていける体制になっている。
日課 9:00(登園)~14:30(降園) サポート保育(8:30~9:00)&(14:30~17:00)

富士宮a
富士宮l

11:30からの食事は、クラスごとになっていてパーテションをすることで落ちつく子や席の位置でいろいろ工夫をしている。また医療ケアのクラスは別室での食事。
また、アレルギーの子の配慮はもちろんだが、好き嫌いのある子は、献立表にチャレンジできるもの(ピンク)食べられるもの(黄色)と家庭で色分けしてもらい、苦手なものでも一口ずつでも食べられるようになるための工夫をしている。利用料:サービス利用一割負担  給食費230円 

この時期には、安定的に安心して過ごすことが、その後の集団生活につながっていくので此処では穏やかに過ごすことが大事だというだけあって、全体的におおらかな環境の中で子どもと接しているように見えるが、3:1の保育ではなく、その子に必要な支援をしていくには2.5:1の保育を望んでいきたいという。

2017.05.06

市政報告会が終えて

5/6健康福祉プラザ「サンウェルぬまづ」で「山下ふみこの市政報告会」を開催。大型連休中にもかかわらず、多くの方に来ていただき有難いことです。既に20回以上行っている報告会ですが、毎回反省する事ばかりです。わかりやすく単刀直入に市政について本音で語ることを心がけています。
今日は市民の方から、「周辺市町の元気さに比べどうなのか、こんなところに住みたくない、どうしたら市政への不信や不安を払拭していけるのか、自分たちはどうすればいいのか、自分たちにできることは何か・・」等、真剣な意見や質問が数多くありました。

今日、参加してくださった方々は、自分の世代で今何ができるのか、今、行動するためにはどうしたらいいのか、目の前のこともそうですが、自分の住む地域をどうしたら住みやすい、子どもたちを育む社会を作っていけるのだろうか、次の世代を担う子どもたちに何を残せるのかとその思いが伝わってきます。

市政報告会
市政報告会3

自分たちがいろいろの処で声を出さなければという思いは皆さん持っていますが、声を出しても何も変わらないという経験もされています。でも、諦めてしまって社会に向けて声を上げなければ何も変わっていかないのも分かっています。
次世代のことを考えて声を上げるということは、私たちにとっても住みやすい社会を作っていくことにも繋がっていきます。
まさにシニア世代に残された「しごと」とは、次世代を担う子どもたちを育む環境をみんなで考え行動していくことだとつくづく思います。
私もせっかく政治という社会にいるわけですから、自分に与えられた責務を通して、次世代のことを考えた政策につなげていこうと思うこの頃です。

成熟した社会は、目先だけのことにとらわれず、次世代のことを考えた行動をしていくものだという。でも成熟した社会とは何か?
今もいじめ、虐待、ネグレクト、パワハラ、セクハラ、大人の社会でもさらに陰湿になっている。
日本の議会というところも女性議員が少ない俺が一番的な男社会でもある。
10年前は役所も本当にひどかったから・・・担当課へ行って質問をしていたら、昼時間を15分すぎてしまったらいきなり怒り出して「公務員は昼を取る権利がある!」と机をドンと叩かれた。今その職員は部長になっているけれど・・・
しかし、怒られてからは昼になったら、「いいですか?」と一応尋ねることにした。
よく「可愛げがあったらなぁ~」と言われて早10年、充分シニア世代になりました。

今回の市政報告会は、反省も含め私が市議になった原点を改めて見つめなおすきっかけになりました。

横田医師が言うように、次世代を担う子どもに代わって社会に発言する(アドボカシー)責務を負うべきとあらためて考えさせてもらいました。感謝!

