山下ふみこオフィシャルブログ

2020年05月

2020.05.30

我入道と造船所

狩野川河口の左岸側に位置する我入道。漁村の雰囲気を残すこの地は、文学者、芹沢光治良が生まれ育った場所でもある。
私が中学生のころ、芹沢光治良の「人間の運命」を貪るように読んだのが、芹沢光治良を知るきっかけで、多感な時期に彼の作品に出合い、中学生のころは勉強もしないで、よく彼の作品に夢中になったことを今でも鮮明に覚えている。だから、私は我入道のことが気になるというか、此処に住む人たちのよそ者を受け入れない頑なところはあるが、実は情に厚い人たちである。

今日は狩野川河口にある魚市場の対岸の造船所に行ってみる。ちょうど我入道の先端にある。昭和26年からの造船所は、かつては水上バイクやレジャーボート等の保管もしていたらしい。こんなに便利なところにあり、そのすぐ近くには、海水浴客でにぎわっていたという遠浅の海が広がっている。ボートをもっている人たちにとって、此処は最高の場所かもしれない。

かつては海の家もあって賑わっていたという我入道の海岸。此処は中心市街地から車で10分ほどで来てしまう天然の海岸線で遠浅の海は、干潮時はずっと沖の方まで砂浜が続く。駿河湾の向こうには夕方になるとサンセットが美しい。
延々と続く遠浅の海岸を何故海水浴ができる浜辺にしないのだろうか。何とか、此の浜辺をかつての海水浴ができるようにできないだろうか。既に水の設備はあるというし・・・
そして駿河湾の左側には魚市場があり、その先には富士山が見えるが、今日は残念ながら雲に隠れてしまっている。

我入道海岸の近くには八幡神社が祀ってある小高い山があり、そこからみる360度の景観がまた美しい。
この小さな山は、海底火山の噴出物が堆積してできた山(不動岩)だという。狩野川の河口に鎮座している八幡さんは69段の階段を上って神社に到着。今では我入道の地元の方々の氏神様として、地域の安泰と発展のため、また家内安全・盛業繁盛のために祀られている。

八幡神社の隣には不動尊が隣り合わせにある。ネットで調べてみると、「無病息災・家内安全・大漁祈願等の祈願をします。午後6時半から護摩神事、午後7時から火渡り式を行います。 火渡りとは、清めた塩山を踏み、熱した炭を敷き詰めた上を裸足で歩くことにより、浄化、治療、身を清める修験道の行法のひとつです。」と書かれている。今でも行われているのか、今度、地元の方に聞いてみよう。
↓ 八幡神社                          ↓不動尊神社

地元の漁師さんは此処から船を出して漁に行く。此処ではよく太刀魚が釣れるらしい。
毎朝漁が終わるとここに漁師さんたちや地元の方の寄り処になっていて、此処での会話がまた楽しいひとときである。
釣り船も此処からお客さんを乗せるし、我入道の渡し船の船着き場もこの近くにある。

2020.05.27

ベアードビールと高島平ビール

高島平ビールって、ベアードビールがつくっているんだってことを新聞で知った。2001年に沼津の港の一角で生まれたベアードビールは、沼津の私たちにとっては、唯一世界に誇れる沼津の自然と水から誕生したビールです。
2014年に製造工場は伊豆市に移っていますが、第1号店のパブはそのまま営業をしています。
世界に輸出もされていますが、今回は、地域おこしでプロジェクト結成した若者たちが各地から取り寄せた40種類ものビールを試飲し、そこからベアードビールを決めたという。若者たちの発案からベアードビールが町おこしに一役買っている状況を知りとても嬉しいニュースです。

2ベアード
3ベアード

伊豆市にあるベアードブルーイングの醸造所です。此処から高島平ビールが生まれている。山と川に囲まれた自然豊かな伊豆の地で、ずーと今も愛され続けているベアードビールの魅力って、ビールは当然の事、ベアード夫妻の人間性に魅かれて訪れる人たちのなんて多いことでしょう。
今回も若者たちが魅了されたベアードビールのすごさに普遍性を感じています。

2020.05.23

臨時議会

5/20~5/22まで開催された臨時議会はある意味、やっと議会としての活動が再開されホッとしたのは事実である。4/7に出された新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言が発令されてから、4/16には全都道府県に拡大。三蜜と言われ、議員もステイホームを余儀なくされ、その活動はとても抑制されていた。しかし、この緊急時こそ、議員としての活動の必要性をつくづく感じていた。多くの市民からの不安や疑問、要望を受け、本来ならば、その声を市政に届けるためにはまず事実確認をし、他市の事例等も踏まえて、当局側と話し合いをし、改善や要望を探っていくのが通常である。しかし、その活動は抑制され、コロナ関連においては議員個人の動きは制限され、当局等の空気を読みながらの活動はとても尋常ではなかった。
政府は5/14、47都道府県のうち39県で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を解除したにも拘らず、社会経済活動もまだまだ自粛傾向は続いている。今議会においても自粛は続き、質問等においても制限がされているように感じていたのは私だけだろうか。

↓本会議場での私の議案質疑。三蜜を防ぐために、議員は席を一人ずつ開け、当局は議案関係者だけの出席となった。

臨時議会

私の議案質疑:
「今議会は、新型コロナウィルス感染症対策のための臨時議会です。既に3回の補正予算は専決処分で全て行われてきました。県内の各議会において自粛という議員活動の自主規制に入っているなかで、専決処分は仕方がなかったと思ってはいます。そうした中での、今回の議第46号一般会計補正予算です。私なりに時間短縮に努力しながら質問させていただきます・・・・・省略(沼津市HPへ)」


専決処分で、議会の審議をしないまま既に3回のコロナ対策における補正予算が決定されていた。
 (179条に基づく専決処分は、 議会の議決ないし決定すべき事件について、. 議会の同意なく、 法定の要件の下で行われるものである)
専決処分したコロナ対策のための一般会計補正予算
第2回(4/14) 3950万円   (図書カード3000円✖12680人小中学校生)
第3回(4/23) 3億5198万6千円(飲食店の休業要請協力金&ホテル旅館の感染拡大防止3億2100万円、病院へ1838万円第4回(5/1)  196億円   (特別定額給付金10万円×194500人分)
------------------------------------------------------------------------
合計     199億9148万6千円 ✙ 令和2年度の当初予算720億円=約920億円
臨時議会
第5回(5/22)3億2152万6千円(子育て世帯への給付金2億1390万円、中小企業への利子補給8750万円、住居確保給付金

沼津市の一般会計は720億円で、今回、専決処分した金額は約200億円というとても多額な金額です。

・何の目的で誰にどんな風に支給するのか
・いつ、申請をするのか
・適切に迅速に支給できるのか、問題はないのか・・・
本来なら、議会でこれだけの予算を審議するには、市民にとって本当にこれが最もいいのか、もっと他の方法がないのか等と色々の角度から議論されます。
しかし、今回は緊急時なので、一刻も早く市民のために活用できるように、議会も執行部と一丸となってやっていくという事で専決処分をしたのですが、静岡市のようにその都度臨時議会を開き、審議したところもあります。
  なぜ、議会での承認が必要なのか
もしも、みんなの税金を市長の判断で何百億円も勝手に決めてしまったらどうでしょう。
議会は市民の付託を受けた議員が28人います。
その議会が、市民のために本当に必要かどうか、もっと他のものに使った方がいいのか等、お金の使途をしっかりチェックするのは議会の役目です。
市長に本会議で、そして委員会で質問することは、議会としてのチェック機能です。

市民の皆さんは、議会は何やってんだって思うでしょう。実際、この間、議会は何やっていたのって多くの市民から言われました。私たちも早く通常の議員活動ができるように願っています