2017.05.05

「発達障害者の支援を考える」議員連盟の研修会

4/29三島市で「発達障害者の支援を考える」議員連盟総会並びに第9回研修会が開催。
平成24年当時三島市議・碓井宏政氏を中心に立ち上げた議員連盟だと伺う。
当初は近隣市町の議員50名が、今では150名になったという。
今回、私は初参加であり、各市町に連絡係の議員がいることも知らなかった。

現在、発達障害児者の実態は、増加傾向にあり障害者及び家族に寄り添う各市町の取り組みが求められている中、小児医療の実態は追いついてないのが現実。
     
特に、東部地域には発達支援センターがなく、西部・中部に比べその支援体制は遅れていると言われている。それには大きな声にして県に働きかけ実現しようと活動しているのが議員連盟だという。
       
今回は
●静岡県健康福祉部障害者支援局障害福祉課長・土屋正純氏の「発達障害児者に対する取り組みについて」
●フジ虎ノ門整形外科病院、小児難病・発達支援センター センター長 横田俊平先生の「静岡県東部地区小児難病・発達障害支援センターへの期待」
     
発達障害22
発達障害3

←クリック拡大
横田先生の講演は発達障害児者に関わる全ての関係者に希望の光を見出すものであった。
先生は「私は将来を悲観はしない」と言い切る。どんな困難なことでも、現場の中からどういう風に作るのか、その話の中に、次の手が生まれてくる。そして次のステージが展開する・・・それを実践してきているからだろう。
さらにシニア世代は社会に対して発言していかなければと・・・私たちは子どもに対して何をしてきたのだろう・・・と問いかける。

横田医師:子どもは未来を担う大切な宝物 成熟した社会では、人々は次世代のことを考えます。目の前の経済のこと、社会のこと、 政治のことだけではなく、次世代の素晴らしい子どもたちを育てることが、親や家族だけではなく 社会の大きな責任であると考えます。子どもは次世代を担う大切な宝物だからです。
子どもを宝物とする思想は私たちの社会全体をよくする考え方でもあります。 しかし子どもは、例えば隣でタバコを吸っている人に苦言を呈することができないように、 自分から社会に向かって発言できません。小児科医はそのような子どもに代わって社会に 発言する(アドボカシー)責務を負っています。
http://groompa-peds.net/Board-Certified%20Pediatrician.pdf#search=%27%E5%B0%8F%E5%85%90%E7%A7%91%E5%8C%BB%E6%A8%AA%E7%94%B0%E4%BF%8A%E5%B9%B3%27 

横田医師1

上記は御殿場市の児童福祉施設関連の利用状況だが、沼津市の状況は下の図。27年度の利用状況であるが、児童発達支援センターみゆきは定員が40名なので、利用者は限られているため、利用日数を制限しているので増加傾向にはない。
しかし、実態は毎年定員以上の申し込みがあり、昨年度、一時は60名以上にも上ったと聞いている。今年度も同様だが、実情を考えると断るわけにはいかず、毎年定員オーバーだが、利用日数で調整をしている状況である。

児童福祉施設27年
横田医師3

小児とは:障害児も難病児も、健康児も3つが同時に合わせて小児であるということ。
出生してから家族や社会的なかかわりを持ちながら、精神的にも身体的にも成長していく。その過程には医療や福祉、教育が一体化になっている必要性がある。
子どもの発達と成長ともに、行政機関が持つ社会資源、つまり保健福祉センターや児童相談所機能、福祉課と繋がり、医師(小児科・リハビリ科)はもちろん精神保健福祉士、社会福祉士、各セラピストたちともネットワークを組み、その中枢的な役割と機能を果たせるセンターをつくるという。
そして、それが医師にとっても静岡で小児医療に携わることがブランドとなるようにしていけたら、必ず志の高い医師は集まるという。

横田医師4
横田医師2

課題:東部地域では特に発達障害診療の不足、発達障害者や家族が障害に対する受け入れと理解の難しさ、周囲の発達障害に対する理解不足、そして支援者や各機関の連携不足もあり、一体化は困難を極めるだろう。しかし、本当に早期発見、早期治療で手助けできるシステムを作ることで改善することが沢山あるという。

特に昨今グレーゾーンの子どもたちが多くなってきている。その要因の一つには、家庭の崩壊を上げる。
貧困等により朝食を食べさせないこと等が発達障害の増加原因だともいわれている。でも環境改善等の手助けできるシステムがあって、手をかけてあげれば治るという。
それには教育が大事。どんな風に育てていくのか。多様性に富んだ育て方が必要であるにもかかわらず,みんなと同じでないことに息苦しさを感じてしまっていないだろうか・・・