2020.05.16

東京高検検事長の定年延長

1検察庁法改正

↑新聞記事は5/20の記事。「明日のために、一昨日の体験を忘れないでいよう!」という記事。
私も忘れないでおこうと、私の為にここにアップしておく。↑

↓5/16 とても重要なことなので、私自身のために記しておくことにします。
検察のOBたちが出した意見書、長文で難解の言葉が並んでいますが、この意見書の中には、国会の法改正の手続きも踏まず、「検察官にも国家公務員法の適用がある」と勝手に解釈変更しちゃったアベさんを、「朕は国家である」と宣言したルイ14世を彷彿とさせる‥とか。歴史的な出来事をユーモアをもってあげていてこの意見書ってすごいです。

元最高検察庁検事の清水勇男氏は、今回の意見書を提出した経緯について「黒川さんの報道を聞いたとき、民主主義の危機だと思った。ご覧の通り、誰かがきちんとした話があるのではと毎日、見ていたが、なかった。これは困ったもんだと思った。40を超える弁護士会が反対しているのに検察はない。問題じゃないか。言うのがしかるべきだと思った」と説明した。

その上で「言い出さないと、問題が発展しない。閣議決定で定年延長を変更するのは本来、法律改正の手続きをしなければいけない。立法権の侵害。三権分立という近代政治の原則に違反する恐れがある。そういう方向に流れている危機感が、皆さんを動かしている。とんでもないことだ。国会で決めるべき問題で、1内閣の判断で決めるのは憲法違反」と憤った。


正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない・・・と言わなければならない日本って
ここまで意のままにしようとしている現政権に、日本の国民の一人として恥じる

【検察庁法改正案に反対する元検察官有志による意見書全文】

安倍首相は「朕は国家なり」の絶対王政、
ルイ14世を彷彿とさせる

朝日新聞デジタル
2020年5月15日 16時14分

検察庁法改正案に反対する意見書を手に、法務省へ向かう松尾邦弘・元検事総長(右)と清水勇男・元最高検検事=2020年5月15日午後3時2分、東京都千代田区、林敏行撮影

 検察庁法改正に反対する松尾邦弘・元検事総長(77)ら検察OBが15日、法務省に提出した意見書の全文は次の通り。

    ◇

 東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書

 1 東京高検検事長黒川弘務氏は、本年2月8日に定年の63歳に達し退官の予定であったが、直前の1月31日、その定年を8月7日まで半年間延長する閣議決定が行われ、同氏は定年を過ぎて今なお現職に止(とど)まっている。

 検察庁法によれば、定年は検事総長が65歳、その他の検察官は63歳とされており(同法22条)、定年延長を可能とする規定はない。従って検察官の定年を延長するためには検察庁法を改正するしかない。しかるに内閣は同法改正の手続きを経ずに閣議決定のみで黒川氏の定年延長を決定した。これは内閣が現検事総長稲田伸夫氏の後任として黒川氏を予定しており、そのために稲田氏を遅くとも総長の通例の在職期間である2年が終了する8月初旬までに勇退させてその後任に黒川氏を充てるための措置だというのがもっぱらの観測である。一説によると、本年4月20日に京都で開催される予定であった国連犯罪防止刑事司法会議で開催国を代表して稲田氏が開会の演説を行うことを花道として稲田氏が勇退し黒川氏が引き継ぐという筋書きであったが、新型コロナウイルスの流行を理由に会議が中止されたためにこの筋書きは消えたとも言われている。

 いずれにせよ、この閣議決定による黒川氏の定年延長は検察庁法に基づかないものであり、黒川氏の留任には法的根拠はない。この点については、日弁連会長以下全国35を超える弁護士会の会長が反対声明を出したが、内閣はこの閣議決定を撤回せず、黒川氏の定年を超えての留任という異常な状態が現在も続いている。

 2 一般の国家公務員については、一定の要件の下に定年延長が認められており(国家公務員法81条の3)、内閣はこれを根拠に黒川氏の定年延長を閣議決定したものであるが、検察庁法は国家公務員に対する通則である国家公務員法に対して特別法の関係にある。従って「特別法は一般法に優先する」との法理に従い、検察庁法に規定がないものについては通則としての国家公務員法が適用されるが、検察庁法に規定があるものについては同法が優先適用される。定年に関しては検察庁法に規定があるので、国家公務員法の定年関係規定は検察官には適用されない。これは従来の政府の見解でもあった。例えば昭和56年(1981年)4月28日、衆議院内閣委員会において所管の人事院事務総局斧任用局長は、「検察官には国家公務員法の定年延長規定は適用されない」旨明言しており、これに反する運用はこれまで1回も行われて来なかった。すなわちこの解釈と運用が定着している。

 検察官は起訴不起訴の決定権すなわち公訴権を独占し、併せて捜査権も有する。捜査権の範囲は広く、政財界の不正事犯も当然捜査の対象となる。捜査権をもつ公訴官としてその責任は広く重い。時の政権の圧力によって起訴に値する事件が不起訴とされたり、起訴に値しないような事件が起訴されるような事態が発生するようなことがあれば日本の刑事司法は適正公平という基本理念を失って崩壊することになりかねない。検察官の責務は極めて重大であり、検察官は自ら捜査によって収集した証拠等の資料に基づいて起訴すべき事件か否かを判定する役割を担っている。その意味で検察官は準司法官とも言われ、司法の前衛たる役割を担っていると言える。

 こうした検察官の責任の特殊性、重大性から一般の国家公務員を対象とした国家公務員法とは別に検察庁法という特別法を制定し、例えば検察官は検察官適格審査会によらなければその意に反して罷免(ひめん)されない(検察庁法23条)などの身分保障規定を設けている。検察官も一般の国家公務員であるから国家公務員法が適用されるというような皮相的な解釈は成り立たないのである。

 3 本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕(ちん)は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。

 時代背景は異なるが17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「統治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。

 ところで仮に安倍総理の解釈のように国家公務員法による定年延長規定が検察官にも適用されると解釈しても、同法81条の3に規定する「その職員の職務の特殊性またはその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分の理由があるとき」という定年延長の要件に該当しないことは明らかである。

 加えて人事院規則11―8第7条には「勤務延長は、職員が定年退職をすべきこととなる場合において、次の各号の1に該当するときに行うことができる」として、①職務が高度の専門的な知識、熟練した技能または豊富な経験を必要とするものであるため後任を容易に得ることができないとき、②勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充することができず、業務の遂行に重大な障害が生ずるとき、③業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき、という場合を定年延長の要件に挙げている。

 これは要するに、余人をもって代えがたいということであって、現在であれば新型コロナウイルスの流行を収束させるために必死に調査研究を続けている専門家チームのリーダーで後継者がすぐには見付からないというような場合が想定される。

 現在、検察には黒川氏でなければ対応できないというほどの事案が係属しているのかどうか。引き合いに出されるゴーン被告逃亡事件についても黒川氏でなければ、言い換えれば後任の検事長では解決できないという特別な理由があるのであろうか。法律によって厳然と決められている役職定年を延長してまで検事長に留任させるべき法律上の要件に合致する理由は認め難い。

 4 4月16日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる国家公務員法改正案と抱き合わせる形で検察官の定年も63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案が衆議院本会議で審議入りした。野党側が前記閣議決定の撤回を求めたのに対し菅義偉官房長官は必要なしと突っぱねて既に閣議決定した黒川氏の定年延長を維持する方針を示した。こうして同氏の定年延長問題の決着が着かないまま検察庁法改正案の審議が開始されたのである。

 この改正案中重要な問題点は、検事長を含む上級検察官の役職定年延長に関する改正についてである。すなわち同改正案には「内閣は(中略)年齢が63年に達した次長検事または検事長について、当該次長検事または検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事または検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認められるときは、当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、引き続き当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせることができる(後略)」と記載されている。

 難解な条文であるが、要するに次長検事および検事長は63歳の職務定年に達しても内閣が必要と認める一定の理由があれば1年以内の範囲で定年延長ができるということである。

 注意すべきは、この規定は内閣の裁量で次長検事および検事長の定年延長が可能とする内容であり、前記の閣僚会議によって黒川検事長の定年延長を決定した違法な決議を後追いで容認しようとするものである。これまで政界と検察との両者間には検察官の人事に政治は介入しないという確立した慣例があり、その慣例がきちんと守られてきた。これは「検察を政治の影響から切りはなすための知恵」とされている(元検事総長伊藤栄樹著「だまされる検事」)。検察庁法は、組織の長に事故があるときまたは欠けたときに備えて臨時職務代行の制度(同法13条)を設けており、定年延長によって対応することは毫(ごう)も想定していなかったし、これからも同様であろうと思われる。