横田医師の講演は本当に将来に希望と光を示してくれるものであり、何よりも小児難病・障害児の当事者や家族の心に寄り添う医療を実践してきた方だと感動する
ネットワーク体制と統括部局としての医療・保健・福祉・教育との総合的な機能を持つ発達支援センターをこの東部地域で始めようとして下さっていることに、私自身何ができるのか走りながら考えていきたい。

発達障害12
広汎性発達障害
横田医師写真

2017.04.28

なないろの風・春研修NO1

女性議員を増やす会「なないろの風」の春研修が4/26焼津市議・秋山さんのセッティングで行われた。焼津市が目玉とする「保健師による透析予防の取り組み」「消防防災センターの視察」

まずは全国が注目する焼津市独自の透析予防の取り組みは、何と言っても「スーパー保健師」の活躍であった。特定健診の受診率が県内35市町のうちワースト10入りを毎年繰り返している焼津市(37.0%)にいったい何が起こったのか?(ちなみに沼津市(37.3%)も,毎年県内受診率平均(27年度37.6%)を下回っている)
職員の説明を聞いていくうちに、やはりそこには現場を駈けずり、戸別訪問をしている職員の姿があった。
特定健診・未受診者の家を年間3600件の家庭訪問を15人体制で隈なく回っていた。
保健師さんたちを動かしたその要因の一つには、焼津市立綜合病院に腎臓専門医が来たのがきっかけだったという。

なないろ1
なないろ4

市・医師会・病院のトップの定期的会議に健康増進課は「特定検診で発見されたCKD患者(慢性腎臓病)の診療の仕組み(フロー)」を提案。
3者が協力して「予防のための仕組み」「病診連携」を創設。
1・慢性腎臓病(CKD)の新たなる保健指導の発症予防、早期発見、重症化予防
(特定検診の尿検査と血液検査でその基準値が低下している場合、患者の受診状況や早期治療を促す取り組みを構築)
2・特定健診未受診世帯へ保健師の徹底した家庭訪問による指導
その中で、新たな検査をして、今まで見落としていた人を腎臓内科へ紹介(病診連携)
平成27年度・150人 平成28年度・30人

このように受診率を高めることが早期発見、早期治療により、医療費の軽減を高めていく。(↓クリック図拡大)

団塊の世代

腎臓人工透析の医療費1人当たり500万円/年間 
H15からだと透析患者は10倍に増加。今では毎年40~50人ずつ増加しているという。
上の図からも2025年は団塊世代が75歳以上に突入する。そういう点からも今後、医療費にかかる市町の負担は否応が上にも増加していく。

特定検診の受診率を高めることの意義→医療費の軽減
特定検診から始まるCKD患者の早期発見につながる取り組みは、医療費が増加し続ける中で、究極の水際作戦である。
どの自治体も受診率を上げるための方策を練っているが、効果は上がってこない。そこで、焼津市が考えた秘策があった。
つづく

2017.02.02

第23回地方×国 政策研究会at参議院会館

2/28目)参議院議員会館で2017(H29)年度の地方財政計画を国の職員からの説明を受け、その動向を読み解く。地方自治体の29年度予算の一定部分が明らかになり、2月17日から始まる予算議会において、自分の自治体の方向性を読み解くことが可能である。
2月の予算議会を前に、この研修会は情報収集と理解を深めるためには必須である。
増え続ける社会保障への対応、投資的経費の減少、公共施設等の適正管理、地方の財政以上に厳しい国の財政状況、国の職員も臨在債は赤字地方債と言いながら、一般財源確保のためにこれに頼らざる得ない状況を説明する。
昨今、自治体議員の研修費は非常に高くて、1講座、15000円はざらである。この自治体議員政策情報センターの研修は10:00~16:00まで会費は2000円。本当に意義ある中身の濃いハードな時間である。

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