 今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺(そ)ぐことを意図していると考えられる。

 5 かつてロッキード世代と呼ばれる世代があったように思われる。ロッキード事件の捜査、公判に関与した検察官や検察事務官ばかりでなく、捜査、公判の推移に一喜一憂しつつ見守っていた多くの関係者、広くは国民大多数であった。

 振り返ると、昭和51年(1976年)2月5日、某紙夕刊1面トップに「ロッキード社がワイロ商法 エアバスにからみ48億円 児玉誉士夫氏に21億円 日本政府にも流れる」との記事が掲載され、翌日から新聞もテレビもロッキード関連の報道一色に塗りつぶされて日本列島は興奮の渦に巻き込まれた。

 当時特捜部にいた若手検事の間では、この降って湧いたような事件に対して、特捜部として必ず捜査に着手するという積極派や、着手すると言っても贈賄の被疑者は国外在住のロッキード社の幹部が中心だし、証拠もほとんど海外にある、いくら特捜部でも手が届かないのではないかという懐疑派、苦労して捜査しても造船疑獄事件のように指揮権発動でおしまいだという悲観派が入り乱れていた。

 事件の第一報が掲載されてから13日後の2月18日検察首脳会議が開かれ、席上、東京高検検事長の神谷尚男氏が「いまこの事件の疑惑解明に着手しなければ検察は今後20年間国民の信頼を失う」と発言したことが報道されるやロッキード世代は歓喜した。後日談だが事件終了後しばらくして若手検事何名かで神谷氏のご自宅にお邪魔したときにこの発言をされた時の神谷氏の心境を聞いた。「(八方塞がりの中で)進むも地獄、退くも地獄なら、進むしかないではないか」という答えであった。

 この神谷検事長の国民信頼発言でロッキード事件の方針が決定し、あとは田中角栄氏ら政財界の大物逮捕に至るご存じの展開となった。時の検事総長は布施健氏、法務大臣は稲葉修氏、法務事務次官は塩野宜慶(やすよし)(後に最高裁判事)、内閣総理大臣は三木武夫氏であった。

 特捜部が造船疑獄事件の時のように指揮権発動に怯(おび)えることなくのびのびと事件の解明に全力を傾注できたのは検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制な政治家たちの存在であった。

 国会で捜査の進展状況や疑惑を持たれている政治家の名前を明らかにせよと迫る国会議員に対して捜査の秘密を楯(たて)に断固拒否し続けた安原美穂刑事局長の姿が思い出される。

 しかし検察の歴史には、捜査幹部が押収資料を改ざんするという天を仰ぎたくなるような恥ずべき事件もあった。後輩たちがこの事件がトラウマとなって弱体化し、きちんと育っていないのではないかという思いもある。それが今回のように政治権力につけ込まれる隙を与えてしまったのではないかとの懸念もある。検察は強い権力を持つ組織としてあくまで謙虚でなくてはならない。

 しかしながら、検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘(せいちゅう)を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。

 正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない。

 黒川検事長の定年延長閣議決定、今回の検察庁法改正案提出と続く一連の動きは、検察の組織を弱体化して時の政権の意のままに動く組織に改変させようとする動きであり、ロッキード世代として看過し得ないものである。関係者がこの検察庁法改正の問題を賢察され、内閣が潔くこの改正法案中、検察幹部の定年延長を認める規定は撤回することを期待し、あくまで維持するというのであれば、与党野党の境界を超えて多くの国会議員と法曹人、そして心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない。

 【追記】この意見書は、本来は広く心ある元検察官多数に呼びかけて協議を重ねてまとめ上げるべきところ、既に問題の検察庁法一部改正法案が国会に提出され審議が開始されるという差し迫った状況下にあり、意見のとりまとめに当たる私(清水勇男)は既に85歳の高齢に加えて疾病により身体の自由を大きく失っている事情にあることから思うに任せず、やむなくごく少数の親しい先輩知友のみに呼びかけて起案したものであり、更に広く呼びかければ賛同者も多く参集し連名者も多岐に上るものと確実に予想されるので、残念の極みであるが、上記のような事情を了とせられ、意のあるところをなにとぞお酌み取り頂きたい。

 令和2年5月15日

 元仙台高検検事長・平田胤明(たねあき)

 元法務省官房長・堀田力

 元東京高検検事長・村山弘義

 元大阪高検検事長・杉原弘泰

 元最高検検事・土屋守

 同・清水勇男

 同・久保裕

 同・五十嵐紀男

 元検事総長・松尾邦弘

 元最高検公判部長・本江威憙(ほんごうたけよし)

 元最高検検事・町田幸雄

 同・池田茂穂

 同・加藤康栄

 同・吉田博視

 (本意見書とりまとめ担当・文責)清水勇男


法務大臣 森まさこ殿

検察庁51601

2020.05.14

香貫山の地下埋設工事 その2

香貫山影奉仕は、2020年7月~11月にかけて行うレーダー雨量計通信ケーブル・電力ケーブルの地下埋設工事に、香貫山にこれ以上の負荷をかけてしまうと、既に数か所に崩落が続けて起きているので、どんな事態が起きてしまうのか不安に思っていました。

そこで、特別上級技術者の塩坂工学博士にSOSを発信。すぐに飛んできてくださって、香貫山の現地調査に入る。そこで数時間、山に入って診断をして下さった結果、色々のことがわかりました。
香貫山の貴重な資源を再発見し、この山の保全をしながら、後世に残すべき沼津の宝であることを改めて確認できた機会になりました。

先生の診断結果:香貫山は海底て噴出した変朽安山岩プロピライ(prppylite)熱水の作用で変質した安山岩からなります。マグマが海水に触れた部分では、節理が発達してタマネギ風化が多く見られました。よく見ると、玉ねぎの芯の部分の褐鉄鉱の球体がゴロゴロ転がっています。
登山道は、数十年前に作られたもので、盛り土部には、円弧滑りが見られ道路にはテンションクランクが、見られ10cm以上の変位が見られました。
結論としては、風化の進んでいる安山岩の山体に、簡易的な林道が作られており、細心の注意で工事を行うべきとの判断になりました。

★★★埋設工事にあたり道路管理者として沼津市が求めるべきこと★★★
●風化の進んでいる安山岩の山体に、簡易的な林道が作られており、細心の注意で工事を行う。
●現状は盛り土部が滑りつつある状況は、工事に起因して、加速度的な負荷がかかることにより、がけ崩れ等が起きた場合、その因果関係を明らかにしたうえで、データーに基づいて両者対等(国交省と東京電力及び沼津市)の立場で協議をし適切な対応を行う。

変朽安山岩中に見られる、共役断層。

玉ねぎ風化の芯の部分が、ゴロゴロ。至る処に玉ねぎ岩ってすごく珍しい。

玉ねぎ風化の初期だん

断層から湧水。弱アルカリ性の水の可能性

テンションクラック。引っ張り亀裂で円弧滑りの前兆

 節理に植物の根が入って風化が進む

円弧滑りの変形。山側の道路との段差が10センチも下がっている。

盛り土の部分は、あちこちで亀裂がある。そこから水が浸透し、谷川の道路が滑りやすくなっている。

                                           令和2年5月  日
道路管理課 様                                 
農林農地課 様

     香貫山におけるレーダー雨量計通信ケーブル電力ケーブル地下埋設工事について

2020年度施行箇所の香貫山登山道入り口から香貫山香陵台公園までの地下埋設工事について、2019年度に引き続いての工事という事ですが、これまで一度も香貫山影奉仕には事前説明はありませんでした。
今回5/11に国交省沼津河川事務所工務第1課と東京電力パワーグリッド静岡支社の方から説明がありました。その際、今年度の工事を行うにあたり、前年度の工事中、落岩や表層流出が起きたことについて意見交換をさせていただきました。

これまで沼津市は香貫山保全や利活用について、いくつかの検討会や懇話会、また調査研究会を行ってきました。香貫山の保全について、「事業を実施する場合には、国が定めた「環境影響評価」の考えを尊重し、事業を実施する前に事業内容を市民に開示し、事業の効果とリスク、環境への影響、安全性、管理、運営方法、工法の選択などを十分検討したうえで、より良い事業計画を・・・」という懇話会からの提言等が出されています。

これまでの経緯を踏まえて以下のことに留意していただくようお願い申し上げます。

〇風化の進んでいる安山岩の山体に、簡易的な林道が作られており、細心の注意で工事を行って下さい。
〇工事に起因して、加速度的な負荷がかかることにより、がけ崩れ等が起きやすくなります。一定の経過期間の中で起きた崖崩れ等においては、その因果関係を明らかにしたうえで、データーに基づいて両者が協議をし、山の現状回復に対応をして下さい。
〇今回の工事箇所は、13本が立ち枯れ等で道路側に倒木の危険があるため、工事を行う際には、住民や工事現場の安全を考え伐採をして下さい。

                          香貫山影奉仕   代表  浅井増優
                                             
               事務局 山下誠次

2020.05.14

香貫山の地下埋設工事 その1

20207月~11月までに香貫山にレーダー雨量計通信ケーブル(国交省)と電力ケーブル(東電)の地下埋設工事の2期工事が開始されようとしています。レーダー雨量計は県内4か所あるうちの最後の1か所の設置です。全国では24か所のレーダーのうち、山頂に設置されるのは、沼津市だけという事です。

5/11工事関係者の国交省沼津河川国道事務所と東電パワーグリッド静岡支社の方2人が来て説明をしていかれた。
昨年から引き続いての工事だが、学校、自治会、茶屋等に説明をしているという。
私たち影奉仕には初めて話し合いがもたれたわけだが、本来ならば、当然、地域やそこに関わる市民団体には、工事を計画するにあたり、事前説明があってしかるべきだと思っている。

7月から始まる工事において、これから道路管理者である沼津市に対して、工事を行うためには道路占用並びに土木工事施行許可基準に従って、許可申請手続きを取っていかなければならない。また、道路管理者である、道路管理課は、許可申請を受理する前に申請者から事前相談、問い合わせ等があった場合は、これに対して必要な行政指導を行うとともに、その経過を明らかにしておかなければならないとある。及び行政指導は相手方の任意の協力によって実現されるものであるという事も静岡県の道路使用許可事務取扱いには示されている。

今回の工事は香貫山の中でも地盤が緩く、落石や倒木が良く起きているので、今回の工事によって、盛り土部が滑りやすくなっているところに、負荷がかかれば、さらに工事の掘削による振動が引き金になって、亀裂が生じ、崩落が起きやすくなってしまうのではないかと懸念する。

香貫山影奉仕は山の保全を維持していくために、この工事が引き金となって懸念される事象等について、もし起きた場合、どうやって現状復帰を求めていくことができるのだろうか。

レーダー
レーダー3

2020.05.13

My Birthday

コロナ騒ぎの中での誕生日。今回、初めてかもしれない。いつも母の日と同時なので、一緒に片付けられていたんだけど、今回は息子がテレワークで帰国中のお陰で母の日と別建てで2回もやってもらっちゃった。なんだか得した気分。いつもはこんな風にはならないの。
ガナッシュケーキとピザとシャンパンとイカ墨リンネとメインディッシュはカジキのオーブン。娘からは体脂肪率や皮下脂肪、BMIが測れて、アイフォンでつながっている体重計が届きました。

今回はヴィーノと一緒に祝ってもらった。きっと来年は一緒に写真に納まることなんかないんだろうな。

2020.05.12

第10回高尾山穂見神社の清掃活動

新型コロナウィルス感染症による影響下で自粛していた日々。今日は朝7:00~高尾山穂見神社の清掃活動で県道を走って向かったのだが、今日はいつになく車の渋滞に驚く。飲食店等の休業要請解除に伴う経済活動が始まったのかと思うほど・・・

いつもの仲間と、いつものように熊野神社、穂見神社とお参りをしてお掃除に取りかかる。今日も朝からいい天気です。

2020.05.10

Mothers'Day

今日が母の日だなんてすっかり忘れていた。朝、目が覚めると、朝食は息子の手作りホットケーキに豆乳のカフェラテ。
今回の新型コロナウィルス感染症における緊急事態宣言によって、テレワークで彼は我が家にいる。
きっとこんなに長い時間を家族が一緒に過ごすのは、彼が中学で留学して以来かもしれない。そうすると15年ぶりぐらい? わぉ、驚いた、こんなに月日がたっているなんて。
いつも何となく、LINEや FACETIMEで家族の存在を身近に感じていたものの、実はほとんど会っていなかったことに今更ながら驚く。そういえば、今の私は食事の用意でキッチンに向かうことも多くなり、昼食を自宅でとるなんてことも、ほとんどなかったのに、今は毎食一緒にしていることが多くなっている。
きっと、この先、もしかするともうないかもしれない、こんな長い時間を家族が一緒に過ごすことは。普通の家庭より早く子どもたちは巣立ってしまったから、だからこそ、今のこの時間が貴重だと思えてくる。母の日に気付かせてもらったこの瞬間を記憶にとどめておきたい。
今流行りの初心者向きの厚底ランニングシューズのプレゼント。これって走れってことらしい。元体育会系としては、期待に応えて走ってみようかな・・・

1母の日
1母の日2

緊急事態宣言での街中は今まで見たこともないほど静まり返り、車も人もいないこの状況は2度とあってはならない事態だからこそ、今何が起きて、どうしたら私たちは生き延びられるのか、正しい情報は何か、今起きている現実をしっかり見届け、この状況から多くのことを学ぶ必要があると思えてくる。きっと今までと同じようにはならないのではないかと。
今までの普通のことが、実はとても当たり前のことではなかったのかもしれないとさえ思えてくる。

かけがえのない命の誕生に、その彼らの未来のために、今があるのだから、私たちのなすべきことをしていく。

2020.05.09

第126回香貫山影奉仕のごみ拾い

香貫山1

先月はコロナのための緊急事態宣言が出て、急きょ中止にして、今日は2か月ぶりの影奉仕の清掃の日です。
仲間は日々山に来て、独自に樹木や植栽、駐車場等の整備活動をしてくれている。なので、毎月第2土曜日の活動は、そんな仲間の元気確認になっているのかもしれない。

今日は、「普段は忙しくて自分の身の回りことで必死でだけど、このコロナの影響で仕事が休みになったので、やっと参加することができました」と言ってきてくれた人もいた。日本中がコロナによる影響でどれだけの人々が苦境に立たされているのだろうか。そう思うと居ても立っても居られない気持ちに、本当に日々苦しくなってしまう。

今日は3班に別れ、頂上の枝が折れてしまって、そのままになっているところの整備と、後は香陵台周辺のいつものように草刈りやトイレとごみの回収などに分かれてやった。暖かくなってきたので、草ののびるのが早いこと・・・
桜の苗を植えようと1本持ってきてくれた仲間がいた。枝に桜の根が沢山出ていて珍しい。↓の写真

香貫山9
香貫山2
香貫山7
香貫山3
香貫山4
香貫山6
香貫山5
香貫山8

今回も仲間の笑顔と共に無事終了でき、充実した朝になり感謝です。タカちゃんはトイレ掃除を必死にやってくれてありがとう。洗剤補充してなかったね。

これから、少しずつ仲間を紹介していこうと思う。
香貫山の主でもある浅井さんは、香貫山に上がってくる人たちの信頼も厚く、歯に衣着せぬ人柄は一見怖そうだけど、山の植物を愛するとても心優しい人です。そして穏やかで調整役の竹下さんは香貫山影奉仕にとってなくてはならない人。数え上げれば本当に色々の方々が、それぞれの役割りを上手くこなしてくれている。

カレンダー

«5月»
     1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       

ブログ内検索

フィード